今週の法話

法華宗北海寺住職-二王院観成による仏教用語と法話集です。毎週水曜日に更新いたします。

「火星移住計画の道」は単なる「火星観光旅行計画」だった。

2020-04-28 21:33:58 | 幸福の追求

「火星移住計画の道」は単なる「火星観光旅行計画」だった。 
 さる4月25日に放映されたNHK「地球ドラマチック」、『火星移住計画の道』は
単なる「火星観光旅行計画」だった。これはフランスで制作されたものである。
 前段でアメリカの実業家イーロン・マスク氏は人類の未来について2つの道がある
と主張している。「1つは、地球にいて絶滅する道。いま1つは、宇宙(火星)に出て
文明を築く道である」、さらに「40~100年後に人類は火星で自立した生活ができ
るはず」と説いている。その内容を列記しよう。
① 一回で火星に行ける人数は100人である。計100万人を火星に送る計画だと
いう。
② 火星まで片道に半年かかる。火星に100人運んで、次の火星と地球が最短距離
になるのに2年間かかる。(太陽を回る公転軌道の関係である)。さらに地球に帰
るのに半年かかる。計3年かかることになる。
③ 宇宙船に3年分の必要物資を積んでいく。これで自立できるはずと主張している。
④ 水耕栽培で数種類の食用植物を育てる。
⑤ 火星の住まいは氷で作ることになるとのことである。
これに対する私の反論や疑問点は次のとおりである。
① 100万人運び終わる前に、火星に行った人々は絶滅するのてはなかろうか。宇宙

生活を簡単に考えすぎているような気がする。宇宙はもっと厳しいのではなかろうか。
② 火星まで行って帰ってくるまで3年とは長すぎるのではなかろうか。
③ 3年分の生活物資を宇宙船で人間と一緒に運ぶのであれば、自立ではなくなるのでは
なかろうか。
④ 数種類の菜っ葉だけでは食料の自立とは云えないのではなかろうか。主食は何なので

あろうか。火星で生産できるのでろうか。自立の裏付けが全然ないのではなかろうか。
⑤ 3年間にわたるゴミをどうするのであろうか。特に糞尿の処理をどうするのであろう

か。宇宙に散布するのであろうか。地球上だけではこと足りず、宇宙をゴミだらけに
するつもりなのであろうか。
⑥ この『火星移住計画の道』で云われている「自立」についての具体的な内容はほと

んど無に等しいものではないのか

 これらを見ただけでもお分かりのように、ずさんな計画と云わざるを得ないのでは

なかろうか。私が以前から主張しているように、地球人は全滅するのではなくて、約

5%の人々は生き残るものと考えます。それらの人々の延命策を今から世界規模で研

究、模索して実現させなければならない、ということが喫緊の課題ではなかろうか。

そうしなければ本当に人類は絶滅するであろう。
 実業家の金儲けの道具に宇宙開発をするというのは筋違いではなかろうか。