栗山求/望田潤監修「パーフェクト種牡馬辞典2024-2025」

パカラPOGドラフト会議&オークス一言コメント

2021-05-21 17:54:52 | POG


https://pacalla.com/article/article-3190/

(以下パカラHPよりコピペ)
こんにちは。Pacalla編集部です。

今回はPacallaではおなじみの望田さん、美野さん+生産牧場さん3名を迎えた豪華メンバーで、POG大会を開催させていただいた動画になります!

※コロナ対策でマスク着用の為、音声が聞き取りづらい部分もございますが、予めご了承ください。

複数の生産牧場が参加するPOG動画はこれまでになく、非常に貴重な動画になっていると思います。
Pacallaファミリーならではの和気あいあいとした雰囲気で話が進んでいきますので、皆様も一緒に参加した感じでご覧になっていただければと思います。

選択指名はかなりマニアックになっておりますが、是非、今年のPOG参考にしていただければ幸いです。

▼出演していただいたゲストの皆さん
岡田スタッド 岡田壮史さん
新冠橋本牧場 橋本英之さん
イワミ牧場 岩見昌弘さん
血統評論家 望田潤さん
馬産地を見続けてきた男 美野真一さん
https://pacalla.com/article/article-3190/

ではオークス一言コメントを

ククナ:小型Tom Foolクルミナル
スルーセブンシーズ:Seattle Slew体型ドリジャ
パープルレディー:カツジ全妹はステイヤー
タガノパッション:ショウリュウイクゾみたいな
クールキャット:Nijinsky胴Tom Fool走Lyphard前受
ウインアグライア:ゴッホ×ヘクター=Never Bend肩
アカイトリノムスメ:アパパネニノムスメ
ハギノピリナ:サベージレディノスタミナ
ユーバーレーベン:Halo×Halo、中距離×中距離
エンスージアズム:Sir Gaylord柔いAlydar
ソダシ:操縦性抜群アエロリット
ミヤビハイディ:ナスペリ&Wild Riskナタナタ
ファインルージュ:マイラー牝系My Charmerしなやか
ストライプ:中距離血統テースト体型
アールドヴィーヴル:ナスペリ小型エスポワール
ニーナドレス:バラ科の友道ハーツ、秋に咲く?
スライリー:細身脚長緩慢Mill Reef斬
ステラリア:女タイトルホルダー

吉田隼人は「行く馬がいなかったら逃げてもいい」と言ってるようですが、クレバーさんは「桜花賞馬は距離もたす乗り方すればもつんですよ」
そうなんすよね、桜花賞馬は後ろから行ったらだいたい好走してるんですよね

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第163回天皇賞回顧~漆黒のドイツ牝系、最強のスタミナを証明

2021-05-03 11:01:15 | 血統予想

阪神11R天皇賞
◎17.オーソリティ
○5.ディアスティマ
▲2.アリストテレス
△1.ワールドプレミア
×3.カレンブーケドール
×7.ユーキャンスマイル
×12.ディープボンド
今年の春天は阪神芝3200(外→内)で行われる。フィエールマン、レインボーライン、キタサンブラック、ゴールドシップ、フェノーメノと、京都の春天はプリンスリーギフトで下った馬が毎年勝っているが、果たしてその頭で予想していいのかどうかだ。
阪神内3000の阪神大賞典を参考にするならば、例年少頭数であまり荒れないレースで、過去10年で6人気以下で馬券に絡んだのは5頭。うちナムラドノヴァン(9人気3着)、カフジプリンス(6人気2着)、モンテクリスエス(6人気3着)と、3頭がロベルトの血を引いている。
阪神大賞典といえば今も語り継がれるのがブライアンズタイムの2頭、ナリタブライアンとマヤノトップガンの叩き合い。阪神大賞典1~5着をコンプしたトウカイトリック(母父シルヴァーホーク)も実にロベルト的なステイヤーだった。今年の出走馬でロベルトの血を引くのは、内からアリストテレス、ナムラドノヴァン、ウインマリリン、オーソリティの4頭。
アリストテレスが一番強いと思うが、エピファネイア産駒らしい気性で馬群に入ると阪神大賞典のように引っかかるので、ルメールといえどもこの内枠は乗り難しい。◎はオーソリティ。母はエピファネイアの全妹で、有馬記念でフィエールマンに捲られたらズルズル下がっていったようにこの馬も馬群はよくない。その点外枠はアリストテレスより乗りやすいし、好位で揉まれず運べそうだ。
オルフェーヴル×シンボリクリスエス×スペシャルウィーク×サドラーズウェルズで配合は満点。ただ中距離×中距離×中距離×中距離だから完成に時間がかかったし、今でも2000の大レースではスピード的に少し苦しい。何といっても泣く子も黙るシーザリオの孫だ。それだけで春天で◎が打てる。
ワールドプレミアはひと叩きで目論見どおり良化したが、重厚で不器用なストライドで走るからこれも枠が内すぎた気がする。ディアスティマはヘイロークロスらしい燃費のいい走りとディキシーランドバンドのハイペリオン的な体質を受け継いで、ディープ産駒にしては斬れは並だがトボトボと実直にいつまでも走れる。シュヴァルグランのようなイメージだ。北村友とも手が合うタイプで、イン番手でぐるっと2周回ってくるだろう。

