今週の法話

法華宗北海寺住職-二王院観成による仏教用語と法話集です。毎週水曜日に更新いたします。

賀状

2009-12-31 22:40:39 | 幸福の追求
 謹 賀 新 年

「父母につかえること、妻子を愛し、仕事に秩序あり、

 混乱せぬこと、ーこれが、こよなき幸せである」

        (スッタニパータ)


  皆様のご健勝とご多幸をお祈り申し上げます。
 
   平成22年(2010年)元旦


(これまでの賀状をまとめてご紹介いたします)


「生きとし生ける者は幸せを求めている。もしも暴力

 によって生きものを害するならば、その人は幸せを

 求めていても、死後には幸せは得られない」(法句経)

  平成21年(2009年)元旦


「他人の物は銭の一文、米一合なりとも盗みなれば牢の

 巣守となり候ぞかし。しかるに親は10人の子を養え

                      きょうぶさ
 ども、子は一人の母を養うことなし」(日蓮・刑部左

 えもんのじょうにょうぼうごへんじ
 衛門尉女房御返事)

  平成20年(2008年)元旦


   そ            ほ
「ただ謗られるだけの人、またただ褒められるだけの人

 は、過去にもいなかったし、未来にもいないであろう、

 現在にもいない」(法句経)

  平成19年(2007年)元旦


   けしょう             むげ
「自然の化生(自ら生まれること)は、安楽無碍寿命長

    じょうあごんぎょう
 久なり」(長阿含経)(宇宙は、自然の法則によって

 開かれたことをいう)

  平成18年(2006年)元旦



             あまねく 
「願わくばこの功徳を以って、普く一切に及ぼし、我等と

            みょうほうれんげきょうけじょうゆほん
 衆生と皆共に仏道を成ぜん」(妙法蓮華経化城諭品第七)

  平成17年(2005年)元旦


「多く悪名を聞くといえども、苦行者はこれを忍ぶ。苦しいからと
 いって自害(自殺)すべからず」(雑阿含経)」

 平成16年(2004年)元旦

鉄筋コンクリ-ト住宅で自分を守れ

2009-12-26 16:56:25 | 環境
 COP15(国連気候変動枠組み条約第15回締約国
会議)は、完全に失敗した。13年以降の重要課題は来
年11月のCOP16まで先送りされたからである。
 失敗の最大の理由は、人類が危機にさらされていると
いう自覚が日本も含む世界各国にないからである。何度
もいうように、地球は寒暖を繰り返しながら徐々に気温
上昇し、ついには食物不足、洪水、干ばつ、皮膚がん、
海面上昇、津波、高潮、難病・奇病などの病気と災害の
フルコ-スの時期を迎えることになる。その時期は、2
050年前と推定される。そのころになると環境悪化は
急速な現象となる。その時まで人類は惰眠をむさぼるだ
ろう。その時、我々は孫たちから痛烈に怨まれることに
なる。
 一方、今回の総会を見ると、先進国の技術援助金の奪
い合いの場と化していたのは人類の愚かさを雄弁に物語
っている現象だった。
 ただ、サモアなどの小さな島国の代表は、自国民の生
命の危機を肌で感じているだけに、説得力のある発言が
ひときわ目立っていた。いつ起こっても不思議でない沈
没の可能性のあるそれらの国々の人々を安全なオ-トス
ラリアなどに一刻も早く移住させるべきである。高潮な
どに襲われた場合、全滅するのは目に見えている。もし
もこの指摘が現実になった場合、国連をはじめ、各国の
指導者は責任を痛烈に追及されることになるだろう。
 今回のような先を見通すことのできない世界会議に頼
っていたのでは自分や家族の生命を守ることは不可能で
ある。自分のことは自分自身で守ることをお勧めしたい。
それ以外に方法はないからである。
 ところで、現在の不況の打開策として、内需拡大が叫
ばれる。しかし、どこの家でも「ないものはない」とい
う現況であるといわれている。したがって内需拡大とい
っても何を、どうしたらいいのか、分からない状況にお
ちいっている。しかし、それは間違っている。地球環境
の悪化に向かっている現在、台風や竜巻に対する住宅事
情が貧弱である、という点に気がついていない。逆説的
には、それこそ内需拡大の絶好の具体例なのである。ゼ
ネコンなどの建築関係者はなぜ鉄筋コンクリ-トの一般
住宅を宣伝しないのであろうか。ためしにインタ-ネッ
トの鉄筋住宅を検索してみた。しかし、それを宣伝・推
奨するホ-ムペ-ジは皆無にひとしかった。ゼネコンが
無関心をよそおうのであれば、中小の建築関係者の絶好
のビジネス・チャンスであり、内需拡大策である。ある
小規模な建設会社の人にこのことを云ってみた。答えは、
30坪や40坪の一般住宅を宣伝しても大したメリッ
トはない、とのことである。しかし、それは間違った考
え方である。小規模な鉄筋住宅から取り組むべきではな
かろうか。政治家が一票を大事にするように、一票の積
み重ねが結果となるのである。「一銭を笑う者は一銭に
泣く」という諺を思い出すべきである。何事も一番先に
取り組む建築会社が優位に立つだろう。二番煎じはダメ
なものである。
 ここで再度、鉄筋コンクリ-ト住宅の必要性と心構え
を述べよう。 

