今週の法話

法華宗北海寺住職-二王院観成による仏教用語と法話集です。毎週水曜日に更新いたします。

食糧難時代は来る、昆虫料理等の研究を!

2008-02-29 12:20:21 | 環境
 今、北海道新聞が面白い。何が面白いかといえば、
環境問題を考察する研究熱心な道新の姿勢がすばら
しい。たとえば、世界中の異常気象や環境問題の報
道が他社より数多く、こまめに掲載している。また、
環境問題の特集が他社より際だって多い。その中で、
1・2をご紹介しよう。
 「崩食豊食」第2部(2月21日より6回連載)
は、外国から食料が入ってこなくなった場合の食料
事情を農林水産省が6年前にシュミレーションした
ものを、記者と大学生などの4人が2週間にわたっ
て体験した内容の特集である。

 朝食「ご飯1杯(精米75g)、ふかし芋(ジャ
ガイモ300g)、ぬか漬け1皿(野菜90g分)
」。

 昼食「焼き芋2本(サツマイモ2本・200g)、
ふかし芋1個(ジャガイモ・150g)、果物(
リンゴ1/4・50g相当)」。

 夕食「ご飯1杯(精米75g)、焼き芋1本(
サツマイモ・100g)、焼き魚1切れ(魚の切り
身84g分)」。

(上記の献立に下記の料理を適宜加える)

 「うどんー2日に1杯(小麦53g/日分)」。

 「みそ汁ー2日に1杯(みそ9g/日分)」。

 「納豆ー3日に2パック(大豆9g/日分)」。

 「牛乳ー6日にコップ1杯(牛乳)33g/日分
  )」。
 「卵7日に1個(鶏卵7g/日分)」。

 「食肉ー9日に1食(肉類12g/日分)」。

 「調味料」砂糖(小さじ6杯)、油脂(小さじ
      0.6杯)。

 これを2週間も体験した4人に敬意を表するが、実質
的には、かなり「つらい」ものだったらしい。
 上記のように食料輸入が前面ストップした時の食事メ
ニューである。農林水産省が6年前にシュミレーション
したものではあるが、現在すでに適合しない事項が出て
いる。

①「魚」がメニューに入っているが、欧米の科学者は約
40年後には漁業は成り立たなくなる、と予測している。
すなわち、各家庭の食卓から魚類がほぼ消える、という
ことである。その原因は乱獲、温暖化の影響だといわれ
ている。この点に関して、直接的ではないが、道新は「
いわしはなぜ消えた」という特集を今年の2月13日か
ら5回連載している。
 仏典の「長阿含経」には、人類が滅びる際の饑餓の時
代(饑餓災)になると、「蚊やアブ、八チ、まむし、毒
虫が多発する」、と説かれている。すなわち、昆虫類と
爬虫類が多発すると思えば間違いないであろう。これら
の動物は、暑さに強いばかりでなく、暑さから逃避する
方法にも長けているからである。洞窟や地中に逃れる手
段を持っている。したがって、これらの調理法を今から
研究しておく必要がある。原始的な生活を送っている人
達の話を見聞すると、昆虫などを焼いて食べているとい
う。調味料は一切ない、といわれている。また、現在の
日本にもヘビ料理店がある。毒蛇のまむし料理もある。
「ばった」や「いなご」の甘露煮もある。さらには「ハ
チの子」料理もある。いずれにしても、これらの料理方
法の研究は不可欠なものと思われる。農水省は、もっと
現実的な予測にもとずいたシュミレーションをえがくべ
きではなかろうか。
 また、道新は「凍る海」第2部(2月22日から5回
連載)した。実は私は北海道の道東の厚岸町生まれであ
る。昭和17年生まれである。子供の頃は、カラフト氷
が厚岸湖を埋め尽くし、バンとした氷一面となり、腰弁当
して、そこでスケートをして楽しんだものである。当時は
厚岸本町と汽車の駅のある真竜との間には橋がなかった。
スケートで遊ぶ我々の側を大型トラックが荷物を満載して
行き来したものである。昭和35年に地元の厚岸高校を
卒業した。その後、上京してしまったので詳しいことは分
からないが、何年かしてカラフト氷のひとかけらも厚岸湖
に入らなくなってしまった。温暖化の影響である。このよ
うに、温暖化のすさまじさを私は体験している。「凍る海」
でも「消えた巨塊」と指摘しているように温暖化の変化は
寒い北海道が一番感じやすいのである。
 温暖化を各方面から報ずる北海道新聞は面白い。