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例によって、NETKEIBAの血統解説より1~3着を再掲

ワールドプレミア
ワールドエースの全弟でヴェルトライゼンデの3/4兄で、ジャックルマロワ賞(仏G1・芝1600m)などに勝ったManduroの甥。母マンデラは独オークス(独G1・芝2200m)3着。母父Acatenangoは独リーディングサイアー。母方にはドイツとHyperionのスタミナが強く、全兄よりも持続力を感じさせる体質脚質のステイヤー。ただ大跳びでそれほど器用なタイプではない。阪神内回りだと日経賞のような差しになるので、外差しがきくバイアスならば。(距離◎スピード○底力◎コース○)



ディープボンド
ダンケシェーンの半弟で、ローレルゲレイロやリキサンマックスやアメージングムーンのイトコ。母ゼフィランサスはJRA3勝。そこにキズナでHalo4×4とLyphard5×4。Storm Bird≒NijinskyなどStorm Catの血脈構成もニアリークロスで増幅し、キズナ産駒の走る配合パターンといえる。血統も体型も長距離向きには見えないが、HaloやTom Foolのクロスで燃費よく走れる馬なのだろう。ここはむしろ高速馬場になってどうか。(距離○スピード○底力◎コース○)



カレンブーケドール
母ソラリアはチリの2歳女王&3歳女王で、スタミナ血脈Hawaiiの5×5を持ち芝2400のエルダービーに勝っている。その父Scat DaddyはJustifyやミスターメロディなどを出し成功したが早逝した。ディープ産駒にしては鋭さは並だが相手ナリにしぶとく、持続戦のほうがパフォーマンスが上がるのは戦績を見てのとおり。JCも3強に真っ向勝負で食い下がった。内回りは合うし、燃費のいいトボトボ走りだから牝馬でも長距離に対応できる。(距離○スピード○底力◎コース◎)



北村友の落馬負傷で急きょディアスティマの鞍上に指名された坂井瑠星は、12.8-58.9-61.7-61.3(レースラップ)と緩めずに11秒後半のラップを刻みつづけて逃げ、上がり3Fは12.1-12.3-13.0、文字どおりスタミナを振り絞る争いで、だいたいスタミナの順に入線したという阪神の天皇賞でした

ルメール&ノーザンのアリストテレスをおさえて和田&日高のディープボンドが1人気に支持され、それに応えるべく堂々たる横綱相撲で、改めてレースを見なおしても強い2着やったと思います

「中距離のスピードを意識した配合で、ここまで長距離適性があるとは思わなかった」と生産者の村田さんも仰るように、本当に字面の血統以上に持続力に富む馬で、距離が延びれば延びるほどスタミナや持続力が光り輝いてくるのが面白い

モガミヒメ、キングヘイロー、Storm Cat、Alzaoなどの血脈構成を絶妙にフックさせるのは村田のお家芸ともいえ、たしかにキズナ×キングヘイローのイメージどおり1800~2000あたりでスピードをみせそうな配合です

