今週の法話

法華宗北海寺住職-二王院観成による仏教用語と法話集です。毎週水曜日に更新いたします。

衆議院選挙は茶番劇

2005-08-29 00:59:42 | 政治
 今回の衆議院選挙は、筋の通らない茶番劇だ。なぜなら、
「郵政民営化法案」を可決した衆議院を解散することはお
かしい。一度可決した衆議院を解散して民意を問う、とい
う発想は、精神分裂症状に似ている。ようするに、参議院
で否決された腹いせに、衆議院に八つ当たりしているよう
なものである。全く筋の通らない茶番劇である。
 郵政民営化といっても、手紙や書留などの郵便配達業務
まで民営化することが妥当なのか、はなはだ疑問である。
手紙類は秘密性のあるものであり、現金書留類は信用第一
主義であるべきである。アルバイトを使って、それらを配
達することには不信感がつきまとう。もしも民営化されれ
ば、盗難事件や訴訟事件等が多発する可能性がある。
 一方、現職の郵便配達業務にたずさわっている人々に対
するリストラが猛威をふるっている、といわれている。天
職と思って郵便局員になったのに、突然辞めろといわれ、
困りはてて自殺する郵便局員が全国的に増えているといわ
れている。少なくとも、郵便配達業務だけは、現状に近い
形で残すべきであろう。民営化するなら、郵便貯金と保険
業務だけすればいいはずである。小泉案には賛成できない。
 第一、小泉流の郵政民営化法案を衆議院は認めて可決し
ている。それなのに、「郵政民営化という改革の是非を問
う選挙」だと主張する自民党はおかしい。「屋上屋を架す
」ようなものである。「郵政民営化」という煙幕で、焦点
をずらそうという欺瞞戦術といわざるを得ない。
 国連安保理の常任理事国を目指したが失敗の可能性が高
い。中国と韓国の猛反対にあったからである。小泉首相は
中国と韓国の反発の原因を理解できないのであろう。15
日に発表した戦後60年の首相談話は、単なるリップサ-
ビスに過ぎず、中国や韓国の到底納得できないものであろ
う。なぜなら、靖国参拝は今後しない、と小泉首相はいわ
ないからである。一方で戦争を賛美していながら、言葉だ
けで近隣諸国に謝っても、真摯な反省とは受け取られない
のであろう。戦争を精神的に鼓舞したのは神道であり、そ
の象徴的な存在が靖国神社である。その意味からしても、
無宗教的な慰霊施設を作るべきである。それが実現しない
限り、中国と韓国などの理解と信頼を得られないことを思
い知るべきである。言行不一致の小泉首相は、中国などか
らすれば、詭弁と聞こえるのであろう。日本国民の靖国意
識はレベルが低い。多数だからといって正しいとは限らな
い。
 また、自衛隊のイラク派兵問題も、今回の選挙では争点
となっていない。
 憲法9条改定の問題も選挙の争点となっていない。与党
をはじめ民主党も故意に争点として取り上げないのではな
かろうか。今や、日本国民はブレ-キのない自動車に乗っ
ているようなものである。そんなに戦争をしたいのであろ
うか。そんなに外国人を殺したいのであろうか。多くの日
本人はサタンの下部となってしまったのであろうか。少数
政党の共産党と民社党のみが憲法改悪反対を叫んでも、国
民は無関心なようである。我々の子供達を再び戦場に送り
出すことを国民は望んでいるのだろうか。何とも不気味な
雲行きである。
 いずれにしても、目を大きく開いて投票すべきである。