 ①地球環境の悪化は、今後より一層増す。木造建築の
家では巨大な台風などに耐えられない。全壊する時期が
やがてくるだろう。
 ②鉄筋コンクリ-ト住宅とは、型枠の中に鉄筋を縦横
に組み、コンクリ-トを流しこんで壁などを作る工法の
ことをいう。
 ③鉄骨住宅とは、鉄骨で型を作り、壁材などを張り付
ける工法のことをいう。不十分である。
 ④窓は、できる限り小さなものとすべきである。大き
な窓は、強風に耐えられないからである。
 ⑤西側の窓は、できるかぎり避けるべきである。台風
などは西風が主だからである。また、夏の西日で暑すぎ
るからでもある。
 ⑥北窓は大切である。優先的につけるべきである。温
暖化が更に進むので、北窓は貴重な涼風の窓となる。現
在でも、沖縄では北窓が尊重されている。
 ⑦鉄筋住宅は二階建て以上とするべきである。水害や
津波などの場合、二階以上の場所は避難所となる。平屋
建ては、避けるべきである。 
 ⑦鉄筋の建築費用は、木造住宅と大差ないものとなる
だろう。将来的には、世界中で樹木の伐採が禁止、また
は大幅に制限されるようになるからである。また、建築
費用の面からいえば、二世代、三世代住宅とすれば、可
能である。「背に腹は代えられない」という諺を思い出
すべきである。何より、命あっての物種である。
 ⑧建築業者等は台風などの強風に耐えられる窓の「雨
戸」を研究開発すべきである。
 ⑨鉄筋住宅は外部からの侵入を防ぐ最大の対策と思わ
れる。ただし、窓の錠のかけ忘れなどに留意し、確認を
怠らないことが重要である。
 ⑩建築業者等は、鉄筋住宅の地震対策も研究開発する
必要がある。

 大体、これらの点に留意して鉄筋住宅を考えれば、将
来的な危機は、乗り切れるだろう。自分や家族は、自分
自身で守る以外に方法はない。先を見通す人達は救われ
るだろう。また、先見の明をもった企業のみが生き残れ
るだろう。しかし、最終的には人類が滅亡することには
変わりがない。
 ところで、温暖化がさらに進んだ場合、日本で最後ま
で生き残れる場所はどこか、という問題であるが、結論
は簡単である。それは北海道の大雪山の麓に住んでいる
人達である。一番北の高台に住んでいる人達である。北
海道は食料の自給率は200%で、過疎化による遊休地
もふんだんにある。定年退職者の住居としては最適と思
われる。
 やがて世界の大多数の首都は水没する。なぜなら、海
岸に近い場所にあるからである。首都で安全なのは、モ
スクワとインドのニュ-デリ-ぐらいなものであろう。
海岸から100km以上離れている所が安全だと云われてい
る。理想的なことをいえば、北海道の大雪山のふもとに
日本の首都を移転するのが最善といえよう。
 いずれにしても、建築関係社は鉄筋住宅と真剣に取り
組み、大宣伝する時期にきている。何の世界でも「時」
を認識することが最重要である。一番最初に名乗りを上
げる建築業社はどこか、注視したい。

(本欄、12月6日号 「環境悪化と沖縄の鉄筋住宅」
 を合わせてご覧下さい)

