気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の総会が横浜で開かれている。
31日に報告書が公表される予定と報じられている。今世紀末の世界の
平均気温はIPCCが4.8度、日本の平均気温は6.4度(日本の環境
省研究班)になると予測されている(毎日新聞3月29日参照)。日本のよう
な温帯地域は、極地に次いで温暖化の影響を受けるからである。妥当な数
値といえよう。しかし、問題は現在の世界の平均気温の数値が公表されて
いない。たとえば環境省で出している「環境統計集」(平成23年版・10
5頁)では、「世界の年平均地上気温の平年差」が1891年から2010
年まで表示されているが、最初の1891年の世界平均気温が明記されて
いない。しかも前年比の+・-の表示だけである。これでは現在の平均気
温が分からないようになっている。ここに秘すべき理由があるのだろうか。
はっきり云えば、IPCCへの不信の根拠となっている。関係者がテレビ
などで云うときは、平均気温の算定方法は何種類もある、と主張している。
それならば、IPCCや環境省の世界平均気温の数値の正当性の根拠を公開
すべきである。
「地球成仏」を出す時点で、すでに21世紀末には9度平均気温が上昇
すると主張する科学者がいたのである。人間が生存できる範囲を超えてい
る。4.8度も6.4度も同じである。なぜなら、人間が地球上で生存でき
るのは世界平均気温が1.5度までの上昇範囲であると云われているからで
ある。野僧の推定では、産業革命当初から比較すると現在の平均気温は1度
上昇していると思っている。あと0.5度しか残っていないことになる。
昨年の台風20号は最多風速が105mになってフィリピンを襲っている。
台風が竜巻化し、線から面で人類を襲い始めたのである。さらに洪水も巨大
化するだろう。高温障害によって人類は熱中症に襲われ、治療中の病人や体
力のない人々は死の恐怖に苛まれることになるだろう。さらに農作物も立ち
枯れしたり、病害虫に悩ませられるようになるだろう。
さらに、光化学スモッグの一種である中国のスモッグを、「PМ2.5」とわ
ざわざ別名をつけて光化学スモッグと違うかのような扱いをして、人類を愚
弄している。
IPCCは、世界平均気温を公表すべきである。今やマルチメディアの時
代である。「素人は何も知らないだろう」と考えているとすれば大変な誤解と
云わざるを得ない。