今週の法話

法華宗北海寺住職-二王院観成による仏教用語と法話集です。毎週水曜日に更新いたします。

京都の絶品、「わらじや」の「う雑炊」 ー プレイスポット

2017-11-23 15:15:07 | 幸福の追求

 京都の紅葉狩りに行ってきた。京都の食事が美味いのは定評がある。昼食所をさがしていたら、

私と同年代の夫婦がある料亭に入っていった。つられるように私も入った。玄関前に「わらじや」

の幟が立っていた。

 「わらじや」は400年前から続いているという。秀吉がわらじをぬいだのが店名の由来だとい

う。品数は「う雑炊」の一品だけである。それだけで400年も前から続いているのはすごいと思

った。料金は一人前6700円だという。

 しかし、雑炊というので大して期待をしなかった。ところが出てきた料理を食べて驚いた。うま

い、というのが第一印象である。まさに絶品である。また量も食べきれないのではないかと思った

が、ペロリと食べることができた。量も研究しつくしているな、と思った。

 場所は京都国立博物館の横並びで、道路をはさんだ二軒目にある。博物館の前は三十三間堂である。

京都へ行ったら、「わらじや」の「う雑炊」を食べてくることを、自信を持ってお薦めしたい。尚、

「う」とは鰻のことである。「う雑炊」とは、「鰻の雑炊」の意味である。

 「わらじや」

    京都市東山区七条通本町東入ル西之門町555

    TEL 075ー561-1290

 


殺人否定重視の教育を!

2017-11-04 12:09:22 | 幸福の追求

  10月30日、神奈川県座間市内のアパートの一室から、クーラーボックス

等に入った9人分の頭部が見つかった。この部屋に住む白石容疑者が逮捕され

た。動機について「乱暴や金が目的だった」と供述していると報じられた。猟

奇殺人といえよう。

 また、「人を殺してみたかった」という若い人の殺人事件が時々発生している。

これらは小中高の教育に問題があるのではなかろうかと思っている。ためしに小

学校5.6年の道徳のある教科書を見ると、「人を殺してはならない」という表

現は見当たらない。

たとえば、①「命をいとおしんで」の中に『自他の生命を尊重して』という言

葉が出てくるが、『他人を殺してはなりません』という表現は出てこない。②「こ

んなことはしません」の中に『人の物をとってはなりません』という言葉は出て

くるが、同じ五戒の一つである『人を殺してはなりません』という表現は出てこな

い。③「家族の幸せを求めて」の中に、『大切な家族のために、私は何ができるのだ

ろうか』という言葉が出てくるが、『人を殺せば、親・兄弟・親族に多大な迷惑を

かけることになる』、あるいは『お父さん、お母さん、お爺ちゃん、お婆さんを大

切にしましょう』という表現は出てこない。だから一部の週刊に「親を捨てて、どこ

が悪い」、というタイトルで論じられているのは言語道断のことではなかろうか。

ましてや、『父母。祖父母を殺してはなりません』という言葉は出てこない。殺人者

が家族の中に一人出ただけで親・兄弟・親族などが悲惨な状況に突き落とされる現実

を直視すべきである。

 このように、道徳の面で変調された部分が気にかかってしょうがない。正しい道

徳教育に直すべきではなかろうか。

 ただし、ブッダの不殺生戒には、例外が説かれている。

『よく説くも聞かずんば王師(おうし)(国の軍隊)もて討伐す』、『敵に(か)ちて勝

を制す。つとめは人を安んずるにあり』と四十(しじゅう)華厳(けごん)に説かれている。

侵略者に対しての心がまえが、現実的に説かれている。ブッダは、教条主義一本槍では

なく、時として現実論も説いたのである。

 ブッダは、殺人を認めれば、世の中が円滑にいかないから駄目だと説いたのである。

『殺すな、殺させるな』(法句経)という教えのどこが間違っているのであろうか。

 正しい教育の是正が重要ではなかろうか。