将来の地球人(人類)の住処は、地球か火星か、という議論がある。
テレビ等のマスメディアを一見すると、火星に移住するという火星移
住説が大勢のようである。本当に火星に移住するとすれば、幾多の疑
問がある。一方、宇宙船へ移住する宇宙植民地説がある。さらには地
球に存続して生き残るという地球存続説もある。検証してみよう。
(前提)
これらの前提として地球環境が悪化して、現状のままでは人類が存
続できない状態が前提として考えられる。したがって、地球から火星
や宇宙船に食料などを供給できない状態になることを前提としている。
供給できる状態であるならば、地球以外の星などに移住する必要がな
いからである。
(火星移住説)
(1) 火星に空気はない。真空状態である。したがって人間が建物の
中にいるときは空調設備が必要である。外に出るときは、宇宙
服を着ざるをえない。
(2) 火星を地球のように空気のある状態にすることができる、とい
う説がある。しかし、そうなるまでに何百年もかかるであろう。
また、そのために必要な資源や資材を火星で得られるか疑問で
ある。
(3) 衣食住に必要な物資等を、どう作り出すのか疑問である。
(4) 火星に流星などが墜落した場合、どこまでもジャンプして飛ん
でいく特性がある。したがって、地上にガラス張りの窓等をつ
けた建築物を構築できないことになる。墜落物がガラスなどを
破った場合、すべての中の物が真空中に吸い上げられるからで
ある。したがって、火星に建築物を造る場合、地底に構築する
以外に方法はないことになる。
(結論)
以上の理由により、火星移住説は不可能と云わざるを得ない。
(宇宙植民地説)
(1) 宇宙空間に宇宙船を造り定住するという説であるが、流星等の
物質が宇宙船に激突すれば、中の物はすべて真空の宇宙に放り
出される可能性がある。現実的ではない思考方法と云わざるを
得ない。
(地球存続説)
(1) たとえいかに地球環境が悪化したとしても、人類はこの地球上に
生き続ける方法をいう。やがて秒速100m以上の猛風が吹きま
くる時代がくる可能性がある。たとえ鉄筋コンクリートの建築物
でも破壊される可能性があると思われる。その時期は不明である。
そのような自然状況を鑑みれば、人類は地下に地底都市を造らざ
るを得ない状態となるであろう。
(2) 世界中の棚氷や氷河などがすべて溶ければ、海面が100m上昇
するという説もある。したがって地底都市への出入口は海抜30
0m以上にしなければならないだろう。地底または山をくり抜い
て造らざるをえないと思われる。
(3) 地底都市のエネルギーは地熱発電、マグマ発電が主力となるだろ
う。
(4) 衣食住の確保をどうするのか、今後の研究課題であろう。
(5) 地底都市となった場合、火星や宇宙船などに物資を供給するだけ
の余力はなくなるであろう。
(6) 絶えず地表の気象条件などをモニタリングして、地表に出られる
時は、外気を思う存分楽しむことができるかもしれない。
(結論)
結局、人類が生き延びる方法は、この地球で地底都市を造る以外に
方法はないのではなかろうか。
人類に残された時間はそう長くないと思わざるを得ない。時間がない、時
間がない。日本だけでなく、世界中が真剣に考える時期にきているのでは
なかろうか。