今週の法話

法華宗北海寺住職-二王院観成による仏教用語と法話集です。毎週水曜日に更新いたします。

21世紀はパニックの世紀

2009-04-29 07:34:15 | 環境
 21世紀は「パニックの世紀」と1998年
に発刊した野僧の「地球成仏」で指摘した。そ
の原因は二点が根拠となっている。
 一点目は、地球環境の劣化である。一口に云
えば、温暖化による影響である。具体的には台
風などの巨大化、洪水の多発化、過乾燥の影響、
巨大津波の襲来、海面の上昇など人間生活に直
接、間接に悪影響を与えているのは御承知の通
りである。今後の深刻な影響として酸性雨、光
化学スモッグ、慢性的な水不足、オゾン層破壊
の影響などが心配である。
 二点目として、人類が滅びる前兆の一つとし
て動物が原因の難病・奇病が多発すると仏典に
説かれている。「大力鬼神は、この地上の人
々を侵し悩ます。精神的に体を乱させ、死にい
たらしめて去る」(長阿含経)、さらには「非
人(動物など)が毒をはくから、病気が流行す
る。それに遭えばたちまち命を落とす。治療し
て救うことは困難である」(倶舎論)と、説か
れている。
 辛口流に云えば、オリンピック誘致に夢中に
なっている場合ではない、といわざるを得ない。
しかし、人類が存在している以上、すべての困
難を解決して人類延命策を講ずるのは当然のこ
とである。そのためには色んな研究開発が連綿
として続くだろう。我々の子孫のためにも頑張
ってもらいたい。ただ云えることは、漁網のよ
うに、すべての現象は、すべてと関連している
ということを基本に考えて研究すべきではなか
ろうか。21世紀は間違いなく「パニックの世
紀」である。 

林被告死刑確定と肉親への愛

2009-04-23 08:37:47 | 幸福の追求
 1998年に発生した和歌山の毒物カレー事件で
この21日、最高裁は元保険外交員林真須美被告の
上告を棄却し死刑が確定した。
 マスメディアによると、「実の娘を抱きしめてや
りたかった」、「初孫誕生近し、と聞いて嗚咽」し
た、などと報じられている。林被告の人間らしい一
面を垣間見たような気がする。
 「そして死刑は執行された」(合田士郎著・恒友
出版)によると、「罪を悔い、己の愚かな行為を反
省しない」死刑確定囚は一人もいないという。しか
し、「塀の中で懲りても、もう遅い面々」なのだと
もいう。それだけに、後悔の念や反省の気持ちは人
一倍強い、という。殺人犯の場合、毎日、故人の霊
を真剣に拝み、読経を欠かさないという。一方で処
刑の恐怖があるだけに、慰霊と悔恨の気持ちは想像
以上であるともいわれる。しかし、予告なしの処刑
の当日、お迎えの使者が自分の独房の前で立ち止ま
った瞬間から地獄になるという。ほとんどの死刑囚
は、「死ぬのはいやだ」、「助けてくれ」と泣き叫
ぶ、という。あるいは「ウオッ」と言葉にならない
大声を張り上げて暴れまくる。または、ペタッと腰
を抜かして痴呆状態になり、半ば失神のまま引きず
られて行くという。静かに処刑されて逝った者など
殆どいない、というのが実情だという。死刑執行は
まさにこの世の地獄を呈しているという。
 いずれにしても、死刑になるような、あるいは殺
人行為をしないことを、すべての人々は人生の最大
の目標とすべきであろう。そうすれば、死刑や監獄
生活という悲惨なことをしなくてすむ。
 ただ、林被告は、4人の犠牲者と63人のヒ素中
毒の被害者を出している。何とも複雑な心境である。
しかし、生きている人間を殺すという死刑という暴
虐行為は否定されてしかるべきではなかろうか。
 「自分が愛しければ、自分で自分をよく守れ」、
とブッダは説いている。

中国の人権抑圧はいつまで続くのか?

2009-04-15 10:41:29 | 幸福の追求
 昨年3月に発生したチベット自治区のラサ暴動
で店舗などに放火したとして2人のチベット人に
4月8日、死刑が言い渡された。恐らく、即日に
死刑が執行されたと思われる。中国には再審制度
がなく、死刑が即日執行されることが多い。まさ
に人権無視の国といっても過言ではない。他の二
人に、執行猶予つきの死刑、もう一人には無期懲
役が言い渡された。
 また、国際的には独裁国家の北朝鮮や、ミャン
マーやアフリカ諸国などを庇護している。他国に
対する不干渉という美辞のもとに国連活動をして
いる。人権とは無関係と言いたいらしい。それら
の独裁国家の数を頼りである。第二次世界大戦後、
民主主義と人権を世界の多くの人が取得した、と
言われる一方で、中国のこのような態度は、世界
の平和に逆行している。いわば、中国は三流国と
いわれても仕方がない現状である。
 いかに経済的に発展したとしても、民主国家と
は認めがたい。世界中から中国の人権無視が批判
されている。
 今回のチベット人に対する死刑判決は、人権無
視の最たるものである。中国政府はチベット人に
対する弾圧を止めるべきである。チベット人に仏
教を返すべきである。中国人は「大人」のはずで
ある。

私の好きな食堂(そば)

2009-04-08 16:08:43 | 幸福の追求

 誰でも行ける庶民的な食堂の第2回目の紹介である。場所は札幌の「すすきの」にある。「かすそば」の看板がかかっている。この店の麺は腰があって美味しい「ごまそば」である。 また、「おでん」と「焼き鳥」が年中一緒に食べられる数少ない店でもある。酒を飲んだ後で、最後にさっぱりした「もりそば」で〆る。「そば」は、いろんな種類があるが、私は「もりそば」が大好きである。安くあがるようになっている人間らしい。 また、店は小さく、11の椅子席しかない。しかし、リピーターが多い。 「かすそば」とは、牛のモツをじっくり素揚げして、余分な油を取り除いた油かすのことである。それが入っている「そば」のことである。外はカリカリ、中はプルプルで香ばしく、低カロリーの高タンパク、さらにコラーゲンがモツの数倍で、女性に嬉しい三拍子そろった食品だ、と店の説明書にある。この店は、「そば」と「うどん」のどちらも食べられる。飲みすぎ要注意。 「かすそば」風土 場所 札幌市中央区南5条4丁目   ソシアルビル 1階   (旧)ロビンソンの正面入り口に向かって左側の    中通りに曲って二軒目。 TEL  011-521-4000営業時間 18:00~翌6:00休み 年中無休(1月1日は朝6時まで営業。夜は休み) (姉妹店) 「かすうどん」風土場所 札幌市中央区南5条西3丁目   第4グリーンビル1階   25人、入れる。   「うどん」だけ食べられる。「そば」は食べられない。   「おでん」と「揚げ物」が食べられる。「焼き鳥」はない。営業時間 18:00~翌6:00休み 月~木曜日の祝日(連休の場合は営業)。 TEL  011-520-5700