橋下日本維新の会共同代表は、戦時中の慰安婦問題で再三
再四弁明している。しかし、何回も弁明を繰り返せば繰り返すほ
ど、傷口を広げる結果となっている。云わなくてもいいことまで云
ってしまうようになる。また、新たな言葉尻をつかまれて、韓国や
中国などから攻撃されるからである。多弁の害の典型である。
まさに蟻地獄に落ちた蟻のような状態といえよう。蟻地獄とは、
ウスバカゲロウの幼虫が、縁の下などの乾いた土砂にすりばち
状の穴を掘って隠れ、すべり落ちてきた蟻などの小動物を捕食
する。一端、その穴に落ちると、周りの砂も落ちてなかなか上に
行けない。このような絶対絶命の状態を蟻地獄といっている。
案の定、韓国与党のセヌリ党は、「ずうずうしい釈明」と橋下
氏を非難する声明を27日発表している。(毎日新聞、28日、参照)
このような日本と中国、韓国などとの軋轢が続くのは、太平
洋戦争に対する評価がそれぞれ違うからである。橋下氏などの
右派勢力は再三再四、日本の正当性、あるいは止むを得なかっ
たと主張し続けている。これに対し、自国民を虐殺された、また
慰安婦にされた、という事実を否定する日本の主張は許されな
い、とする近隣諸国との認識の違いがある。これを一口に云うと、
歴史観の違いという論争というより、感情的な問題となっている
からであろう。さらに、日本は再び近隣諸国を侵略しようとする邪
心を抱いているのではないか、というふうに問題が拡大している
からであろう。この点は、以前から米国も気にしていたことである。
ドイツは戦後、侵略やホロコーストなどを近隣諸国に詫び、平
和国家を目指すことを世界に公言している。日本も先ず詫びるべ
きであろう。日本はドイツを見習うべきである。少なくとも、現行憲
法を守り、平和国家を今後も目指すことを世界に公言すべきだと
考える。
野原は「地球成仏」の中で、地球の温暖化と劣化によって竜
巻などの災害は年々規模が大きくなり、被害も甚大になると
警告してきた。それらの予測はことごとく当たっている。今回
(1012.5.6)茨城県と栃木県の両県にまたがって7ケ所で
発生した竜巻は平均風速が毎秒50~69m、幅500m、長さ
15kmだったと推定されている。被害は中学生1人が死亡、
53人がけが、1600棟が損壊した。竜巻とは積乱雲の下部
から地上に向かって下りる渦巻きと、地上の上昇気流の渦
巻きが一つに結ばれる巨大現象である。
竜巻の強度別に分類したものに藤田・(ピアソン)スケールが
ある。7段階に分類されているが、今回の規模はF2と推定され
ている。分りやすいに、風速(秒速)のみ記した。
①F0。 風速32m未満/秒。木の枝が折れる程度の軽微なもの。
②F1。 33-49m/秒。中程度の被害。屋根がはがされる程度の
もの。
③F2. 50-69m/秒。大きな被害。家の壁ごと屋根が飛び、強度の
弱い木造住宅は破壊される。
④F3。 70-92m/秒。重大な大被害。強度の強い家でも屋根と壁が
飛ぶ。列車は脱線転覆する。ダンプカ―でも宙に浮いて飛
んだりする。外に設置されている工業用のプラントも耐えられ
ないかも知れない。
⑤F4。 93-116m。深刻な大被害。強度の強い家でも
飛ぶ。車はミサイルのように飛ぶ。
⑥F5。 117-141m/秒。あり得ないほどの甚大で壊滅
的な被害。強固な建造物でも基礎ごと吹き飛ぶ。
どこからともなく大型トラックが降ることもある。
信じられないような大惨事となる。
⑦F6。 142-169m/秒。超壊滅的な被害。すべての存
在物は皆無となる。
(この項、フリー百科 ウキィペディアWikipedia 「藤田スケール」)参照。
上記の比較、想像がむずかしいであろう。ちなみに野球の
投手の150kmの速球を秒速になおすと、41.7mで、F1
クラスである。竜巻は今後さらに大きくなるのは確実である。
秒速80mの竜巻が発生するのは珍しくないような時代が来
るのは時間の問題といえよう。それでは竜巻から身を守る
方法を記そう。
①地下に避難用シェルターを埋設し、そこに逃げ込むこと。こ
の場合、入り口の蓋を上に持ち上げる形式は厳禁である。
なぜなら、蓋を開けた途端に中の物などが吸い上げられる
からである。人間も吸い上げられる可能性がある。横に開く
スライド式が良い。できれば、入り口は2ケ所あれば理想的
である。シェルターの上に、何かが覆いかぶさって出れなくな
る場合も想定しておいた方が良い。埋設式のシェルターは
すべての竜巻に耐えられるであろう。
