今週の法話

法華宗北海寺住職-二王院観成による仏教用語と法話集です。毎週水曜日に更新いたします。

あなたの家は、あと何代続きますか?

2005-11-29 00:02:56 | 永代供養墓
 永代供養墓(合葬墓)を見に来る人の多くは
何らかの理由で後継者がいない人がほとんどで
ある。それは必ずしも子供がいない、という人
ばかりではない。子供がいても、その子供が4
0歳代になっているが結婚しないため後継者が
いない、という人が多い。
 あなたの家は、あと何代続くと思いますか。
少子化と結婚しない男女が増えている。さらに
離婚も増加の一途をたどっている。当家はあと
3代は確実に続く、といえる人ははたしてどれ
だけいるだろうか。血筋は絶えないかもしれな
いが、少なくとも、後継者のいない家庭が増え
ることだけは確実のようである。
 たとえばこんな例がある。子供は3人いる。
一人は女で結婚して嫁いでしまった。先方の家
ではお墓をもっているので頼りにならない。あ
との2人は男だが、東京で働いている。しかし、
2人とも40歳を過ぎているが結婚していない。
今後、結婚するのやら結婚しないのやら分から
ない。たとえ結婚しても孫ができるのかどうか
も分からない。
 また、女の子供が3人いる。しかし、3人と
も嫁に行って、家の後を継ぐ人は誰もいない。
将来のことを考えると、夜も眠れない時がある、
という。
 この両者に共通しているのは、お墓を建てる
金は持っているが、その承継者がいないため、
無縁墓になるのが分かっているのにお墓を建て
るべきか、どうか迷っているという悩みである。
 このように悩んでいる人達にとって、一つの
解決策となるのが永代供養墓(合葬墓)である。
また、お寺としても、それらに悩んでいる人達
に救済の手を差し出しているのである。
 お寺は、たとえ住職の直系者がいなくなって
も本山を経由して後継住職が来る。よほどの理
由がないかぎりお寺そのものが無くなることは
ない。合葬墓は、お寺が存在する限り、半永久
的に代々の住職が供養するお墓である。何の心
配もない。
 説明を聞いて、契約して帰り際に「今日から
安心して眠れます」という言葉が印象的である。
 

永代供養墓(合葬墓)余話

2005-11-22 20:43:11 | 永代供養墓
 当北海寺では「永代代供養墓」(合葬墓)を一年前から設置
している。北海寺に来る前にいた新潟市(旧小須戸町)の感応
寺でも永代供養墓を設置していた。その両者の経験から永代供
養墓に関する余話を書きたいと思う。その目的は、墓やお骨の
祀り方に悩んでいる方々の参考になればという思いがある。
 一口でいえば、墓に関する問題意識を持っているのは、ほと
んど女性である。たとえば、自分の妻と同じ墓に入るのが当然
と思っているのは男性である。すなわち、妻と一緒の墓に入り
たくないと思っている男性は一人もいなかった。
 一方、夫とは絶対に同じ墓に入りたくない、といって尋ねて
くるのは女性だけである。それにはそれなりの理由があるはず
である。しかし、野僧からその原因を聞くことはない。中には、
その理由を話す方もいる。
 たとえば、今は亡き夫は工務店を経営していた。大変に繁盛
していた時期があった。その時、毎日のように飲んで帰ってき
た。そして夫はいろんな飲み屋の女性と不倫を繰り返すように
なった。それで私は散々泣かされた。同じ墓にはいってまで泣
かされるのはまっぴらご免だ、だから永代供養墓に入りたいの
です。
 また、亡くなった夫は酒が好きだった。したがって毎日酒臭
い夫の息を吸って寝てきた。死んでまで酒臭い息を吸いたくな
い。だから夫と同じ墓に入りたくないのです。
 一方、想像もしていなかった例もある。女性が成人した二人
の子供さんと3人で来たことがある。その話の内容は、現在霊
園に墓地を造立して持っている。夫は一家して同じ墓に入ると
ばかり思っている。しかし、私は夫とは同じ墓には入りません。
このことは二人の子供達も同意してくれています。だから永代
供養墓に入りたいのです。すなわち、知らないのは夫ばかりな
り、ということになる。
 いずれの場合も、それぞれの理由がある。その気持ちは十分
に理解できる。中には、それぐらいのことで、と思う方もある
だろう。しかし、当人にとっては我慢できないのであろう。人
間の数だけ悩みと苦労があるということである。
 世の男性諸氏は、胸に手を当てて反省することをおすすめし
たい。

ブッシュ大統領来日の真意は何か?