村田牧場が誇るモガミヒメの牝系も短距離王ローレルゲレイロに代表されるようにしなやかで軽快なスピードのイメージですが、モガミヒメの父カコイーシーズはキングジョージ2着、英ダービー3着と12Fのスタミナを誇った馬で、JCでもベタールースンアップやオードと叩き合ってアタマ・アタマの3着で、大レースの2着3着が多い馬でした

カコイーシーズの父Alydarは北米三冠で全てAffirmedの2着、Alydarの代表産駒Easy GoerはKダービーもプリークネスもBCクラシックもサンデーサイレンスの2着で、12Fのベルモントでついに一矢を報いたというのも有名なエピソード





日本で種牡馬入りしたカコイーシーズはAlydar系らしくダート中距離で成功し、帝王賞のコンサートボーイが代表産駒で、このコンサートボーイがまた南関三冠でオール2着で、羽田盃も東京ダービーも東京王冠賞も2着やったんですよね(^ ^;)

長い距離をワンペースでしぶとく走りつづけられるスタミナと、決め脚に欠けるというか勝負弱いというかゴール前で何かにやられてしまう惜敗の多さは、Alydarらしいしカコイーシーズらしいというべきなのでしょう

カレンブーケドールはBold Ruler的な無駄のないフォームでトボトボ燃費よく走るので距離はもつし、そんな走りなので内回りのコーナリングもいいので勝負どころの手応えはこの馬が一番、あれを見ると和田も追いかけざるをえなかったのですが、ステイヤーとまではいえないから最後の最後にスタミナが尽きた

アリストテレスはエピファ産駒らしく馬群に入ると行きたがるので、縦長になった馬群の切れ目でポツンと一頭になって折り合いをつけ、しかも前にディープボンドを見るというのはルメールが描いていたベストプランやったと思うし、それで最後はディープボンドに突き放されてしまったのだから、3200のスタミナで劣ったというしかない結果でした

オーソリティは外枠なので差しに回るプランやったようですが、早々とラチ沿いにもっていって終始馬群の中だったのが、エピファネイアの全妹の仔だけにそれが応えたのかなと

ワールドプレミアはひと叩きの良化が顕著で、パドックでも一番良く見えると書いておきましたが、晩成ステイヤーと見込んで早くから大目標を菊花賞に置いて開花させ、今年も春天に目標を定めてベストコンディションに仕上げてきた厩舎の手腕が光りました

ミスアンコールの仔で2400を勝ったのはワグネリアンだけ、ウィキウィキの仔で2400を勝ったのはマカヒキだけ、ムードインディゴの仔で長距離を勝ったのはユーキャンスマイルだけ、どうやらヨーホーレイクもクロウキャニオン仔最長の距離適性になりそうで、マンデラのスタミナを最も開花させたのが友道厩舎なのです

アドマイヤマーズを近藤会長にススメた後にセリ名簿を見て「あれ? これメジャーなのか(^ ^;)」と驚いたというエピソードがあるぐらいで、ダイワメジャー産駒でもマーズみたいな馬をチョイスする友道スカウター、それを理解して長いところを走れる馬につくりあげるスタッフ、「やっぱり長距離は友道やなあ…」とファンも唸るしかない

ディープ×ドイツ血統というのはPOG期間はギリギリ間に合わずちょっとガッカリということが多いんですが(その意味でもグレートマジシャンの今春には注目)、ワールドプレミアやサラキアのようなスタミナと成長力こそが本領で、上がり37秒4の天皇賞を勝つにふさわしい血統が勝ったと思います