②竜巻に耐えられる家(建築物)を作りたいと、という人もいよう。
その場合、鉄筋コンクリート住宅しか竜巻に耐えられない。
F4クラスまでの竜巻に耐えられるかも知れない。
③鉄筋住宅であっても、飛散物によって、窓が壊される可能性が
あることを知るべきである。その場合、部屋の中の物などはほ
とんど吸い出されることも知っておくべきである。このため、す
べての窓の外側に雨戸を設置すべきである。できるだけ頑丈
なものが良い。鋼鉄製の雨戸が理想的である。アルミの雨戸
は、次善の策とすべきである。無いよりは良いと思われる。
④鉄筋住宅の中に、窓の無い部屋(納戸、物置など)を作っておけば
理想的である。避難所として最適である。
⑤ ④の部屋がない場合、窓のないバス・ユニットを避難所とすれば
良い。さらに、窓のないトイレを設置しても良い。ホテルのバス、ト
イレと同じである。
⑥クローゼットの中を避難所としても良いが、観音開きの戸や、ジャバ
ラ式の戸は、竜巻の威力で開いたり、破損する可能性がある。その
場合は、左右に開く、引き戸とすべきである。
⑦鉄骨建造物と木造建造物の場合は、窓のないバス、トイレを設置す
る以外に方法はないのではなかろうか。木造住宅の場合、バス、ト
イレの窓の外側に、板をクギで打ち付けて固定しておくのも一考で
ある。素人でも日曜大工で、できるはずである。
⑧竜巻の場合、2階、3階よりも、1階の避難所が有効であると云わ
れている。
⑨地下室に避難するのも一つの方法であるが、上階の建物が壊れて、
出口を塞いだり、火事が発生した場合、逃げ場がなくなってしまうの
で要注意である。
⑩次善の策として、一階(居間、キッチン、風呂、トイレなど)を鉄筋住宅
とし、二階以上を木造とし、竜巻の場合は、一階を避難所とする方法
もある。
⑪外出先で竜巻に合いそうになったら、近くに地下鉄や地下街
があれば、そこに避難すべきである。
⑫一般道路でも、高速道路でも、上下に交差したり、橋がかか
った道路がある。その橋の付け根に、V字の空間がある場
合がある。そこが避難場所として、米国では利用されている。
車を運転中は、路肩に駐車して、体一つで、その空間に逃げ
込めば、竜巻に巻き込まれないようである。普段から、そうい
った場所を覚えておくと、万一の場合、助かるだろう。
竜巻は日本では年平均15回くらいだが、米国では年8000回
発生している。今後さらに強度も回数も増すだろう。竜巻の予報は
現在のところ困難であるが、発生した場合、即刻、テレビ、ラジオ
などで速報する体制を整えておく必要がある。
以上、拙書「ブッダの予言と最期の自然災害ー大災害から生き
延びる方法ー」(知道出版)32~35頁を転載。
米オクラホマ州オクラホマシティの隣町ムーア(人口55,000人)
で、20日午後(日本時間21日未明)、最大風速毎秒88~90mと
いう巨大竜巻が発生した。幅3km、長さ30km以上、40分間続
いたと報じられている。尚、死傷者数は錯綜しており、確定までに
時間がかかりそうである。いままで竜巻は線の状態で被害が出て
いたが、今や、竜巻も面で襲ってくる時代になった。野僧の云う通
りに巨大化されている。
竜巻の程度を示す藤田スケールでは、上から4番目のF3レベ
ルである。参考までに「藤田スケール」を記そう。
①F0・・・風速32m未満/秒
木の枝が折れる程度の軽微なもの。
②F1・・・風速33~49m/秒
中程度の被害。屋根がはがされる程度のもの。
③F2・・・風速50~69m/秒
大きな被害。家の壁ごと屋根が飛び、強度の弱い木造住宅
などは破壊される。
④F3・・・風速70~92m/秒
重大な大被害。重大な大被害。強度の強い家でも飛ぶ。列車は
転覆する。ダンプカーでも宙に浮いて飛んだりする。外に設置さ
れている工業用のプラントも耐えられないかもしれない。
⑤F4・・・風速93~116m/秒
深刻な大被害。強度の強い家でも飛ぶ。車はミサイルのように飛
ぶ。
⑥F5・・・・風速117~141m/秒
あり得ないほどの甚大で破滅的な被害。強固な建造物でも基礎ごと
吹き飛ぶ。どこからともなく大型トラックが降ることもある。信じ
られないような大惨事となる。
⑦F6・・・142~169m/秒
超破滅的な被害。すべての存在物は皆無となる。
これが藤田スケールである。(拙書「ブッダの予言と最期の自然災害
―大災害を生き延びる方法―」32頁参照)
今回のオクラホマの竜巻はF3に相当する。寒気と暖気が衝突して
