中国創建100周年の祝典で習近平国家主席は次のような趣旨の発言を
した。①忠告を抑圧しようとする外部勢力を絶対許さない。②貧困から脱
却し経済や国民生活に一定のゆとりができる「小康社会」を全面的に達成。
③世界一流の軍隊を実現し国家主権と安全を守る。④台湾統一は党の歴史
的任務。いかなる「台湾独立」のたくらみも粉砕する、等が基幹となって
いる。国家主席として当然の主張であろう。
その趣旨は部外者のわれわれも十分に理解できる。しかし、われわれ人
類の将来に大いなる障害がたちはだかっている。温暖化による諸現象がす
でに過激化している。それは全世界的規模の問題であり、中国とてその影
響を受ける喫緊な問題となるはずである。中国も温暖化による悪影響に手
こずるであろう。その点が抜けている気がしてならない。
(1)世界の高温化
世界中がすでに高温化している。6月29日、カナダのバンクー
バーで49.6°Cを記録した。北極圏の地でこれだけの高気温を記
録したのは始めてである。このため7月5日から5日間で486人
が突然死している。これまで2100年頃には50°Cになるのでは
ないかと心配されていたが予想外な高温化のスピードに驚いている。
ちなみに米国のカリフォルニアにあるデス・バレー(死の谷)で記録
した世界の最高気温は56.7°Cで1913年7月のことである。
高温化は台風の過激化、竜巻の多発化、南極や北極の氷の融解、海水
温の上昇、海水の膨張化、高潮(台風津波)の過激化、森林火災の多
発化、世界中の砂嵐の巨大化、高温障害の熱中症等、農産物の立ち枯
れと食料危機、食中毒の多発化、等々の障害を数え上げれば切りがな
い。特に次から次に発生する新種の難病・奇病は世界中を疲弊させる
であろう。コロナウイルスの次はモリウイルスの疫病がすでに心配さ
れている。温暖化による灼熱地獄の影響は次から次と世界中の人々を
襲うであろう。
(2)IPCC(気候変動に関する政府間パネル)は、2019年9月に
「IPCC海洋・雪氷報告書」を発表した。その中で、地球の平均気
温が4°C上昇すると22ケ国の海面が8m以上上昇すると指摘して
いる。その中に東京、上海、ニューヨークも含まれている。日本の日
比谷公園まで水没されることになるという。もしもそうなれば、東京
駅も水没することになるだろう。勿論、世界中の小島も水没すること
になるだろう。中国も重大な影響を受けざるを得ないであろう。これ
は世界的な大問題といえよう。21世紀中に恐怖の海面上昇に右往左往
することになる可能性が強いと推測される。自然の強烈なエネル
ギーの前に人類は頭を垂れざるを得なくなるであろう。
(3)人類も絶滅危惧種の一つ。
上記の温暖化による弊害を見ればすぐにも分かるように、現在の
地球には約50種の絶滅危惧種の動物がいる。人類とて地球上の
動物の一つである。絶滅危惧種の一つと云えなくもない。
ブッダは約2500年も前に、人類が滅亡するときのメカニズ
ムを仏典の中で説いている。それによると1.病災。2.飢餓災。
3.刀災によって人類は滅亡すると説かれている。1の病災とは、
「(人間以外のもの)が毒をはくから病気が蔓延する。それに
遭えばたちまち命を落とす。治療して救うことは困難である。」(長
阿含経、倶舎論)と説かれている。2の飢餓災とは、五穀(米、麦、
アワ、キビ、豆)は実らず、ただ茎だけがある、と説いている。3
の刀災とは、生き残った人々が木の枝や石などで7日間にわたって
殺し合う、と説かれている。文化、文明が滅びて原始的な方法で殺
し合い、人類は滅亡すると説かれているのである。恐らく、病災と
飢餓災を何度繰もくり返して人類は絶滅するのであろう。
このブッダの予言が実証されているがごとく幅広い分野の科学者
が科学的な資料を公表している。上記の温暖化による諸現象は人類
の絶滅に関するものばかりである。それにもかかわらず。まだ温暖
化を堂々と否定する一派がある。それには科学的な資料を無視した
それだけの思惑があるのであろう。大体の推測はついているが確証
がまだ薄いのでこれ以上は控えたい。いずれにしても人間界の経済