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第81回桜花賞回顧~蜜月の正攻法、クロフネ娘の先行で

2021-04-12 11:17:04 | 血統予想

阪神11R 桜花賞
◎8.メイケイエール
○5.アカイトリノムスメ
▲18.サトノレイナス
△4.ソダシ
△13.エリザベスタワー
×2.ファインルージュ
×11.ジネストラ
アカイトリノムスメは兄たち以上に母アパパネ似で、俊敏自在でセンス抜群でしかも追って斬れる。とはいえ、クイーンも赤松もバキューンと爆発してアッサリ決めてしまったというほどの華麗な勝ち方ではなかった。好走の可能性が一番高いのはこれだと思うが、何でもできる馬だけに色気満々の武史が途中で動かしすぎてしまうような気もする。桜花賞は思い切って行くか直線まで我慢して追い込むか、どっちかにメリハリつけたほうが勝ちやすいレースだ。
サトノレイナスとエリザベスタワーは母方が奥行きのある中距離血統で、これからまだまだよくなる雰囲気があるが、マイラーではなく中距離馬だから、今の高速馬場で前半も後半も速いラップになって中距離馬の斬れで全部差せるかどうか。ソダシは完成度が高く乗りやすいし勝負強い。白くて操縦性の高いアエロリットというイメージだが、操縦性が高くて好位でふつうに乗れることが、好位でふつうに乗って勝ってきたことが吉田隼人としては意外に難しいのでは。
阪神JFで◎にしたときからずっと同じことを書いているが、今年の牝馬路線で“ハッとする脚”を見せて華麗に勝ったのはファンタジーのメイケイエールだけだ。JFも例によって行きたがってしまったが、それでも残り400~200のみんながスピードに乗るところで最も加速していたのはこの馬。今はもうゴールドシップで大向こうをうならせた頃のノリではないが、ケンカせずにハナに立ってしまえばあとは抜いて走れるし、桜花賞史上最速の馬場を46秒-46秒で走破できればレースレコードだ。
3歳春の牝馬が外マイルで天賦の才を爆発させて勝つのが桜花賞なのだから、体質や可動やしなりやバネやアクションや加速が一頭だけ違うメイケイに◎。他に考えることなんかないと思います。美しく勝つだろうし美しく負けるだろうと思います。

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例によってNETKEIBAの前走血統解説より1~3着馬を

ソダシ
ユキチャンの姪で、ハヤヤッコのイトコで、メイケイエールも近親。ちなみにハヤヤッコはキングカメハメハ×クロフネ×シラユキヒメで、本馬はクロフネ×キングカメハメハ×シラユキヒメ。白毛とダート上級が出ることで有名な一族だが、本馬はNureyevやHalo≒Droneのニアリークロスで芝もOK。マイラーというよりは1800タイプに見えるが、完成度が高くパワー十分で勝負強い。操縦性の高いアエロリットというイメージ。ここも好位差しで主導権を。(距離○スピード○底力◎コース◎)



サトノレイナス
サトノフラッグの全妹で、ダンサールの3/4妹で、亜2000ギニー馬Le Bluesの姪。母バラダセールは亜オークス(亜G1・ダ2000m)や亜1000ギニー(亜G1・ダ1600m)に勝った。母系に重厚なスタミナ血脈が強く、ディープ牝駒らしいしなやかな斬に加えて地力や持続力も感じさせる。兄と似たタイプの奥深い中距離馬で、マイル戦ではうなりながらの追走というほどではないから、JFより緩みないペースで流れたときにひと脚使えるかがポイントに。(距離○スピード○底力◎コース◎)



ファインルージュ
レンプランサやエストの下で、ザラストロの姪で、メイショウチタンのイトコ。母パシオンルージュはJRA3勝(1000~1200m)。牝祖ココパシオンはシェーヌ賞(仏G3・芝1600m)勝ち馬でココナッツパンチの母。母父ボストンハーバーはクロコスミア、ベルカント、ラプタス、イベリスなどの母父。フェアリーSでHペースを中団からアッサリ差し切りは評価できるが、キズナ×ボストンハーバーだからG1で大駆けというタイプではないかも。(距離◎スピード◎底力○コース○)



「46秒-46秒で走破できればレースレコード」と書きましたが、桜花賞史上最速馬場で行われた今年は前後半45.2-45.9、1.31.1はもちろんコースレコード

それを3番手から直線先頭に立って押し切ったソダシで45.7-45.4ぐらいで、決してHペースというか前傾ラップではなく、ソダシにしてもスタート直後はうなってて吉田隼人がなだめていたほどでとにかく馬場が速い

