金は諸悪の根源!
現在の日本の犯罪の中でも金にまつわる事犯はどのくらいかご存じだろうか。
刑法犯の総認知軒数のうち交通違反軒数まで含まれているが、悪意のある交通違
反軒数は約10%として累計すると、金にまつわる事犯は90.3%である。刑
法犯のほとんどは金がらみとなっている。逆説的には貨幣制度でなくなれば、ほ
とんどの刑法犯はなくなることになるだろう。
(『犯罪白書』法務省法務総合研究所編・平成13年度飯)参照。
詳細については私の粗書『貨幣経済は崩壊するー大反転後の世界はこうなるー』
(三想社・2003年発行)をご覧いただきたい。
また、世界中で戦争のない日はない、と云われている。毎日、世界のどこかで戦
争という殺し合いによって、多くの人々が殺され、傷ついているのが現実である。
それは偶然であろうか、作為的であるかという疑問が生ずる。この点については
『闇の世界権力構造と人類の針路』中村薫著(文芸社)を見ればその答えはすぐに
わかる。それは偶然に起こっているのではなく、意図的に戦争は計画され、実行さ
れている結果だという。常識では考えられない血も凍るような話しだという。著者
の中村薫女史は明治天皇のお孫さまではあるが、日本での一市民という身分では不
可能と思われる外国首脳等にインタビューし、考えられないような世界の政治的な
裏話を書いており珍しい貴重な本といえよう。
同書の肝心を紹介しよう。同書はすでに1997年に発行されているので、その
内容を知っている人も多いと思われる。1番わかりやすい例としてイラクのクエー
ト侵攻を、同書をもとに書こう。直接的な紛争原因としてイラクとクエートの国境を
またぐルメイラ油田が地下にあった。米国元国務長官のK氏がイラクに現れ、『クエ
ートのあのような石油採掘は許されるのか』とけしかけた。以前からクエートは盗掘
しているとイラクは避難していた。米国は予算から「農業援助資金」という名目でイ
ラクに50億ドルを送った。その金でイラクはK氏を介して武器を購入した。その際、
K氏は800万ドルの顧問料をもらっている。イラクのフセイン大統領がクエートに
侵攻する一週間前に註イラク大使G氏は「たとえイラクが侵攻しても米国は干与しな
い」とフセイン大統領に伝えている。それと同じことを侵攻二日前も米国の外務次官
が繰り返したと報道された。また、米大使G氏はフセイン大統領との会見中に、イラ
クの軍事行動を容認する発言を容認したという。
こうしてイラク軍は国境突破してクエートに侵攻した。その途端に、世界のマスコミ
を総動員してフセイン大統領を悪者に仕立て上げ、多国籍軍を編成し、わずか45日間
で広島原爆の50倍に匹敵する番弾が投下された。結局、米国は在庫兵器、爆弾をきれ
いに一一掃してしまった。日本も1兆3000億円もの大金を拠出されるされるはめに
なった。しかし舞台裏の実体は、国際金融財閥の支配下以外の銀行に預金を移動使用と
したクエートを、イラクによる侵攻という形で罰し、それをもって他の湾岸諸国への見
せしめにすることだったと云う。その陰謀は見事に達成されたのである。
また、1980~1988年までのイラン・イラク戦争の例を示そう。イ
ラン・イラク戦争をそそのかして始めさせたのは、実はK氏だったと中丸女
史は明記している。砂漠の真ん中で戦ったこの戦争は水不足のために、自分
の尿を飲みながら戦ったという壮絶なものだった。短期間でイラクは勝利す
るとそそのかしたが、戦争は8年間続いた。さらに、両国が疲労こんぱいし、
和平の動きが出るたびに米国とイスラエルの諜報機関が両国を訪れ、和平の
動きを阻止し、戦闘が続くようにと工作したという。さら、イラン・イラク
双方ともに、同じ国で作られたまったく同一の武器で戦っているのを知った
という。この時ほど「死の商人」という言葉の恐怖を実感したことはないと
女史は記している。
また、日米の太平洋戦争では、日本による宣戦布告なき卑怯な開戦は絶対的に
必要だったと薫女史は云う。日本軍による卑怯な真珠湾攻撃をかたずを飲んで米
国大統領室で待っていたのはルーズベルト大統領とその側近、さらにはニューヨ
ークの金融財閥だったと云っている。20年も前から計画されていた世界大戦に
参戦するには日本側に先制攻撃させることが絶対に必要だった。すなわち日本は
米国の罠にみすみすはまったことになる。戦後、テレビ、新聞などのマスコミは
この事実を報道しているので、間違いのないことだと断言できるだろう。
さらに軍需産業としては世界各地で絶えず戦争がなければ困ることになる。し
たがって、世界各国の小さな紛争を見つけ出し、双方に資金と武器を持たせ紛争
をわざわざ大きくすることもあると云う。あるいは、何の紛争もない地区に、紛
争が発生するように両勢力に金と武器をわたし策略をめぐらすこともあると云う。
このような陰謀を巡らすのはCIAだと云われている。まさに血も凍る世界だと云
う。
本欄の最初に書いた通り、犯罪の90%は金がらみである。男も女も、理由はい
ろいろであるが、金のためには何でもする。すなわち、貨幣経済である限りは金が
らみの犯罪はなくならないのではなかろうか。逆説的には貨幣経済をなくすれば金
がらみの犯罪はなくなるであろう。「貨幣制度が世界中から消えれば、円満な社会、
円満な世界にしてやって行ける」という発言をした日本人の有力な経済人をテレビ
で見たことがある。うっかりしてその人の名前をメモできなかったのが残念である。
もしもその人物を知っている方は、その方の姓名を教えていただきたいと願ってい
る。
次回は、一国の王子、妻子のいる家庭、貨幣経済制度などの世俗のすべてを捨てて
求道者となったブッダの貨幣制度への苦言を呈したブッダの発言をご紹介したいと思
う。