今週の法話

法華宗北海寺住職-二王院観成による仏教用語と法話集です。毎週水曜日に更新いたします。

権力ボケから目覚めない民主党 !

2013-06-27 09:49:27 | 政治

民主党が選挙公約を発表した。しかし、憲法やTPPも自

民党と同じ。反原発の「原」の字も出てこない。これでは

自民党と同じである。「除染の徹底」といっているが、チェル

ノブイリの除染経験者は、実質的には除染の効果はゼロだ

といっている。単に放射能汚染物質を洗い流し、土中に

埋めるだけのことである。川や土中を汚染し、むしろ拡大と

なっている。普通の人々は権威に弱い。東大の教授が「除染

すれば心配ない」と云えば、無批判に信じてしまう。その教授

が当初、福島に行って民家の表土を、同じ敷地内に穴を掘っ

て削り取った表土を下に埋め、「これが除染だ」という行為を見

て、唖然としてしまった。どこが除染なのであろうか。

民主党の選挙公約は自民党と大差ない内容である。政権

を奪取したときのかっての覇気は何もない。そもそも民主党

は権力ボケして、未だに目覚めないでいる。民主党政権末期

に、先の衆議院選でどういう結果が出ても、自民党、公明党と

民主党の三者で政権を構築できると思っている、と報じられた

ものである。世の中そんな甘いものではない。いわば、してや

られた、という結果である。

  今回の参議院選の結果次第では、民主党も政権の一翼を

担えるかもしれないと思っているから、自民党と同じような公約

を平気で発表したと思われても仕方ないであろう。もしも、民主党

が今一度、政権に返り咲きたいというのであれば、民主党一党で

政権奪取する気がなければ実現できないであろう。

  そのためには、他党と違う、国民が納得できる分りやすい公 

約を掲げる以外に方法はないはずである。


アベノミクスはマネーゲームだ !

2013-06-20 07:02:39 | 幸福の追求

  アベノミクスは、円安と株高による景気回復を図ろうとしているが、

この両方とも、すでに失敗している。

  安倍政権が誕生して以来、注意深く見つめてきた。一時は円安、

株高と連動して景気が良くなったかのような様相だった。しかし、この

両者はいつまでも続くとは考えられなかったのである。かっての日本

のバブルと原則的には同じ結果になってしまった。すなわち今回も、

外国のヘッジファンドなどの投機筋が株高になるように株買いを仕掛け、

最高値になったところで株を売って売り逃げしたのである。その差益は、

何十兆円といわれている。結局、大損をしたのは日本の個人投資家で

ある。また、円安もストップし円高方向に推移している。これも外国のヘ

ッジファンドなどの思いのままである。自動車などの輸出企業は、元の

木阿弥となってしまった。

  この円安、株高は今後も繰り返されるだろう。これを功利主義という。

騙される方が悪い、頭が悪いからだ、ということらしい。今や株などの売

買は、コンピューターまかせの時代となっている。最高値をコンピューター

に設定し、自動的に売りに出すように設定しているのである。株安のとき

に買い、最高値の時に売り逃げするのである。これに対し、日本の個人

投資家は、対抗せざるを得ないが、コンピーターにはかなわない。個人

投資家は、今や絶好のカモとなっている。今回も、良い人で、プラマエ〇

で、ほとんど損をしていると云われている。

アベノミクスは三本の矢からなっている。第一の大胆な金融政策は、す

でに破綻している。第二の機動的な財政政策であるが、東日本大震災の

復興策と、防災対策であるが、遅れに遅れている。問題が山積しているか

らである。第三の民間投資を喚起する成長戦略であるが、抽象論であって、

具体策と、中・長期のビジョンなし、の状態となっている。「10年間で、1人

当りの国民所得を150万円増やす」といっているが、具体策がない、とい

われても仕方ないであろう。一方、大企業に対し、契約社員を減らし、正社

員を増やしてほしい、というような具体的な政治指導は何もない。国民の

全体の経済的な底上げを図るべきだと考える。

  一方、アベノミクスが万一にも失敗した場合、スーパーインフレとスタグ

フレーションが心配である。スーパーインフレは、ハイパーインフレともいう。

物価が一年で2倍にも3倍にもなることをいう。本欄で、アベノミクスがは

じめて発表された時、アンパンが一個3,000円になるのではないか、と

指摘した。それはオーバーな表現であるが、万一、それが現実となれば

国民生活は、大変なこととなるだろう。また、スタグフレーションとは、給料

は上がらないが、物価だけ異常に上がることをいう。この両者が同時進行

すれば、国民生活は破綻し、国家の借金だけが残ることになる。現在、日

本の借金は800兆円といわれるが、心配である。

  アベノミクスは、ムードだけが先行し、マネーゲームの範疇を出ていな

い。アベノミクスが万一失敗した場合、国民生活はどうなるのであろうか。

心配である。


南北会談中止の意味するもの

2013-06-12 16:19:18 | 戦争と平和

  「良い韓国人も、悪い韓国人も、どちらも殺せ」などというブラカード

を掲げてデモする日本国内のヘイトスピーチは、韓国、北朝鮮に強烈な

インパクトを与えたものと推測できる。この日本の一部の人々のヘイトス

ピーチに対する表面上の反発や韓国政府の抗議声明はまだ出されてい

ない。しかし、それだけに不気味である。

今回の南北会談の議題として取り上げられていたのは、開場(けそん)