カレンチャンの高松宮の通過順が2-2、スプリンターズが6-6、スリープレスナイトのスプリンターズが5-4、アエロリットのNHKマイルが2-2、ホエールキャプチャのヴィクトリアマイルが3-3、フサイチリシャールの朝日杯が2-2-2、クラリティスカイのNHKマイルが5-5、ホワイトフーガのJBCレディースが4-3-3-1

クロフネ産駒は基本的にはパワーで押してナンボで、こうしてみるとG1勝ちは全部マイル以下で、ほとんどが先行押し切りで、そして牝馬に偏ってます

ソダシは解説で書いたようにハヤヤッコと血脈構成がほとんど同じで、母系にNureyevが入るのはアエロリットと同じで、まあアエロリットほどNureyevが強く表現されてはいないですが脚質としては似ているというか、白くて操縦性と完成度が高いアエロリットというイメージですかね

毎年桜の季節になるとパンツとアンカツの話をするんですが、アンカツさんが外回り桜花賞マスターといわれるほどの良績を残したのは、決して牝馬が上手やからではないと思うんですよね

繊細な牝馬を繊細に乗ることが得手ではないからこそ、ゴリゴリ先行するか後ろからバキューンと差すか、天賦の才を外マイルでいかに爆発させるかというレースなのだから、その二択で乗るしかないんやで…という胆力と開き直りなんですよねたぶん



デアリングタクト(13-12)とレシステンシア(2-2)、グランアレグリア(3-1)とシゲルピンクダイヤ(15-12)、アーモンドアイ(15-16)とラッキーライラック(3-3)、そして今年がソダシ(3-3)とサトノレイナス(15-16)

外回り桜花賞はだいたいこういう二択で決まるもので、桜花賞を勝つような天賦の才は一筆書きで爆発させるべきで、小出しに使ってはいけないのだ…というのが名人の教えなのだろうと

ソダシは操縦性が高くてレースが巧すぎるので、JFみたいに好位差しで手堅く乗ったら、ノリが離して逃げてルメールや川田が後ろで決め打ったら、離れた4~5番手でレースが一番難しいのは吉田隼人ではないか…と私は思ってました

だから好発から迷わず3番手、アエロリットのように正攻法で押し切ろうとしたのがまず素晴らしいし、デビュー戦からずっとコンビを組んできた吉田隼人だからこそ、大一番のここで正攻法で乗れたのでしょう

土曜の阪神牝馬は47.1-44.9の超スローになり、中距離馬のデゼルが中距離馬の追走で上がり32.5でナデ斬りましたが、Darshaanのフレンチな牝馬の斬れでスローを差し切るのはシゲルピンクダイヤ的でデンコウアンジュ的といえます

サトノフラッグの全妹でディープの中距離馬のサトノレイナスが桜花賞で好走するには、いかにこのデゼル的なフォーマットに落とし込むかだろうと思っていて、そこはさすがルメール、4角16番手から唯一上がり32秒台の末脚で追い込んでもう少しでした

桜花賞初騎乗でアカイトリノムスメが回ってきた横山武史はインタビューでも勝つ気満々で、きょうだいのなかでも最も母アパパネ似でTom Fool機動力でセンス抜群で何でもできて、しかも追ってからディープ産駒らしく斬れる才媛

だからここも好走は間違いないけれど、何でもできるアパパネの娘に、今最も馬を動かせる新進気鋭のジョッキーが勝つ気満々で乗るとなると、これはソダシを負かしにいくケイバになるだろうという読みもできました

脚を小出しに使って負かしにいってこの着差ですから力負けではなく、アンカツさんならルメールと同じポジションから2着に追い込んだかもですが、初めて乗る桜花賞で勝ちにいくと宣言して勝ちにいく武史も末恐ろしい

デビューからソダシとコンビを組みつづけてきた隼人がクロフネらしく乗り、同じくサトノレイナスとずっとコンビを組みつづけてきたルメールがディープらしく追い込んだのに対し、当日初めてメイケイエールに跨ったノリは、メイケイエールらしさとは何なのか、メイケイエールとはどんな馬なのか、そこすら手探りだったかもしれません