天皇特例会見は妥当

2009-12-17 08:51:46 | 皇室
 中国の習近平国家副主席の来日に際し、天皇陛下との
会見が問題となっている。習近平国家副主席は次期国家
主席と推測報道されている重要人物である。「一か月ル
ール」に反するから、「応じかねる」、と一旦はお断り
になった。その後、総理からの要請で応じることになっ
た、ということである。。この宮内庁長官の11日の説
明が問題の発端となったのである。
 確かに天皇の健康状態や年齢などを考えると、長官の
心配は当然のことである。昨日(16日)習副主席が帰
国したのを期に、冷静に今回の問題点を列挙して考えて
みよう。
 ①「陛下の国際親善の活動は、相手国の政治的重要性
とか、国の大小とか、関係なく行われてきた」、という
長官の説明は、単純すぎる。中国は北朝鮮と親密な関係
にある。北朝鮮はミサイルの試射に対する国連制裁に、
場合によっては核攻撃すると云っている。日本も対象で
あるかのごときことが報じられている。北朝鮮を抑えら
れるのは、現在のところ中国だけである。これらの国際
状況を長官はどう考えているのであろうか。
 ②先の大戦で日本は中国に人命ばかりでなく多大の損
害を与えている。その贖罪とまでは云わないが、丁重に
もてなすのは当然である。それは日本自身の卑下外交と
はならない。
 ③今回の長官の一番の問題点は、習副主席の来日前に
発表されたことである。これは習副主席並びに中国人民
に対して失礼である。親善外交以前の問題である。
 ④もしも長官の意図を国民に知らしめたいというので
あれば、習副主席の帰国後、報道陣の数人に漏らす形を
とるべきでだったと思われる。直接的な長官の表現は避
けるべきだったと考える。
 ⑤天皇が習副主席と会見することは民主党の「政治利
用」とは云えない。また、天皇が副主席に政治的な話題
やお願いをすることはありえない。また、副主席も同様
である。天皇と副主席の関係を政治利用と表現した長官
の発言は慎重に避けるべきだったのではなかろうか。
 ⑥今回のような突発的な案件が出た場合に問題となる
のは、天皇の国事行為や公的行為等の件数が過酷すぎる
からである。皇太子殿下等の皇族の方に、一部変わって
いただく方策を真摯に検討すべきではなかろうか。
 ⑦長官にとって、天皇の健康状態などを心配した正論
のつもりで云ったのかも知れない。確かに一理ある。し
かし、国民の中には、いろんな考え方や受け止め方をす
る場合がある。もしも、今回の宮内庁長官の発言が、政
治的な思惑を含んでいるのではないか、と逆に受け止め
る国民がいるかも知れない。そうなれば、大変なことに
なりかねない。政治的な意味合いを含んだ発言は、慎重
の上にも慎重を期して発言すべきである。皇室の存在を
危うくするような発言等は避けるべきではなかろうか。
 以上の観点から、天皇と習副主席の会見は、そんなに
重大な問題があるとは思えない。今回の特例会見は妥当
なものといわざるを得ない。宮内庁長官は、今回の事例
を教訓として今後とも天皇陛下を守っていただきたい。

ノ-ベル平和賞オバマ米大統領演説の光と影

2009-12-12 01:54:52 | 戦争と平和
 この10日、ノ-ベル平和賞を受賞したオバマ米大統領は、
式典で演説した。総合的には、やはりオバマ氏はアメリカの
大統領だ、との印象である。これまでのアメリカ大統領とほ
ぼ同じ考えであることが分かったからである。演説内容の肯
定できる部分と否定的な部分、さらにはこの両論の交差する
光と影を考えてみよう。
 まず肯定的な部分として「世界に悪は存在する」、「イラ
ンや北朝鮮のような国家に(核拡散防止の)制度をもてあそ
ぶなと主張するべきだ」という現実認識である。だから、「
平和を維持するために戦争という手段が演じる役割はある」、
と主張している。その通りである。たとえ、理想世界が樹立
したとしても、世界征服をもくろむ不逞の輩が出ることは確
実であろう。そのためには国連軍(平和維持軍)も必要であ
ろう。
 次に否定的な部分であるが、「私は今日、戦争の問題の決
定的な解決策を持ち合わせていない」、「今後も戦争は起こ
るだろうが、それでも平和のために努力しよう」、と主張し
ている。これは戦争に対する国際世論の反対に対して予防線
を張ったものであろう。正統性は我が方にあり、といいたい
のであろう。一方、平和な世界を構築しようとする意志も哲
学もないことを表している。「核のない世界」を主張するの
であれば、「戦争のない世界」の構築理論を先に説くべきで
はなかろうか。論理に一貫性がない。むしろ平和を説いた故
ケネディ大統領の方がノーベル平和賞に値するのではなかろ
うか。
 さらに「第三に、正しい平和は、経済上の安全と機会を含
まなければならない」、と主張している。この発言を額面ど
おり聞けば一理ある。その通りである。しかし、これは論理
のすり替えで、かって湾岸戦争の時に、兵器の実験場か、試
験場の様相を呈している、とマスコミ報道されたことがある。
兵器産業にとっては、戦場は兵器の性能を実戦で確かめる絶
好の機会である。戦争がなければ困るのである。現在、アフ
ガニスタンで20ケ国の軍隊が参加している。特に兵器産業
の発達している欧米の軍隊は兵器の性能確認の密命を受けて
いるのかも知れない。正論だけで各国が動いているとは思え
ない一面は否定できないのではなかろうか。
 「我が国を守るために必要な場合、単独で行動する権利を
留保する」、として米一国だけで軍事行動を取ることも主張
している。戦争と平和を論ずる場合、現実論に立てば戦争容
認となる。それに関する悲惨さや不条理もすべて肯定される。
これに対し、平和という理想論に立って論ずれば、戦争は否
定され、残虐性が問題視される。ノーベル平和賞の受賞式で
演説するのであれぱ゛、もっと理想論を説くべきだったので
はなかろうか。
 ノーベル平和賞の選考委員長は、「核のない世界を実現す
るためにオバマ米大統領は選ばれた。各国の指導者に喚起を
促すためである」、と云っている。イランと北朝鮮に核放棄
をさせらるか、どうかが、オバマ大統領の本当の評価になる
だろう。 (読売新聞、12月11日、朝刊、参照)