工業団地や金剛山観光の再開問題などである。しかし、この時期に南北

会談を開くのは唐突の感がする。真の議題は、他にあったと思われる。そ

れは日本のヘイトスピーチではないか、と思うのは考え過ぎであろうか。

「韓国人を殺せ」というヘイトスピーチは、韓国政府にとっても、韓国人にと

っても一大事である。これは北朝鮮の人々にもあびせられた言葉と韓国

政府は受け取ったのであろう。当然、北朝鮮政府とも対応策を協議しなけ

ればならない、ということになったものと推察される。

  しかし、今や各国ともに一国だけで問題解決策を決めること自体、困難

なことである。折も折、米中首脳会談の時期に重なってしまった。カメラの

前では、オバマ大統領も習近平国家主席も笑顔だったが、カメラに写され

ていないと思っている所では、相当深刻な様子が望遠レンズによるテレビ

で放映されている。これらの諸般の事情を勘案して、素人の政治アナリス

ト的な大胆な推論をしてみよう。

①   もしも、日本と、韓国・北朝鮮が全面戦争になれば中国は一緒に戦う。

②   日本と韓国の全面戦争を米国は認めない。

③   北朝鮮・中国と日本の全面戦争も米国は認めない。

④   ヘイトスピーチと同じ内容を日本政府が云うとは思われない。

⑤   日本の右傾化は、米中で注視する。

⑥   米国と中国の全面戦争は回避する。

⑦   尖閣諸島は歴史的に日本に領有権があると米国は思っているが、中国
の主張も理解できる。結論は棚上げすべきではなかろうか。

日韓に関する米中首脳会談の一部協議内容は、このような結論だったの

ではなかろうか。当然、この結論は韓国と北朝鮮に伝達され、南北会談は中

止されたものと推測される。

 


ヘイトスピーチは「滅亡への道」、規制すべきだ !

2013-06-05 02:40:17 | 幸福の追求

  「良い韓国人も、悪い韓国人も、どちらも殺せ」などというブラカード

を掲げてデモするテレビ報道を見て、胸が痛んだ。ヘイトスピーチとは、

特定の国や民族や人種に対して、差別や憎しみなどをあおったりする言

動のことをいう。

  しかし、上記のような「殺せ」というような文言を掲げてデモするのは「

滅亡への道」である。今や鉄砲、大砲、空爆という太平洋戦争の時代で

はない。ミサイルの時代である。また、無人機攻撃の時代にすでになって

いる。仮定の話しであるが、「日本と韓国が全面戦争になった場合、ミサ

イル戦争になるのは間違いない。その場合、核ミサイルや細菌兵器など

も使われるかもしれない。おそらく、ありとあらゆる兵器が使用されるだろ

う」。

  このように考えると、日本も韓国も両方ともに滅亡するのは間違いない

と思われる。さらに、近隣諸国が韓国に見方した場合、日本の滅亡は早ま

るだけであろう。このようにヘイトスピーチは滅亡への道といえよう。

  第二次世界大戦の後、大きな犠牲の代償として世界は民主主義を手に

入れた。今や、どんな国でも隣国を侵略して支配することはできない世界体

制となっているのである。世界が黙っていないからである。すなわち、憲法を

改正して軍国主義を復活しても、何の意味もないことを知るべきである。

  今やマルチメディアの時代である。日本のヘイトスピーチ・デモは、韓国で

も報道されているはずである。その影響が心配される。また、米国も黙ってい

ないだろう。日本と韓国が不仲になれば、一番困るのは米国だからである。

また、世界中から日本のヘイトスピーチ・デモは批判されるだろう。このような

状況は日本にとって何の得策とはならない。経済的なマイナス面も心配であ

る。ヨーロッパなどではヘイトスピーチは禁じられ、制限されている国もある。

世界中から日本たたきにあう前に早急に制限するべきだと考える。

  故笹川良一氏は「人類みな兄弟」のようなことを云っていたのを思い出した。

その通りである。韓国や中国の寺院めぐりに何度も行ったが、建築、陶器など

の文化面での高さは日本と大差ない素晴らしいものである。むしろ日本の師と

いえよう。いかなる国、人種、民族とも共存する世界体制にすでになっているこ

とを認識すべきである。

 ヘイトスピーチは、日本のような文化国、文明国の人々のすることではない。

断じて許されないことである。

  ブッダの生きていた当時、「人を殺すのは悪ではない」と説く宗教があっ

た。「この世で切るも殺すも悪を認めない」、「この地上の生き物すべてを一

つの肉団となそうとも悪の報いくることもない」と主張する六師外道の一派が

あった。その思想に疑問を抱いてブッダは出家した。「善」を求めて出家した

したのである。ブッダの悟りの第一は、「人を殺すな」という結論だった。いか

なる宗教、思想、民族、人種であっても「殺してはならぬ」ということである。

  また、ある教育評論家といわれる人が、学校で「人を殺すな」ということを

教えることはできない、と主張しているテレビを見たことがある。これも納得で

きないことである。

  また、ヘイトスピーチ・デモをする人々は何らかの理由があるのであろう。

しかし、「殺せ」という主張は止めていただけないものであろうか。