今週の法話

法華宗北海寺住職-二王院観成による仏教用語と法話集です。毎週水曜日に更新いたします。

石原氏、新党結成は自由!

2012-10-27 23:23:21 | 政治

 石原慎太郎都知事は、25日、都庁で会見し、知事を辞職し、

次の衆議院選に出馬し、新党を結成すると述べた。これに対し、

賛否両論の声が聞かれる。

①その中でも、尖閣諸島を東京都が買い取ると石原氏が表明し

  たから、今日のような中国からの反発が起こった。原因をつく

  ったのは石原氏である、との主張がある。しかし、その時点で

  の中国の反発は過激ものではなかった、のはご存知のとおり

  である。今日のような過激な反発が出たのは、日本政府が尖

  閣諸島を買収し、国有化すると発表した直後のことである。そ

  の土地の所有者が都に寄せられる寄付で買い取ってもらうこ

  とを嫌ったからだと報じられている。所有者の気持ちも理解で

  きる。しかし、国相手と、自治体の首長相手では、中国の受け

  止め方が違うのは当然といえよう。国と国との対立となれば、

  双方の意地が出てくる。場合によっては戦争にまで発展してき

  た事実は歴史上数知れない。都知事は都が買い取り、台風な

  どの際の漁船などの避難施設などを設置してから、政府に寄

  付する、と表明していた。民主党政権は地権者の意向を押しと

  どめ、都から買ってもらうよう説得するべきだったと考える。ワ

  ンクッションおけばソフトランディングできたのではないかと思え

  てならない。そうしたとしても、今日のような中国の過激な反発

  はあったかも知れない。しかし、何かしら違っていたはずである。

②尖閣諸島や竹島を巡る中国や韓国との軋轢は、地下の資源が

  原因だといわれている。しかし、今後のエネルギーは、石油や

  天然ガス(シェルガス、メタンハイドレードなど)の化石燃料は

  主役にはなりえない。温暖化を加速させることになるからであ

  る。太陽光、風力、地熱発電などが今後の主役なのである。

③石原氏は原発の積極的な推進論者と報じられている。しかし、

  時代と逆行した考え方といわざるを得ない。福島第一原発事

  故は終息していない。メルトダウンした核燃料の塊が、格納容

  器内にあるのか、突き破っているのか確認できないと報じられ

  ているからである。もしも、建屋の床も突き破っているとすれば、

  やがて深刻な事態となるであろう。映画「チャナシンドローム」

  のように、その塊が地下水脈に接触すれば大爆発すると科学

  者の証言が紹介されているからである。

④石原氏は都財政を健全化させた功績は大きいとも報じられてい

  る。その一方で、都銀行は唯一の失敗であろう。都銀行を創る

  発端は銀行法の改正論議が出た時、預金は1,000万円まで

  は政府が保証するが、それ以上の金額の預金は保障しない、

  という論議があった時である。石原氏は、それでは都の財政は

  安全に管理できないから、自ら都銀行を創ったのである。しかし、

  その後の銀行法改正論議で利子のつかない普通預金は無制

  限に政府が保証すると改正された。したがって、都銀行を創ら

  なくともよかったのである。推論であるが、武士の商法みたいな

  運営の結果、巨額の赤字を出してしまったのであろう。やらなく

  ともよいことをやった結果といえよう。

⑤石原氏は80才といわれる。年よりは引っ込んでいろ、という批判

  もあるようである。しかし、正確な判断ができる人であれば、むし

  ろ経験豊富な高齢者が政治家になっても何らおかしくない。昔、

  ある殿様が、「灰で縄を編んでみよ」、との難題をだした。皆で考

  えたがその方法がわからなかったという。その時、一人の老人が

  「そんなことは簡単だ。縄をそのまま焼けばいいではないか」とい

  う知恵を出して解決し、殿様から褒美をもらったという。百歳以上

  の人がこの日本には4万人以上もいる昨今である。70、80才は

  な垂れ小僧といえよう。その意味からしても、石原氏から頑張って

  もらいたい。

⑥石原氏は、かって右派の代表的な政治家である。今回、政策として

  憲法改正を掲げている。しかし、衆参のねじれ現象が深刻化して、

  何も決められない状態が続いている。したがって憲法改正は不可

  能といえよう。又、全世界が民主化への方向に進んでいる。時代に

  逆行した考え方といわざるを得ないのではなかろうか。
 

  いずれにしても、石原氏が次の衆議院選にでるのは自由である。

また、新党を結成するのも自由である。また、政党連合で政権を取るの

も自由である。石原氏に対する悪意による反対論は慎むぺきであろう。 


毎日新聞社説「原賠法の改正」に疑問!