出遅れからハナに立つまでの大立ち回りでもう馬券は諦めてましたが(^ ^;)、いつもそうなんですがパドックでは猫のように大人しいし、調教や返し馬では何とか制御がきいてるし、レースでも暴れながら先頭に立った瞬間に嘘のように力が抜けて、惚れ惚れするほど美しいフォームになるんですよね

今日も先頭に立った直後のフォームとストライドは群を抜いて美しくて、ああもうダメやろうけど本命にしたのは間違いではなかった、いや間違いなんやろうけど、何回やっても俺はメイケイエールが◎でいいわ…と思えるような走りをね、400mぐらいは見せてくれました(^ ^;)

周りに馬がいるとパニックになって無我夢中で走ってしまうのは、エピファネイアなんかと近いAureole魂の亜種じゃないかとも考えられ、締まりの強いマイラーのミッキーアイル×緩い中距離馬のハービンジャーの組み合わせが絶妙で身のこなしや歩きは父より美しいのですが、スタートが遅いのは多分にハービンジャーの影響で、そこがまた難題すぎますね…

ソダシの配合についてはJFの回顧を参照してくださいということで、そこで書いたようにこのウェイブウインドの牝系はNureyevの血を得ることで成功してきたとも言え、ソダシの母もメイケイエールもそのパターンですよね

第72回阪神JF回顧~純白の女王、白いパンツは見えたか
https://blog.goo.ne.jp/nas-quillo/e/59fa3bc68ae39ad0a2cc9fa1c83318b3

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土曜のボツ予想~阪神内1400のRahy

2021-02-13 10:01:36 | 血統予想

摂津は◎ナイントゥファイブ、阪神内1400は超Hペースで粘りに粘ったフィリーズ3着など[1-0-1-0]のベストコース
こういうRahyのHalo走法が表現された牝馬って、阪神内1400でよく複穴あけるんですよね、メイショウショウブとかジュランビルとかね



飛鳥Sは◎レッドベルディエス
レッドベルオーブやレッドベルジュールの全姉で、コントレイルと同じディープ×Unbridled's Song×Storm Catのスーパー黄金配合
牝祖Phone ChatterがPhone Trick産駒の北米2歳女王なので、古馬になっての成長が案外なところはあるのですが、大箱1800はベストコースだし、ハミを替えたら追い切りでは真っすぐ走ってるらしいので、逆瀬川からもうひと押しということで



一年で最も多忙な時期真っ只中なので、ボツ予想はこんなもんで…NETKEIBA「厳選予想 ウマい馬券」ではクイーンCと洛陽Sと箱根特別を予想していますので、今週もよろしくお願いします(競馬道OnLine「今週のBLOOD穴ライズ!」は栗山さんの担当)


http://yoso.netkeiba.com/?pid=yosoka_profile&id=24&rf=umatop
 http://www.keibado.ne.jp/keibaguest/premiumservice/index_lp2.html

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12/26,27の血統屋コンテンツ推奨馬の結果速報

2020-12-29 17:14:16 | 共有クラブ

■『一口馬主好配合馬ピックアップ(2019)』で望田潤と栗山求がダブル推奨し、『望田潤のPOG好配合馬リスト(2020)』で望田潤が推奨したクリーンスイープ(牝2歳)が日曜中山3Rの未勝利戦(芝1600m)を勝ち上がりました。

