今週の法話

法華宗北海寺住職-二王院観成による仏教用語と法話集です。毎週水曜日に更新いたします。

今は挙国一致を内外に示す時

2011-06-25 08:10:21 | 政治
 地震と津波による原発問題で日本は窮地に立たされている。特に
原発事故のデ-タ開示が遅れたために日本の信用度は落ちている。
国難といえよう。今必要なのは日本中が一体となって立ちあがろう
とする姿勢を内外に示すことであろう。政治権力をもて遊ぶような
ことをしている場合ではないはずである。民主党首脳部は、そのこ
とを認識しているからこそ挙国一致に動いたはずである。また野党
もそれに呼応したはずである。
 卑近な例で恐縮だが、一家庭が瓦解しようとしている時、夫婦や
子供たちがてんでんばらばらの状態で、仲が悪い状態を周囲に知ら
れれば、誰も助けてくれないはずである。一家して何とか元に戻ろ
うと一生懸命な姿を見せてこそ、親戚や他人までもがその家庭を助
けてやろうとする気が起こるのではなかろうか。それと同じことで
ある。
 3.11以来、現政権は数々の失敗をしている。それが諸外国に
不信感を与えてしまったのである。このままの政権でだらだらと行
けば、より一層の威信を失うのは間違いのないことであろう。菅総
理はあきらめが悪い。衆議院での内閣不信任騒動の際、菅首相は鳩
山元首相に辞任を約束したから民主党の分裂が避けられたのである。
一度約束した以上、一国も早く辞任するのが筋である。したがって
菅首相では挙国一致体勢を構築できない。できるはずがない。今は
何よりも日本全体が災害復旧に一丸となっていることを内外に示す
時である。
 菅首相が執念を見せる「再生可能エネルギ-特別措置法案」が重
要なのは理解できる。しかし、重要法案であるからこそ挙国一致内
閣で成立させるべきではなかろうか。
 また、現在求められているのは、スピ-ドである。瓦礫の撤去一
つ見ても遅すぎる。一から万事遅すぎる。たとえば瓦礫は、一旦、
各地区に集めるのが先決である。それから選別して処分を考えれば
いいのではなかろうか。そのためには、国有地などの利用、日本中
から重機を集め、ダンプカ-を集める必要がある。それはレンタル
であろうと、持ち込みであろうと方法はいくらでもあるはずである。
国が主体となってするべきである。選別しながら瓦礫を撤去すると
いうこと自体、順序が逆である。
 今回、復興相に内定した松本龍氏は好感の持てる政治家である。
松本防災相の活躍に期待したい。菅首相はもともと有能な政治家で
ある。今回、引き際を奇麗にすれば、いずれ、また、首相になる機
会がくるのではなかろうか。

世界の目を甘く見るな!

2011-06-16 17:16:08 | 環境
 世界原子力機関(IAEA)の日本人である天野事務局長は、IAEA内で
「天野外し」にあい、窮地に追い込まれている。(本欄参照)。はっきり云え
ば、福島原発事故の資料隠蔽と公表の遅延は、日本政府の故意であると見る世
界的な日本に対する不信感の表れである。これは重大なことを意味している。
はっきり云わなければわからないようである。

 ①日本製の原発輸出は今後、確実に減るだろう。世界各国は、信用を失った
  日本以外から多く輸入するであろう。

 ②今後、日本がIAEAに報告する書類が、いかなる美文、名文であろうと
  も、その一部は恥の上塗りと嘲笑されるであろう。
 
 ③日本国内の新たな原発建設は絶望的になったのではなかろうか。

 ④現在休止中である原発の再発電は可能性が少なくなったのではなかろうか。

 ⑤将来的には、脱原発の方向となるだろう。代替えエネルギ-の動きは早ま
  ると思われる。

 ⑥原発以外の輸出品にも日本への不信の影響が出ると大変なことになる。日
  本経済全体に暗雲がかかるとすれば一大事である。

 これらの原因を演出したのは現内閣である。不必要な隠蔽主義と秘密主義に
偏したからである。一般国民は批判の精神に欠けている。このまま行けば、日
本は沈没してしまうであろう。今後も菅内閣を支持することは、「惚れてしま
えばアバタもエクボ」の類であろう。
 現在、世界中が日本を注視している。

