今回のドイツ・サミット(主要7カ国首脳会議)のG7首脳宣言が
発表された。この中で、人類滅亡の極限数値が示されたのは注目
される。宣言の中で、「温室効果ガスを2050年までに10年比
で最大70%削減を視野に努力」とうたっている。これはIPCC
(国連の気候変動に関する政府間パネル)が、「産業革命前からの世界
全体の気温上昇を2度未満に抑えるには世界全体で10年比40~
70%削減が必要」との指摘に沿っている。(毎日新聞6月9日号・
一面、参照)
これは重大な数値の変更を意味している。すなわち、人類存亡の
分水嶺としての地球の平均気温の数値を「2度未満」、とサミットで
確認したことを意味しているからである。これまでIPCCは「今世
紀末には平均気温は4.8度上昇する」、と云ってきた。4.8度上
昇しても人類の存亡に関係ない、人類はそれでも生存できると主張し
てきたのである。テレビ等に登場する関係者は、「平均気温の計算の
仕方は何種類もあり、4.8度でも大丈夫だ」、と云い続けてきたのであ
る。
これに対し、野僧は「人類が生存できるのは産業革命から平均気温
の上昇範囲は1.5度まで」と主張してきた。良心的な科学者は1.5度と
云っていたからである。現在までの平均気温の上昇は約1.1度といわれ
ている。残された気温は0.4度しかないのが実情なのである。
このような実情の中で、IPCCもサミットも2度と云いはじめたの
は、これ以上強弁できないと思っているからであろう。もっとハッキリ
云えば、これ以上地球人を騙し続けることはできないと思ったからでは
なかろうか。
恐らく、2050年の東京の夏の気温は40度が常温となるであろう。さら
に2100年の東京の夏の気温は50度くらいになるであろう。平均気温が
4.8度も上がれば人間は焼け焦がれてしまうのではなかろうか。今年のイン
ドのように。