今週の法話

法華宗北海寺住職-二王院観成による仏教用語と法話集です。毎週水曜日に更新いたします。

首都機能移転と国家の借金問題

2010-12-19 09:03:47 | 政治家の資質
 首都機能移転が論議されたのは、東京の過密化問題の解決策の一つとして
である。決して温暖化対策によるものではなかった。その論議の終わりころ、
温暖化による環境劣化とからませて論議を提唱したのは野僧の「地球成仏」
である。当時の小泉首相は、今はそんな時ではない、という意味の発言をし
ていた。国家の借金返済が先だ、いうことであろう。本当にそうであろうか、
今一度、検討してみよう。野僧の云わんとするところは、巨大な借金を抱え
ながらも首都機能移転という両方を断行し、両問題を解決できる有能な政治
家はいるはずだ、という期待感からのものである。
(1)東京は過密すぎる。
(2)東京は経済中心の首都とする。
(3)立法、行政、司法の三権の施設を機能移転すべきである。
(4)首都機能移転をわかりやすく云えば、札幌市と同程度の新都市を作る
   ことを意味する。
(5)そのためには各種の技術開発が必要である。
(6)その開発した技術を、将来的な輸出品の眼目の一つとすべきである。
   世界が貨幣経済であるかぎり、やむを得ないことである
(7)東京は高潮、河川の氾濫、津波などの水害に遭いやすい場所である。
(8)将来的に東京は高温地となる可能性が高い。さらに自動車などの排ガ
   ス、エアコンの排熱などによるヒ-トアイランド現象などでさらなる
   高温地となる可能性が高い。東京南西の地も同じと思われる。
(9)移転地は東京よりも北東方向にすべきである。
(10)このまま首都水没すれば、大変な混乱と、国家統制機能が不全状態と
   なる。
(12)水没してから首都移転するとすれば、機能移転費用より2・3倍は必
   要である。必要書類などの再生作業などに不必要な費用と時間を必要
   とするからである。またパソコンのデ-タベ-スが侵害された場合、
   さらなる復旧費が必要となる。
(13)たとえ東京を現状復旧させたとしても、再び水害に遭う可能性が高い。
(14)国家の借金が862兆円あるのは知っている。しかし、その借金は、
   究極的には日本国民全員の責任である。借金行政を推し進めてきた政
   治家を選んだのは国民自身の責任だからである。議会制民主主義を無
   視するかのような論議は幼稚で無責任である。
(15)人間には智慧がある。その借金を抱えたままでも、首都機能移転を断
   行できる方策はあるはずである。それだけの有能な政治家は必ずいる
   はずである。
(16)首都機能移転プロジェクトが進めば、内需が増大し、企業は元気にな
   り、就職難も解決し、税収も増大し、国全体が活性化する。それがで
   きないというのであれば、政治の貧困といえよう。
(17)862兆円という借金があるからといって、黙って無為無策をなすの
   は国家の自殺行為に等しい。無能政治といえるであろう。それならば、
   現在の国会議員全員が辞職すべきである。都道府県議員、市町村議員
   の中から、有能な政治家が出るはずである。
(18)国民は、国家と一緒に自殺することを拒否するであろう。
(19)首都機能移転は、いかなる事情があろうとも、必要不可欠なことであ
   る。

 現状では有能な政治家の出現を待つしかない。必ず現れることを期待した
い。いずれにしても、この野僧の論議の提唱が評価されるのは、後日の歴史
であろう。さもなくば、自滅ということだけであろう。

米中は人類を絶滅させる気か?

2010-12-14 21:26:51 | 環境
 COP16(国連気候変動枠組み条約第16回締約国会議)が11日に閉幕
した。結論は来年の11月に南アフリカのダ-バンで開催される時に出そうと
いう先延ばしである。
 期を同じくするようにテレビ朝日系列で「デイ・アフタ- 首都水没(特別
編)」が12日に放映された。いわゆるノ-カット版である。英・南アフリカ・
カナダの合作で07年に公開されたものである。満潮時に巨大ハリケ-ンが襲
来し、高潮によって、ある首都が水没するという内容である。実に残酷な内容
である。しかし、厳然とした態度でリアルに画かれている。首都が水没する場
合、かくあるだろうと納得せざるを得ない内容である。不都合な真実といえよ
う。このような想定が、世界のどこかでいつ起こっても不思議でないのが現実
である。
 COP16の一番の課題は、同条約に不参加の米と中国の態度である。世界
の警察官を自任する米がこのようなことでは問題とならない最低国といわれて
も仕方ないだろう。人類絶滅という近未来を無視しているからである。一方、
中国は「温暖化は先進国の責任だ」と云っている。その指摘は正しい。しかし、
炭酸ガス最放出国として、危機に瀕している人類の未来を無視するかのような
態度は許されることではない。第一、中国人だけが生き残れるということはあ
りえない。すべての人類は運命共同体だということを認識すべきである。
 大体、世界各国は経済最優先で、地球環境は二の次としか思っていないよう
である。。ブッダがいうように、貨幣経済の世界では理想社会は不可能だ、と
云う通りである。人類は金を抱いたまま絶滅する運命にある。それは人類自身
が選んだ選択肢の一つだからである。
 一方、世界から戦争をなくするためには世界軍(国連軍)を創設することが
不可欠である。そうすれば沖縄の基地問題も自然と解決される。論理は極めて
簡単である。しかし、戦争で金儲けをしている人種も多くいる。それらの人達
からすれば、世界中から戦争がなくなれば金儲けができないばかりか、巨大企
業も消滅してしまうことになる。このように、すべての不条理は貨幣経済によ
って左右されているのが現実である。世界中のマスコミとて同じである。真実
や正義や理想だけを地球人に知らせることはできないでいるからである。
 また、民主党は理想を説くのであれば、貨幣経済を否定した社会建設を目指
さなければ理想社会などできるはずがない。
 国境をなくし、貨幣経済でない理想社会の構築を説いたブッダの教えは間違
っていない。