今週の法話

法華宗北海寺住職-二王院観成による仏教用語と法話集です。毎週水曜日に更新いたします。

秘密保護法案は政治関係者の保身対策だ !

2013-11-25 07:32:31 | 幸福の追求

  秘密保護法案の根幹は、「全省庁の長」が秘密の指定者になって

いる点にあると思われる。表面的には①防衛、②外交、③有害活動

④テロ防止の四項目だと指定されているが、③の有害活動はどうに

でも解釈できる。これが「全省庁の判断にまかされる」根拠となる

ものと思われる。この点が、同法案の落とし穴ではなかろうか。

すなわち、これまで政治関係者の贈収賄などでマスコミを賑わし

てきた。今後も続きそうな気配を感じる。これらの問題が表面化す

ることを避けるための保身対策ではなかろうか。すなわち、全省庁

などへの検察の立ち入りを禁ずる必要対策だからであろう。と同時

に政権を握る為政者にとってマスコミや言論人は目障りな存在だか

らであろう。それらの活動を封ずるのが目的であろう。

しかし、これでは戦前の暗黒時代に逆戻りすることになる。治安

維持法に匹敵する同法案は修正の範囲を超えている。創価教育学会の

初代会長は、獄死している。同法案を推進している公明党の動きは理

解しがたいことである。公明党などがブレーキをかけてくれることを

期待している。自民党も熟考すべきである。

 もっと時間をかけて討議すべきである。今回は時間切れということ

で廃案とすべきではなかろうか。第一、米国のマスコミなどの理解も

得られないのではなかろうか。万一、今国会で強行採決されるとすれ

ば、今後の選挙のたびに大きな争点となるであろう。「秘密保護法」

の廃止を訴える野党の大きな旗印となるだろう。その時、マスコミは

大きく動くはずである。マスコミを甘く見るべきではないと考える。


台風の竜巻化、早すぎる !

2013-11-20 21:25:42 | 幸福の追求

  フィリピンを襲っ台風30号は、最大瞬間風速90mという信じられないものだった。

まさに台風が竜巻化したものだったからである。観測史上、初めてである。本欄や拙

書の中で何度となく警告してきたことが現実になった瞬間である。竜巻は幅、約数百

mの「線」で襲ってくるが、台風が竜巻並みに強大化して「面」で襲ってくるようになる

という野僧の予測は、約2050年頃を想定したものだった。今は2013年である。37

年も前に現実化したことになる。あまりにも温暖化のスピードが早すぎる。

  この現実は、日本にもいつ襲ってくるかねしれないという可能性を示唆している。

その時、国も都道府県も、市町村もあなたを守ってはくれない。自分や家族の生命財

産は自分で守らなければならないのである。防災、減災住宅を真剣に各自が再検討

していただきたい。「命あっての物種」ということわざを思い出してほしい。

  当北海寺の庫裡(厨房棟)を来年4月から改築(建て直し)の予定である。勿論、防

災、減災住宅を目的としている。完成予定の来年の末には、写真入りで本欄で具体的

に紹介したいと思っている。是非、参考にしていただきたい。


原発即ゼロの小泉発言は妥当 !

2013-11-13 20:32:00 | 幸福の追求

   12日、小泉元首相は日本記者クラブで記者会見し、「原発即ゼ

ロ」などを強調した。元首相の論拠は、原発から出る核のゴミの処分

場の引き受け手(地区)が無いこと、無害化の処分方法が未確立であ

ること、などのようである。極めて正論である。

  これに対し、「総理の時は原発を推進していたのに、今なって脱原

発をいうのは無責任だ」という批判がある。しかし、小泉氏は「福島の

原発事故を見て、原発反対になった」、と云っている。これを「君子は豹

変する」(易(えき)経(きょう))と昔からいわれている。

  また、「人気のある安部首相に妬(や)いているのでは」、などという批判も

ある。しかし、元首相はそんな小さな人間ではない。そのような批判を「

下(げ)種(す)の勘繰(かんぐ)り」という。

  原発の核のゴミは環境破壊、ガンの素(もと)にもなる。現在、原発推進派、

維持派も多いようである。原発推進論を主張するのであれば、核のゴミ

の処分場を見つけてきてから云えばいいではないか。どうしても見つ

けられなければ、賛成派の一人ひとりから責任をもって処分していた

だかざるを得ないのではなかろうか。

  小泉氏の脱原発論は、どこから見ても正論である。


秘密法案は世界のレジームに逆行 !

