今週の法話

法華宗北海寺住職-二王院観成による仏教用語と法話集です。毎週水曜日に更新いたします。

民主党が早速出した増築基準の改正

2009-10-06 10:12:32 | 政界再編論議
 住宅などの建造物を増築する場合、現在の建造物に接して
増築できたのは「延床面積の20分1、なおかつ最大50平
米以内」だった。それ以上増築する場合は、廊下で間隔を開
けて増築しなければならなかった。これが自民党政権下での
建築基準法だったのである。この基準は、建造物の所有者並
びに建築業者にとって非常に困った問題点だったのである。
所有地が豊富にあるわけでないからである。自民党政権下で
最後の建築基準法が改正されたのは一昨年の1999年6月
のことである。当時、ヒュ-ザ-などの構造偽装事件などの
後で改正されたため、極めて過酷で、建築業者泣かせの内容
だったのである。
 この基準法改正に、当時から民主党は反対していた。今回、
この基準法の一部を見直し「延床面積の2分1」まで現建造
物に密接して増築できるようになった。「既存不適格の増築
の緩和について(告示改正等)」がこの9月に発令された。
これは民主党政権が発足してはじめての具体例であろう。こ
れは善政というよう。
 今回の衆議院選の後で、山崎元副総理は「国民のいやがる
ことを押しつけた結果が自民党惨敗の最大原因だろう」とい
う内容の発言があった。この発言は芯を突いている。この基
準法改正の他に、負担増の高齢者医療制度、ずさんな年金基
金の管理、年金基金の浪費、郵政民営化における郵政省管轄
の建造物や所有地の理解不能の処分方法などがある。枚挙に
いとまがない。
 民主党政権は、政策決定の最初の段階から官僚抜きのシス
テムを構築しようとしている。その点については功罪半ばす
るかもしれない。しかし、官僚主導の政策決定は行きずまっ
ていたことは事実であろう。当面は面従腹背という官僚の抵
抗は熾烈を極めるかも知れない。しかし、それは一時的なこ
とで、政党と官僚が相和す時期が必ず来るであろう。民主党
の努力と英知に期待したい。