★シルクホースクラブ
父ドゥラメンテ
母スイープトウショウ(エンドスウィープ)
牝 募集価格:4000万円
https://db.netkeiba.com/horse/ped/2018105090/
母スイープトウショウは宝塚記念(G1)、エリザベス女王杯(G1)、秋華賞(G1)など6つの重賞を制した女傑で、トウショウ牧場の解散に伴いノーザンファームに売却されました。まだこれといった大物は出ていませんが、現3歳のスイープセレリタス(父ハーツクライ)はノーザンファームの生産・育成で現在6戦3勝、2勝クラスを楽に勝ったのでいずれ重賞でいいところがあるかもしれません。父ドゥラメンテは現役時代、皐月賞と日本ダービーを勝った名馬で、「キングカメハメハ×サンデーサイレンス×トニービン」という社台系の主流血統を重ねた配合構成。したがって在来の繁殖牝馬を交配しづらいところがあります。母スイープトウショウはトウショウ牧場で育まれた血なので幸いにして問題ありません。父は重厚な配合構成なので母方にはスピードを持ってきたいところです。代々交配してきたエンドスウィープ、ダンシングブレーヴ、トウショウボーイはいずれも優秀なスピード血統で、Mr.Prospector4×4、Halo≒Drone4×5が生じます。芝中距離がベストで、切れる脚があれば大舞台でもいいところがありそうです。(栗山)
7/29追記
女傑スイープトウショウはまだ大物と呼べるほどの仔を出していませんが、父ハーツクライのスイープセレリタスは7/28月岡温泉特別を快勝し6戦3勝としています。スイープトウショウの配合のキモはフォーティナイナーの3代母Courtesyとトウショウボーイの父テスコボーイを通じるナスペリオンのクロスにあると考えられるので、同じくナスペリオンのトニービンを引くハーツクライとの配合で最も成功したのは頷けます。とすると、"ナスペリオンの王様"ドゥラメンテとの配合は更に期待が高まるところで、動きや歩きにもナスペリオンらしい体質は十分に感じられ、ドゥラメンテではこれとモシーンをピックしたいです。力強いストライドで走る芝中距離馬。(望田)

クリーンスイープ(牝・父ドゥラメンテ・母スイープトウショウ)
https://db.netkeiba.com/horse/ped/2018105090/
スイープセレリタスやスイーズドリームスの下で、母スイープトウショウは宝塚記念などG1を3勝。父ハーツクライのスイープセレリタスはやや成長曲線が遅めだが、本馬はMr.Prospector4×4もあり3歳春にある程度完成するのでは…というのは希望的観測だが馬はいいです。ドゥラメンテにナスペリオン血脈を重ねたオークス向き配合。(望田)

■土曜中山11RホープフルS2着 オーソクレース(一口&POG・望田)
■土曜中山11RホープフルS3着 ヨーホーレイク(ディープ・望田&栗山)
■日曜中山8RグッドラックH ディアスティマ(ディープ・栗山)
■日曜中山11R有馬記念2着 サラキア(ディープ・栗山)
■日曜中山11R有馬記念3着 フィエールマン(ディープ・栗山)

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JRAファーストシーズンリーディングは、モーリスとの激しいつばぜり合いを制したドゥラメンテ
ここまで勝ち上がった産駒の配合を分析してみるとこんな感じ



私としては「デインヒルを引くマイラー牝馬との配合で、クロスはヌレサドで締めるのがひとまず教科書か」という想定でしたが、このパターンは6頭出走でアスコルターレ、フォティノース、ダノンシュネラ、テネラメンテの4頭が勝ち馬となっています

母系にフォーティナイナーが入る配合も7頭出走しキングストンボーイ、ファルヴォーレ、フォルツァンド、レインフロムヘヴン、クリーンスイープの5頭が勝ち馬(牡は4頭全て勝ち馬)と優秀で、フォーティナイナーとKingmamboはMr.ProspectorとナスペリオンとRibotが共通します



Sharpen Up(アスコルターレ、タイトルホルダー、ファルヴォーレ、グランデフィオーレなど)とBuckpasser(アスコルターレ、タイトルホルダー、ドゥラモンド、ファルヴォーレ、ジュンブルースカイなど)が入る馬もよく走っていて、ザックリ言うとRibotやFair TrialやLa Troienneなどで締める方向が吉で、ナスキロやHaloで柔に振ると緩くなりすぎるか、というところですかね



