残雪期の白峰三山奮闘記 大門沢小屋 ２

　5月31日　晴天　朝食は梅ワカメ雑炊。荷造りを済ませましたが、昨日濡れたこともあり入山時より重たくなりました。これから奈良田に向けて下山します。

小屋の内部を記念に撮りました。
昨夜21時、雨で濡れた服を着替えるのももどかしく夕飯の準備をした。幸いこの小屋はテント場やキャンプができる設備があるので、水には苦労しなかった。そして暖かいうどんは美味しかった。
この小屋は標高1700ｍにあり、このとおりの作りなので寒かった。私はホッカイロを腰に貼り、金属製の水筒にお湯を入れて湯たんぽを作った。それをシュラフの中に入れて潜り込むと同時に眠りに落ちたようだ。

残雪期の白峰三山奮闘記 大門沢小屋

　5月31日朝、3泊目の大門沢小屋

残雪期の白峰三山奮闘記 数少ない標識

　北岳の登りに使った池山吊尾根でも感じたことだったが、この大門沢小屋へのルートも標識が少なく心細かった。
これは珍しくしっかりした標識だったが・・。

残雪期の白峰三山奮闘記 大門沢下降点

今夜泊まる予定の大門沢小屋までは夏道は約３時間となっている。
15：30　ここからルートハンティングに時間をとられた。夏道はほとんど雪で覆われていた。リーダーはコンパスと地図を出し確認し、左側の沢で間違いないこと確信しながら誘導してくれた。途中から雪の上に（どなたか歩いたらしい）踏み跡を見つけというリーダーの声が聞こえてきた。そこからは安心して下っていくことできたが、とにかく軟らかい腐った雪と崩れた道で歩きにくいこと・・。くたびれた脚がアイゼンを引っ掛けたり、樹の根で滑ったりして交代ですっ転んだ。幸いかすり傷ですんだので、気を取り直して黙々と歩いた。樹林帯の中は薄暗くなり、雨足が強くなり、ついにはヘッドランプが必要になった。
ようやく大門沢小屋に入ることが出来たのは20時をまわっていた。

残雪期の白峰三山奮闘記 農鳥岳を下る

残雪期の白峰三山奮闘記 農鳥岳3025ｍ

　農鳥小屋で昼食。

農鳥への急登は途中まで夏道を歩けたが、上部は厳しい岩場なので、それを避けて雪渓をアイゼンを着けてトラバースしなければならなかった。
先に着いたはずの西農鳥岳（3050m）の写真が残っていないので、どうも巻いてきたらしい。
　農鳥岳14;20到着　予定時間11：00より既に3時間余り遅れていた。
これからは大門沢へひたすら下ることになる。

残雪期の白峰三山奮闘記 農鳥小屋へ

　間ノ岳で少しゆっくりした後、さあ農鳥小屋への大きな下りだ。そして、向うの大きな山、農鳥に登り返さなければならないんだ。ふう・・。
手前の鞍部に赤い屋根の農鳥小屋が見える。あそこに着いたらお昼にしようねと、下り始めた。

残雪期の白峰三山奮闘記 間ノ岳についた

　今回3つ目の3000m峰だ。
直ぐそこに見える尾根は三峰岳へ。地図上でしか歩いてない山だ。
塩見岳から南に延びる山々の塊も、雲の下に延びていっているのだろう。

残雪期の白峰三山奮闘記 間ノ岳を登る

　陽が高くなって雪が緩み、時々ドボッっと脚をとられる。

残雪期の白峰三山奮闘記 雲が上がってきた

　雲が上がってきて、富士も小さくみえる

残雪期の白峰三山奮闘記 鳳凰三山

　休憩中は撮影タイム。北岳の右に雲から頭を出した鳳凰三山に　”乾杯！”