 ①汚染水を完全に浄化できるのか。

 ②汚染土をどう処置するのか。汚染土を校庭の一部に埋設するのは浄化とは
  無縁のことである。その埋設した汚染土によって、今後、どのような影響
  が出るのか、出ないのか。

 ③放射能などによる汚染土、すなわち田畑への影響と人体への影響はどうな
  るのか。

 ④海水の汚染による魚介類への影響は出るのか、出ないのか。

 ⑤川の汚染による飲料水の影響は出るのか、出ないのか。

 ⑤人間の呼吸などによる体内被曝の影響が出るのか、出ないのか。

 ⑥福島第一原発を何の悪影響も出さないで廃炉とすることができるのか、ど
 うか。単なるカバ-で終わらせる気ではないのか。それは真の解決とはなら
 ない。将来の二次被害の種となるからである。

 など、数え切れないくらいである。一つも失敗は許されない。この国難を乗
り切るには、一度ならずも何度も失敗している菅内閣では不可能といえよう。
1日も早く挙国一致の新内閣を組閣し、日本全体が一丸となって対処しなけれ
ば、取り返しのつかない禍根を残すこととなるであろう。
 飽食ボケしている多くの日本人にはわかってもらえないのかも知れない。も
しかしたら、故意に分かろうとしないふりをしているだけなのであろうか。





夢の挙国一致内閣

2011-06-14 07:28:26 | 政治
 西岡参議院議長はあるBSのテレビで云っていた。現内閣の責任は
全閣僚の責任でもある。いわば共同正犯であると。共同責任は免れな
いのではなかろうか。諸外国から日本の威信はいちじるしく低く見ら
れている。ゆゆしき事態である。現閣僚から今回は入閣をご遠慮して
いただいた方が諸外国に与える影響が良いように思われる。挙国一致
内閣の野僧の夢を語ろう。野田氏や前原氏の将来は約束されている、
といっても過言ではないだろう。挙国一致内閣は期間限定、なおかつ
議員の今任期中は解散なし、という前提にすべきだと思われる。

 「挙国一致、夢の内閣」

総  理      仙石由人

副総理(復興担当) 石波茂(復興の一元化)

総  務      山口那津男

法  務      小沢鋭仁
  
外  務      田中真紀子

財  務      江田憲司

文部科学      直島正行

厚生労働      福島瑞穂

農林水産      石原伸晃
 
経済産業      長妻昭

国土交通・沖縄北方 谷垣禎一

防  災      原口一博(今後の防災対策のため独立)
 
環  境      河野太郎

防  衛      樽床信二

官  房      岡田克也

国家公安・拉致問題 渡辺喜美

金融・郵政改革   亀井静香 

消費者・少子化   円より子

行政刷新      中山義活
(敬称略)  

二流国になった日本

2011-06-11 07:14:29 | 政治
 「天野外し」は、日本が二流国になった証明である。国際原子力機関
(IAEA)の天野事務局長が批判にさらされている。福島第一原発の
事故を巡る天野事務局長の対応ぶりが、「依然として日本政府の影響下
にある」、との懸念を諸外国に与えてしまった。その理由は、事故に関
する迅速で正確な情報提供に失敗したからだ、と報じられた。(読売新
聞、6月10日、朝刊)
 すなわち、1、2、3号機のメルトダウンなどの公表の遅れ、その他
の資料の開示の遅れ、米国などの協力を拒否したこと、など一連の日本
政府の対応に天野氏がそったままであることで諸外国の不信と怒りをか
ってしまったと云うことであろう。IAEAの事務局長としては不適格
との烙印を捺されてしまったのである。これは、ひとえに日本政府の責
任である。不必要な隠蔽をしたからである。
 また、重要会議に天野会長が出席できないようにされている。①6日
から始まったIAEAの定例理事会の最中の7日に、パリで原発安全策
を巡る閣僚級会議を開いた。②IAEAの年次総会が行われている9月
22日にも、国連本部で同様の閣僚会議を開き、天野事務局長が出席で
きないようにされている。それらはすべて故意であると推測できる。す
なわち、天野事務局長に対する不信任を意味するものである。ここまで
くれば、天野氏は自ら辞任せざるを得ないであろう。天野氏にはお気の
毒なことである。
 この一事を見てもわかるように、日本の威信低下は相当なものである。
いわば、日本の恥である。このことは日本のすべてに悪影響を受けるも
のといえよう。ゆゆしき事態である。
 現内閣の責任である。新内閣を一日も早く組閣し、国際社会に信頼さ
れる方向に持っていかなければ日本は沈没してしまうであろう。現内閣
の閣僚は、全員、新首相になる資格はない。

挙国一致内閣で復興を!