2005-11-19 00:46:43 | 戦争と平和
 米国のブッシュ大統領が来日した。まず注目
しなければならないのは、共同声明や文書を一
切まとめない、という点である。
 その代わり、ブッシュ大統領と小泉首相が話
し合ったという数項目が、共同記者会見で羅列
された。①日米関係の重要性を確認。②イラク
での自衛隊派遣延長を小泉首相が事実上表明。
③在日米軍再編実現に首相は最大限努力するこ
とを表明。④日本の国連安全保障理事会常任理
事国入りを支持すると大統領は表明。⑤北朝鮮
の拉致問題で、懸念を共有していると大統領は
表明。⑥米国産牛肉の早期再開を大統領は要請。
⑦首相の構造改革路線を支持すると大統領は表
明。⑧北朝鮮の核廃棄の促進を確認している。
 しかし、これらは両国政府間では既に了解済
みのはずである。わざわざ来日して話し合う必
要性は感じられない。世界の警察官を自負する
ブッシュ大統領が来日して日本の首相と直に話
し合わなければならない重要な話題が他にある
はずである。それは一体何であろうか?
 その最中に、特に注目しなければならない国
連決議が17日なされた。それは北朝鮮の人権
侵害に対する決議である。
 国連総会第三委員会(人権)が採択した北朝
鮮非難決議のことである。これは英国が中心に
なって非難決議案を策定し、日米欧などの45
ヶ国の共同提案である。賛成84、反対22、
棄権62で採択された。投票では中ロ両国など
が反対、韓国などが棄権した。この総会決議は
法的拘束力はないが、国際社会の意思表示とし
ての重みがある。
 その非難決議の内容は、北朝鮮の「組織的、
広範囲の人権侵害」に深刻な懸念を表明したも
のである。①強制的失踪という外国人拉致に関
連する未解決の諸問題。②政治犯らに対する強
制収容所の問題。③外国から送還された脱出住
民(脱北者)に対する虐待、等々である。これ
らの内容は、すでにマスコミ報道されているの
で周知の事実であり、非難決議は当然といえば
当然のものである。
 しかし、問題は、米国などが何か(戦争)を
する前に使う常套手段だということである。イ
ラクの時も、当時のフセイン大統領を悪者に仕
立てあげた。勿論、フセイン大統領の政策に問
題があったのは事実と思われる。世界のマスコ
ミを総動員して悪宣伝したのである。今回の国
連決議は、その時と似ている。
 六ヶ国協議で、北朝鮮は核放棄に同意してい
るが、実行する気配はない。ブッシュ大統領の
北朝鮮批判と受け取られる発言も時々報道され
ている。我慢の限界に達しつつあるのではなか
ろうか。一説には、一週間で北朝鮮を制圧する
計画はできているともいわれている。また、在
韓米軍は釜山にまで既に後退してるともいわれ
ている。北朝鮮のミサイルの射程外に出ている、
とも噂されている。その真偽のほどは分からな
いが、戦争まじかのような気がしてならない。
早ければ動きにくい来年の冬期間になるかも知
れない。空爆とミサイル攻撃が主となるだろう。
もしもそれが現実となれば、恐らく偶発戦争の
形を取るだろう。理由付けはいくらでも出来る
だろう。日本は膨大な資金協力と後方支援の形
になるのではなかろうか。
 今回のブッシュ大統領の来日の真意がそこら
辺にあるのではなかろうか。
 この推測が、あくまでも野僧の邪推で、現実
化しないで終わってもらいたいと切に願ってい
る。