今回の竜巻が発生したと報じられている。しかし、温暖化による海水
などの水分の上昇が増大しているのが根本的な原因といえよう。雷雲とい
われる積乱雲は温暖化によって、今後、より一層巨大化するのは確実で
ある。したがって、自動的に竜巻も巨大化する。そのことを各人が認識して
おく必要性がある。竜巻対策は、鉄筋コンクリートの頑強な住宅に住む以
外に対応する方法はない。自分の命は自分で守る以外に方法はない。
オクラホマの竜巻の規模は、まだ序の口に過ぎない。今後、より一層
巨大化するだろう。現在の億ションといわれるマンションは、眺望や住み
心地はいいだろうが、竜巻や巨大台風には極めて弱いものである。命あ
っての物だねという言葉を再認識する必要がある。
日本にも昨年、茨城県と栃木県に竜巻が襲い大被害を与えている。
オクラホマの竜巻は対岸の火事と傍観しているわけにはいかない時期に
すでになっている。
日本人も熟慮すべきである。
橋下日本維新の会共同代表は13日、太平洋戦争における
慰安婦問題に対し、「軍の規律を維持するために当時は必要だ
ったと」と発言したとテレビ、新聞等で報じられた。橋下徹氏は大
阪市長て゜あると同時に弁護士でもある。弁護士とは、人権問題
に対するパーソナリティでもあるはずである。今回の発言は、女
性に対する偏見である。女性蔑視といえよう。維新の会に対する
幻滅を感ずる。
慰安婦とは、外国へ進軍中における軍人の性処理の解決手
段としての女性のことである。このため、慰安婦は顔見知りであっ
たり、肉親だったりでは具合が悪い。すなわち、日本人以外の女
性でなければ都合が悪い。したがって外国人の女性から選ばざる
を得なかったのである。当然、本人の同意など無視された。人権
無視の典型例である。それが問題化されているのが現状である。
橋下代表の発言は、日本ばかりではなく、韓国などの外国から
も激しく批判されるだろう。これまで続けてきた日本の平和外交を
傷つけるものでもある。
特に、政党の党首の発言は慎重であるべきではなかろうか。
安倍首相の最近の発言は、長年培ってきた自民党の成果を否定す
るかのようである。かっての自民党には右派から中間派、左派までの人
材がそろっていた。しかし、中間派といわれた平和主義者的な政治家が
主流であった。その中でも、太平洋戦争に対する開き直り的な発言や、
靖国参拝などの動きはあった。しかし、中国や韓国などの反発を受けて
慎重に弁明し、参拝を自粛してきた。また、先の大戦を肯定するような、
外国からすれば過激発言と思われる発言をした大臣は更迭されることも
あった。いずれにしても、近隣諸国を挑発することを避けてきたのである。
戦後60数年といっても、中国や韓国や北朝鮮の人々にすれば、肉親を
虐殺された事実をしっている人々もいるはずである。それらの人々の心の
傷を抉るような発言は不穏当といえよう。これらの歴史を直視し、言動は慎
重にすべきである。
また、皇室外交は絶大な効果を日本にもたらした。平和外交だったか
らである。しかし、4月28日に開催された「主権回復・国際社会復帰を
記念する式典」に対して、沖縄では大抗議集会が開かれた。このような国
民の間で対立する案件に天皇を巻き込むべきではない。このような天皇の
政治利用はこれを最後にしてもらいたい。
また、憲法の改正問題も焦点になりつつある。しかし、96条の手続き問
題は、9条の「戦争放棄」を目的とするものといえよう。今や外国と戦争すれ
ば両国ともに絶滅する危険性がある。勝敗の問題を通り越しているのである。
この点に関する報道では、毎日新聞が頑張っている。5月3日の社説「96
条の改正に反対する」、4日「憲法と国会」、5日「武力行使偏重は危うい」
と3日続けて反対論を展開している。正論といえよう。読み応えのある社説
だった。
いずれにしても、日本は平和憲法にしたがった平和外交で世界の信頼を
得てきたのである。自民党の成果といえよう。しかし、今や戦争大好きみたい
な右派の言動だけが目立っている。これは非常に危険な兆候である。一端、
平和主義が壊れると、戦前みたいな反対勢力のいない大政翼賛会のような
政治体制に逆戻りする可能性が出てきた。もしもそうなれば、平和を取り戻
すことは不可能となるだろう。大変心配である。
われわれ国民は、これらの流れを注視し、確固たる平和主義を守るべき
である。日本の技術力は世界でも突出している。これらの平和的な手段で世
界各国と協調し、日本の経済的な発展につなげるべきだと考える。