2011-06-09 15:38:15 | 政治
 菅首相は運がなかった、としか云いようがない。しかし、若い時から
注目された政治家である。民主党が政権を取ったのも、菅氏の功績の一
つであろう。しかし、大地震のみならず、津波や原発の事故に対する処
置の遅れと、対処の仕方を一部とはいえ間違ってしまった。まことに残
念である。しかし、民主党の理念すべてが否定されたわけではない。
 現在、菅氏の後の大連合が議論されている。多くの国民の希望として
は、大地震と津波、さらには原発の処理対策と復興に関して、挙国一致
内閣で臨んでほしい、ということである。それが原則であろう。勿論、
期間限定でのことである。
 その他の政策と理念については、上記の復興策が軌道に乗るまでは、
互いに控えるべきではなかろうか。それでは自党が埋没してしまう、と
考える政党があるかもしれない。それならば、各党はその他の理念を論
議する法案などを提出しても一向にかまわないのではなかろうか。それ
らの正否を判断するのは国会であるが、世論が見ていることを忘れない
でほしい。それらの真の判定は次なる選挙で出るはずである。
 いずれにしても、各党には有能な政治家が驚くほど多いのは事実であ
る。すなわち各党はそれぞれ自前の復興策を提案して全党で論議して、
まとめれば良いはずである。それが挙国一致内閣の使命であろう。
 今はかってない国難のときである。私心を捨てて、国難に立ち向かっ
ていただきたい。 

日本の威信を傷つけた茶番劇

2011-06-03 09:19:15 | 政治
 内閣不信任劇は幕を閉じた。文書の通り辞任を約束したという鳩山前首相、辞任
の時期は、一定の目途がついてから、という意味だ、と主張する菅首相。というこ
とは、菅首相は鳩山氏に辞任を約束したということである。「菅首相はうそつき」
と断ずる鳩山氏の主張に部がありそうに見える。菅首相の言動は詐欺だ、と云うテ
レビの解説者までいる。いずれにしても喜んでいるのは野党である。これで参議院
での問責決議案が出しやすくなった、と云っている。こんなことでは野党の協力は
得られない。菅内閣が行きずまるのはそう遠くないのではなかろうか。
 対外的には、「嘘」についてはキリスト教では厳禁である。嘘をつくと信用され
なくなるからである。日本では「嘘も方便」で逃げられるかもしれないが、諸外国
では信用失墜の一番の原因となる。日本でも「嘘つきは泥棒のはじまり」という諺
があるくらいである。
 野僧は以前から、内閣不信任案の採決の直前、すなわち1日の午前中に菅首相は
辞任を表明するだろうと予想していた。しかし、鳩山氏の菅氏に対する温情あふれ
る心配りによる仲裁は裏目に出る結果となってしまった。いかにも育ちの良い良家
の出身者らしい行為である。それを非難する気はない。しかし、政治家としては失
格のような気がする。即、辞任を説得すべきではなかったかと思われる。そのほう
が菅氏のためだからでもある。まさに「情けは人の為ならず」、と云うことを証明
したようなものである。
 自民、公明の両党の不信任追及は的確とは云えなかった。なぜなら大義を何一つ
主張しなかったからである。たとえば、「蓄電機(器)の開発」、「ヘルツの問題
解決」、「首都機能移転」などを説かなかったからである。だから、マスコミから
大義が見えない、と批判されるのである。仮定の話で恐縮だが、今回の津波が東京
を襲っていたら、天皇を始めとする皇族の方々がどうなっていたか、考えたことが
あるのか。国家の統治機能はどうなっていたのか、考えなかったのか。考える能力
がないのであれば、政治家を止めるべきである。天皇陛下は一説ではガンではない
か、と報じられている。また、皇后陛下は座ればヒザに激痛が走る健康状態だとも
報じられている。にもかかわらず、被災地を訪問して国民を激励している。なぜ、
それらのことを考えないのであろうか。福島第一原発から那須の御用邸までは、わ
ずか約120kmしか離れていない。御用邸として今後も利用できるのか、などの
問題もある。
 いずれにしても、「注水問題」に続く、恥の上塗りという結果がどうなるのか、
結果は見ずともわかるような気がする