活動が宇宙(自然界)の反発を軽視している点が重大である。この
ため、温暖化対策、環境浄化という面でいつも一歩も二歩も遅くな
るため現在のような危機的局面を迎える結果となっている。
2050年にはCO2の排出を0にするという目標をかかげる人
もいるが、それを実現したとしても、大気中のCO2が〇となるわ
けではない。その後もCO2が増え続けるだけである。たとえば、
ツンドラ(永久凍土)がとければ、それだけでCO2が増えること
などを計算外に考えている。宇宙の猛威を軽視すればするほど大自
然界の脅威を思い知らされることになるだろう。しかし、来世紀を
迎えられるのは〇ではないと思っている。恐らく世界人口の5%は
生き延びられる者と予測している。また地球のCO2の濃度が3%
となれば人間は地球上に生きていけないと云われている。したがっ
て地底都市を造って人類は延命せざるを得ないであろう。月か火星
に移住しようとする計画もあるかのようであるが、その両者とも
地底に都市を造らざるを得ないのである。それなら地球で地下都
市を造る以外に方法はない。また、宇宙戦争云々という考えもあ
るようだが、現在のところ地球上の戦争に活用する最大限の手段
論のような気がする。生き残った5%の人々をすべて奴隷にした
としても何の意義もないのではなかろうか。第一、隣の宇宙人の
星に行くまで片道約100年もかかることを正しく認識すべきで
ある。
一方、地球の平均気温が4°C上昇すれば海面は8m以上上昇す
ると云われている。東京、上海、ニューヨークなどの22ヶ国の重
要都市は水没するとも報じられている。さらに南極の氷が全部とけ
れば約70m、グリーンランドの氷がとければ7m、海面は上昇す
るだろうと予測されている。さらにアイスランドや世界中の氷河が
溶ければさらなる海面上昇となるだろう。また、温暖化の影響で海
水温の上昇が予測されている。そうすれば海水が膨張し、海面上昇
の一因になると報じられている。それらをトータルすれば地球の海
面は約100m上昇すると予測されている。
ところで中国はこれまで台湾を自由にしてきた。中国が台湾を合
併しようと思えば、簡単であろう。国力が違うからである。しかし
中国は今までそれをしなかった。中国というのは何と奥の深い大人
の国なんだと感心してきた。それもまもなく合併されてしまうのか、
と思うと寂しくてならない。残念である。しかしそれも中国の自由
であろう。
22世紀には、世界各国政府が地底都市を創造し、人類の延命を
図るものと信じている。中国はその中心となって人類の再生と地球
の回復力を増進してほしいと私は期待している。
最後に、今まで私は中国を尊敬していた。台湾の問題に対してであ
る。中国ともあろう大国が台湾を自由にさせていたからである。台湾を
叩きつぶすのは中国にとって簡単であろう。それをしない中国人の奥深
さと謙虚さは他国の真似ができない大人のすることだと感服していたか
らである。それも今回で終わりかと思うと残念でならない。
私としては将来の世界全体をリードしてほしいと中国に期待していた
のである。人類の経済活動によって温暖化を招くにいたった。それによ
って今や人類は終末を迎えようとしている。恐らく今世紀末には人類は
絶滅状態に至ると予測している。来世紀を迎えるのは恐らく5%ぐらい
の人々だけになるのではないかと思っている。
そのとき、月か火星に移住すべしという人もいる。しかし、両者共に
地底生活することが条件となっている。月や火星で地球のような陸上
生活はできないのである。それならば、地球の地下に地底都市を造り、
人類は生き延びるべきではないかと考えている。それは世界各国が独自
で創造しなければならないだろう。反面的には理想世界を造る絶好の好
機ではなかろうかと考えることもできる。そのためには今から国連で真
剣に具体策を検討しなければ、人類延命はできなくなるのではないかと
考えている。中国の政治家にそれを理解し、納得することができない人
たちばかりではないと思わざるを得ない。台湾に関しては大変残念なこ
とである。