この地球上でこれまでのような生活を人類ができなくなった場合、宇宙移住をすれば
いい、と考えている人々もいるだろう。宇宙移住とは、火星などに移住することをいう。
あるいは宇宙空間で生活しようとするスペース・コロニー(宇宙植民地)を意味する。
宇宙移住とは、衣・食・住のすべてを移住先で賄うことである。菜っ葉の一つや二つ
移住先で作れたとしても食の問題が解決されるものではない。主食の米や小麦などを現
地生産するのは不可能である。衣類も現地生産しなければならない。さらに住宅を建設
する重機やセメントなども現地生産せざるを得ない。いずれも不可能である。
さらにはスペース・コロニーの中で生活し、衣・食・住の必要物資を地球から常時搬
入すればいい、と考える輩もいるかも知れない。しかし、地球は温暖化で食料なども壊
滅する段階に近づきつつある。上記の人々の分まで融通する余裕はないはずである。そ
れを強行する人々がいるとすれば、地球に取り残された人々から猛反発をうけるであろ
う。具体的にはスペース・コロニーに飛び立つロケットに地上から小型のミサイルで撃
ち落とされる可能性があるものと予想される。ゲリラ攻撃のことである。いわば宇宙戦
争の第一段階になる可能性がある。
それではそのロケットを打ち落とすことのできるミサイルは、どの位の大きさが必要
なのであろうか。この点に関しては、地球の上空を浮遊しているスペースデブリ(宇宙
ゴミ)の状況を見れば簡単に分かることである。スペースデブリとは、地球の衛星軌道
上を高速で移動している。しかもそれぞれ異なる軌道である。現在その数は、約10セ
ンチ以上のものが2万個、1メートル以上のものは約5000個ある。その他のものま
で数えると無数にあるとわれている。将来的には人類の宇宙活動の妨げになると考えら
れている。それらのデブリが衝突したときの破壊力はすさまじく、直径が10センチ程
度であれば宇宙船を破壊してしまうという。(この項、「世界の大問題」小川真史著、サ
プライズBOOK)参照。
これらの点から勘案すると、1・2メートルのミサイルの先端に爆薬を装填したミサ
イルをロケットに打ち込めば簡単に破壊される恐れがあるのではなかろうか。太陽系宇
宙には知的生物がいるのは地球だけである。地球人が住んでいる地球と同じような隣の
星まで最短でも片道、約70年もかかるものと推測している。それも、無人の人工衛星
での年月である。有人衛星なら、もっと行くまでの年月が必要ではなかろうか。多角的
に考えても、将来的には地球で地底都市を造って生き延びる以外に方法があるのなら教
えていただきたいと願っている。