2013-11-05 16:57:28 | 幸福の追求

  特定秘密法案は「自由と民主主義」という世界のレジーム(体制)

の流れに逆行するものである。この法案は国の重大秘密を政府職員

などが漏らした場合、最長10年の懲役が科されるとするものである。

しかし、重大秘密といっても、単に防衛関係だけではない。政府が不都

合と思えば、どんな事項でも特定秘密に指定できるというあいまいで、

政府にとって極めて都合の良い内容である。まさに戦前の状態に戻そう

とするものである。時代錯誤も甚だしい。暴君政治への逆行は許されな

いはずである。廃案にすべきである。

  事実、米国のインターナジヨナル・ニューヨーク・タイムズは、「国民の知

る権利をむしばむ秘密保護法」と批判している。国内的には、「防衛、外交

文書などの歴史的な検証が出来なくなる」、「将来的には、政治家や官僚か

らの回顧談がきけなくなる」などの懸念が指摘されている。(毎日新聞。参

照)同法案は、戦前の治安維持法に匹敵する「悪法」である。大逆事件を思

い出さざるを得ない。同法案が成立すれば、一番困るのはマスコミであろう。

  今回の同法案の提出の真の意図は、原発事故問題に関係しているので

はないかと思っている。安倍首相は、汚染水問題の解決のため、諸外国か

らの知恵を借りたいと発言しているが、福島原発の真実の現状をまず開示

すべきである。メルトダウンした核燃料棒の融解した塊を、どの水で冷やし、

その汚染水はどこに、どう処理しているのか、という現状を公表しなければ、

外国からの助言などは得られるはずがない。口先だけではパフォーマンス

に過ぎない、と云われても仕方ないであろう。それらを秘密事項に指定さ

れたら、再びどこかの原発が事故を起こした場合、対処できないことにな

ることの方が恐怖といえよう。でたらめを隠すために同法案を提出するの

であれば悪法と云わざるを得ない。

  もっと、国民の真の幸福と安寧を真剣に考えてほしい。同法案には絶対

反対である。


山本参議院議員の天皇への手紙は不愉快 !

2013-11-02 17:00:58 | 政治

  10月30日、赤坂御苑での秋の園遊会で、山本太郎参議院議員が

天皇陛下に手紙を手渡したのは不愉快な出来事である。手紙の内容

は、福島の原発に関するもので、「子供たちの健康被害、原発作業員

の劣悪な労働環境」などを知っていただきたかった、と同議員は云って

いると報じられた。しかし、天皇は国政の権能がないことが憲法に明

記されており、同議員の行為は極めて不適切である。

  第一、  天皇陛下ならびに皇族方、さらには宮内庁などの関係者を

困惑させるものだからである。さらには脱原発を主張する動きに水をさ

すことになるからである。と同時に原発推進派に絶好の攻撃材料を提

供したことになる。非常に不愉快である。

  山本議員は参議院議員としてまだ1期生であり、議員としての言動

の重さを何らわかっていない。正しいと思うことならば、どこででも、誰

にでも話しても良い、と思っているうちは政治家として幼稚園のレベル

といわれても仕方ないであろう。もっと勉強する必要がある。

  しかし、同議員は原発事故による子供達の将来などを心配するあま

りの行為だったのであろう。参議院として懲罰論議はすでにはじまってい

る。懲罰は免れないであろう。しかし、いわば初犯であり、除名だけは避け

ていただきたい、と願っている。