2012-10-17 23:43:40 | 幸福の追求

2012年10月11日の毎日新聞の社説「原賠法(原子力損害賠償法)

の改正-重大事故への備えを急げ」の内容に疑問を持っている。その

社説の内容は、「原発で重大な事故が起こった場合、電力会社に全責

任を負わせる現行制度では(電力会社が)立ちゆかなくなる。原発の稼

動を認めるのであれば、法改正で国の責任を明確にし、被害者救済に

万全を期す制度づくりを急ぐべきだ」というものである。疑問点を列挙し

よう。

①電力会社の救済を主として主張しているのか。

②被害者救済を主として主張しているのか。

③何度呼んでも、電力会社の救済を主に主張しているとしか思えない。

④政府が認める会社で重大な事故があった場合、すべての会社を救

  済するように法改正すべきだというのか。原発にまつわる電力会社

  の重大事故だけ国が救済するのであれば、法の下の平等に反する

  のではないか。

⑤原発事故が起こった場合、重大な悪影響が出る、と以前から(始め

  から)良心的な科学者や一般世論は心配していたのである。それら

  の声を無視し続けてきたのはマスコミではないのか。

⑥マスコミはコマーシャル料、政治家は利権、官僚は天下り、等々の蜜

  の味に、今までしたってきたのではないのか。金銭的なメリットの有

  無でマスメディアなどの論調が左右されてきた事実を世間の人々は

  知りすぎている。金銭的なメリットで正義が歪められてきた事実は否

  定できない。

⑦日本民族の将来と、金銭的なメリットのどちらが大事なのであろうか。

⑧原賠法の改正論議よりも、危険な原発を即刻廃止すべきではなかろ

  うか。子や孫の将来を最優先すべきである。

⑨昨年の原発事故以来、毎日新聞のはたしてきた報道姿勢は大きい。

  毎日新聞に対する国民の期待は大きい。今回の論説はその期待に

  逆行していると思わざるを得ないのは野僧だけであろうか。 


脱原発のゴールは見えている!

2012-10-03 21:12:22 | 政界再編論議

  民主党、自民党の党首選に出た人々は、「脱原発といったって、何を

どうするのか先行きが分らないではないか」、と口をそろえるように云っ

ている。しかし、本欄ですでに昨年から脱原発の道筋を説いている。

地熱発電の中の「マグマ発電」のことである。

  「脱原発は『地熱発電』で」(11.9.19)と「『マグマ発電』は国立研

究所で特許を!」(11.10.29)と題した内容は、脱原発の最終点を

示したものである。地熱発電は5種類あるが、その中の「マグマ発電」

だけは世界中で実現されていない。たとえば、マグマ発電が成功すれ

ば、日本の現在の総発電量の3倍近くを賄えるといわれている。

  マグマ発電はマグマだまり近辺の高熱を利用することから、世界各

国で研究されているものの、技術的に難しいことから、各国ともに実用

化されていない。しかし、日本の科学力は世界一といっても過言では

ないだろう。また、日本には国立の各種の研究所がある。素晴らしい

人材がそろっているはずである。したがって、その中から「マグマ発電

プロジェクト・チーム」を結成し、本格的に開発に取り組むべきである。

日本の技術力からすれば可能なはずである。もしも開発技術に成功

したら、世界各国の特許を取るべきである。独立法人の名で組織す

るも、特許料などは国庫に入るようにして、国の収入となるようにす

ればいい。その方法がなければ特別立法で改正すればいいだけで

ある。

 来年には、国の借金は1,000兆円になるといわれているが、恐れ

る必要はない。マグマ発電の特許料と、技術輸出で借金を帳消しに

できるであろう。政府は増税だけで解決しようとするから国民の反発

を招くのである。政府は自助努力することを忘れている。

  今や、危険きわまりない原発や、遠い国から石油を輸入するのは

末期になりつつある。全世界各国とも、自国の地下を掘り進めば、確

実にマグマに突き当たるはずである。その意味からすれば、各国とも

に資源大国なのである。海洋資源を巡って、領土争いするだけでは

能がない。

  日本は、その意味でも、世界のオピニオン・リーダーとなることを

目指すべきである。