環境悪化と沖縄の鉄筋住宅

2009-12-06 08:54:40 | 環境
 COP15(気候変動枠組み条約第15回締約国会議
)が、明日12月7日からデンマークで始まる。
 それを意識したわけではないが、この3、4、5日と
沖縄に初めて行く機会を得た。「ひめゆりの塔」と「平
和記念公園」で弔意を表したが、心の悼むことだった。
また、「嘉手基地」も見てきた。
 それはさておき、沖縄の一般住宅を見て驚いた。ほと
んど鉄筋コンクリート(RC壁式)造りだったからであ
る。勿論、木造住宅もあるが、数が少ない。タクシーの
運転手さんに聞いてみた。その答えは予想通りだった。
「沖縄は台風が多く来るので、鉄筋コンクリートの住宅
がほとんどなんです」というものだった。また、木造住
宅は屋根の高さが低く作られている。風圧を考えてのこ
とであろう。なるほどと感心した。
 ここで云いたいのは、今後環境劣化がさらに進むのは
確実である。したがって台風はさらに強大化することに
なる。木造住宅では吹き飛ばされてしまう、ということ
である。これから住宅を新築、または改築する場合、鉄
筋コンクリートでなければ、安心できないことを深く考
えるべきであろう。愚者にならないことである。このこ
とは、すでに野僧の粗書で再三再四指摘していることで
あり、はしなくも沖縄で間違っていないことを確認でき
たのは有意義なことだった。このことは、少なくとも1
920年前後には確認できることである。これらの観点
から云えば、沖縄は将来の住宅のモデルとなるだろう。
もしも、確信を持てない人は沖縄に行って自分の目で確
認することをお勧めしたい。
 しかし、RC工法だけでは十分ではない。風圧と飛散
物に耐えるサッシなどはまだ不十分だからである。すな
わちサッシ枠のフレーム自体が内側に吹き飛ばされる可
能性が大きいからである。さらに、相当大きな飛散物に
耐えるものでなければならない。この点についても、野
僧のブログで紹介しているように、厚さ2~3センチの
板をサッシの外側に設置しなければならない。あるいは、
鋼鉄製の雨戸をスライドさせて開閉する方法も一つの方
法であろう。しかし、いかに科学が発達したとしても、
巨大な風圧と飛散物から守るサッシの開発は不可能と思
われる。西側の窓をできるだけ少なく設計するのも一考
であろう。理想的な住宅を作りたいと思う人は、よくよ
く考慮すべきである。
 何度も云うように、COP15自体が環境ボケしてい
る。環境劣化は今後の問題ではない。これまでに、より
便利な生活をするため、また企業の利益追求という大義
名分のために地球環境を破壊してきたからある。それは
人類の責任でもある。これまでの炭酸ガスだけでも人類
は滅亡するということである。その排出された炭酸ガス
を消滅させるという作業は論外となっている。一番恐ろ
しいのは、マスコミや評論家と称する人達が、未だに環
境破壊の温暖化現象などを認めていないことである。環
境ボケは人類の滅亡を早めるだけである。無責任極まり
ない。
 今朝のテレビで面白い画像が放映された。水に覆われ
た中で、椅子に座った各国の首脳が会議しているもので
ある。一見、突拍子もない映像だと笑った人も多いであ
ろう。しかし、今世紀末には、世界の首都の多くが水没
してしまうだろう。笑いごとでではない。
 「2100年には、海面の上昇幅が1.4mに達する
」、と発表したのは世界の気象学者らでつくる南極研究
委員会である。IPCCの予測を大幅に上回る。もとも
とIPCCは、各国の利益守護の色彩の強い存在であり、
各国の思惑を反映している数値だったのである。日本の
「25%減」の提案自体、意味のないものといえよう。
環境ボケの人類は滅亡する。
 最後に、「2012」という映画を見てきた。太陽や
地球などの惑星が直列に並ぶのが2012年で、その時、
人類は滅亡する、というストーリーである。しかし、太
陽系惑星が直列に並ぶということはない。非科学的であ
る。このようなオチョクッタ映画は混乱をまねくだけで、
有害な映画といえよう。馬鹿げている。もっと人類の未
来を真剣に認識すべきである。