今週の法話

法華宗北海寺住職-二王院観成による仏教用語と法話集です。毎週水曜日に更新いたします。

埋蔵金を浪費するな!

2008-10-24 14:48:43 | 政治家の資質
 北海道新聞(10月24日・朝刊)の「混迷の世界経
済」シリーズ「2」に商船三井相談役の生田正治氏の『
「虚構の金融」が暴走』が掲載された。サブプライム問
題から派生した金融破綻を冷静的確に分析しているよ
うである。サブプライムローンの証券化や金融派生商品
は実体経済とは無縁の虚構の経済であると結論づけてい
る。未成熟ななまま、モラルなき経営者が増えたことも
混乱に拍車をかけた、と指摘している。今後に関しては、
海外要因に左右されない国内需要を創出することだと主
張している。生田氏の論調は経済関係者などがすでに指
摘しているが、簡潔にまとめられて解りやすい。
 その内需の創出に関して、忘れられないことがある。
小泉政権の時、たしか衆議院か参議院の首都機能移転審
議委員会に野僧は一度メールを送ったことがある。首都
機能移転は内需拡大に最適だから是非実現したほしい、
という要望である。その根拠として将来、洪水や高潮な
どで東京が水浸しになるのは確実と思われる。そうなれ
ば首都機能は不全となる可能性が高い。したがって、日
本を統治することがてきなくなる。標高約600mの那
須高原が最適地である。環境破壊は全地球的、全世界的
なものであるから、環境破壊に耐えうる総合的な施設や
設備を完備しなければならない。そのための研究開発も
必要となる。世界に範を示す新首都機能を建設できれば、
世界各国に輸出ばかりでなく技術指導などでも貢献でき
る、という概略内容である。三候補地が挙げられていた
が、那須地方には大規模な牧場が多数あるので、それら
を活用すれば森林破壊などは最小限ですむ。また那須の
御用邸もあり、環境的にも最適地である。当時、「東京
より西は移転地に適さない」と故金丸氏は云っていた。
環境状況を勘案すればその通りである。また、国会の首
都機能移転委員会で審議されていた内容の一部は、國が
すべて費用負担するのではなく民間の負担も分担化され
ていたのである。まさに國と民間が一体となった巨大プ
ロジェクトだったのである。民需活用も満たされるので
ある。
 これに対し、野僧に対する答えと思われることがあっ
た。当時の小泉首相は記者のぶら下がりで「今はそんな
時ではない」、という趣旨の発言をしいるのをたまたま
テレビで見た。また当時、首都圏機能移転に強く反対し
ていたのは石原都知事と扇建設大臣だった。自分の住ん
でいる東京かわいさのあまりの利己的な発言である。日
本と世界の将来を見通せない政治家といえよう。また、
野僧の著書「地球成仏」を栃木県庁の首都機能移転の
担当部局に送り自分なりの首都機能移転の必要性を訴
えていたのである。その担当者から移転の資料が多数送
られてきた。ところが、当時の知事さんが、「環境破壊
という観点から首都圏機能移転を考える必要はない」、
という発言をテレビで見た。その後の知事選でその知事
さんは落選してしまった。そうこうしているうちに、国
会の首都機能移転案件は店晒しとなり委員会も開店休業
状態になってしまった。今もそのままのはずである。
 これはまことに残念なことである。人類の未来に対す
る危機が叫ばれているが、できるだけの取り組みをする
べきではなかろうか。
 それにつけても、衆議院選が近づくにつれて永田町の
埋蔵金の存在がとりざたされている。一説には自民党は
その埋蔵金を大盤振る舞いするかのような報道もある。
民主党は道路財源や福祉関係などに流用しよとしている。
いずれも一時的な無駄遣いに等しいものと思われる。国
民受けのため、選挙に勝つのが目的である。これではド
ブに大金を捨てるようなものである。そうではなくて日
本の現代と将来に生かされる首都機能移転のために使う
べきである。それだけでも経済浮揚の効果は絶大なはず
である。
 また、世界の模範都市となるであろう。内外に与える
好影響は計り知れないものとなるだろう。与野党ともに
早急に首都機能移転と埋蔵金の有効活用を検討すべきで
ある。
 尚、東京は経済首都として引き続き重大な役割を持つ
ことに変わりはない。何の心配もいらない。

環境問題の報道は正確に!

2008-10-17 00:53:31 | 環境
 マスコミの環境報道は歪曲されているものが多い。
環境破壊、環境劣化などの環境問題の基本的な判断
基準は気温である。現在の気温と産業革命の発足時
の気温の変化、2030年の気温予測、2050年、
2100年の気温はどうなるのか、人間は何度まで
なら生きられるのか、という正しい認識が多くのマ
スコミ報道に欠けている。それが故意なのか、どう
かは推測の域を出ない。しかし、どう考えても故意
としか思えない。
 気温上昇によって起こりえるものとして、野菜や
穀物の枯渇、熱波と熱中症被害の増大、洪水の多発、
感染症の多発、自然火災の多発、台風や竜巻などの
巨大化と多発、海面の上昇、氷河の融解による地球
の環境システムの崩壊、メタンハイドレ-ドの大爆
発の危険性など多岐にわたる。いずれも地球の温暖
化によって引き起こされる可能性のある極めて重大
なことばかりである。すなわち、人間存在の極限を
超えることばかりである。
 たとえば、産業革命が本格化したこの100年間
に地球の平均気温は0.74度上昇したとIPCC
(気候変動に関する政府間パネル)は公表している。
このIPCCの数値は、世界各国間の政治的な妥協
の色彩の濃いものであるが、それでもこの数値は正
確なようである。
 また2030年には、1990年比0.5~1度
気温が上昇することを避けられず、暑い夜の増加が
顕著で、眠れない日が大幅に増える、と国立環境研
究所は発表している。一説には東京の気温はヒ-ト
アイランド現象も含めて約43度になると予測する
科学者もいる。
 さらに2050年頃には、日本の真夏日(最高気
温30度以上)は100日を超える年が増えると、
東京大学などが予測している。恐らく、最高気温は
50度くらいになるのではなかろうか。
 今世紀末には、地球の平均気温は6.4度上昇す
るとIPCCは予測している。ここで問題となるの
は、人間は地球の平均気温が何度まで上昇しても生
きられるのかという問題である。この100年間に
平均気温が0.74度上昇しただけでも、洪水が世
界中を襲い、世界中の氷河が融解しはじめ、ニュ-
オリンズのような小都市すら再生できないではない
か。一般的には、人間がこの地球上に生存できるの
は、地球の平均気温が約1.5度までが限界だと以
前からいわれている。したがってあと0.76度し
か残されていないことになる。地球の平均気温とは
地球全体の平均した気温のことである。6.4度上
昇するということは、場所(国)によっては、10
度も15度も気温が上昇することになる。ましてや
平均気温が6.4度も上昇したら人間は生きていけ
ないといわれている。
 このようなマスコミ報道は少ない。マスコミは正
確に報道すべきである。恐らく、22世紀を迎えら
れる人間は5%以下であろう。マスコミ報道は人類
を惑わすような報道は控えるべきだと考える。