ちなみにドゥラメンテ産駒の2勝馬5頭、アスコルターレ、アドマイヤザーゲ、キングストンボーイ、ドゥラモンド、ファルヴォーレは全てRibot系のクロスをもっています

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第72回阪神JF回顧~純白の女王、白いパンツは見えたか

2020-12-14 13:59:13 | 血統予想

阪神11R 阪神JF
◎18.メイケイエール
○6.ソダシ
▲7.サトノレイナス
△17.フラリオナ
×10.シゲルピンクルビー
阪神芝は今週からBコースで、仮柵を移動させてもさすがにインは荒れているが時計や上がりは出ている。桜花賞と同じ阪神外マイルの牝馬G1で、今年も天賦のスピードや斬れ味がモノを言うレース、最高速度が問われるレースだろう。
◎はメイケイエール。ミッキーアイル×ハービンジャーだから「父マイラー×母父中距離」で、サンデー3×4やデインヒル4×4など強力な父母相似配合。父を細身にしたようなマイラー体型で、ストライドはしなやかに伸びるし強靭でバネもある。桜花賞を展望できる華麗なマイラーだが、短距離のHペースでも全開で走りたがる気性が問題で、エンジンやアクションがすごいだけに大外枠から吹かしていったらバタバタになってしまうかもしれない。でも来春のクラシックに直結するレースだから、天賦の素質やスピードに◎を打つならこの馬しかいない。確率は五分五分だろうが、単勝600円なら◎で筋はとおる。
フラリオナはストロングリターン産駒でニジンスキーのクロスだからプリンスリターンやツヅミモンと似た配合で、小柄だが大箱マイルで更にパフォーマンスを上げてくるはず。シゲルピンクルビーはピンクダイヤの下で母父ハイチャパラルはリヴァーマンの斬れを牝馬によく伝えるから、大箱マイルで気楽に追い込んだら面白い。ヒモ穴はこのあたりではないか。

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例によってNETKEIBAの全頭血統解説より1~3着馬を再掲

ソダシ
ユキチャンの甥で、ハヤヤッコのイトコで、メイケイエールも近親。ちなみにハヤヤッコはキンカメ×クロフネ×シラユキヒメで、本馬はクロフネ×キンカメ×シラユキヒメ。白毛で有名な一族で、ダート上級がコンスタントに出るが、本馬は母系のNureyevやHalo≒Droneのニアリークロスの影響で芝OK。アルテミスの完勝をみるとマイルが良さそうだし、完成度もなかなか高いのでここも有力だろう。(距離◎スピード○底力○コース◎)



サトノレイナス
サトノフラッグの全妹で、ダンサールの3/4妹で、亜2000ギニー馬Le Bluesの姪。母バラダセールは亜オークス(亜G1・ダ2000m)や亜1000ギニー(亜G1・ダ1600m)に勝った。母系の奥に重厚なスタミナ血脈が強く、ディープ牝駒にしては地力や持続力を感じさせる走り。概ね兄と似たタイプとみてよく、サフラン賞は61秒で追走し34秒で上がって中距離馬のレースで差し切った。マイルのHペースで追走がどうかだろう。(距離○スピード○底力◎コース◎)



ユーバーレーベン
マイネルファンロン(父ステイゴールド)の3/4妹で、母母マイネヌーヴェルはマイネルチャールズやマイネルアワグラスの全姉でフラワーCに勝った。父ゴールドシップは初年度からウインマイティーやブラックホールを出しており、ゴールドシップ×ロージズインメイはマイネルソラスと同じ。札幌2歳は最後方から捲り上げて長く脚を使ったが、父も母も母母も母父も中距離馬だから、距離はもう少しほしい。(距離○スピード○底力◎コース○)



短距離を使ってきたヨカヨカがジワリとハナに立つと、そこから11秒後半にペースを落として、前後半46.8-46.3の後傾ラップ

このペースを絶好位で折り合ったソダシは、直線追い出すと力強く反応してメイケイエールを交わし、サトノレイナスとユーバーレーベンの差しを凌いで無敗の2歳女王の座に

中距離馬が追走できて斬れるペースだったので、ソダシとメイケイがマイラーの加速で抜け出したところを、サトノとユーバーが中距離馬の脚で差してきた…というレースやったと思います

メイケイエールはスタート直後に接触したのもありますが、大外枠を引いたので、ユタカは最初は馬群から離して落ち着かせようというハラやったようで、しかし馬群に寄せていくとやっぱり全力で走りたがる

けっきょく今日もファンタジーぐらいは引っかかったというべきで、そのまま直線ビュンと先頭に立ってこの差ですから、ファンタジーぐらいは走ったと思います

ミッキーアイルが勝ったマイルCSは46.1-47.0、娘もタメたらタメただけ斬れるというタイプではなさそうで、もっと前傾で流れたほうが却って踏ん張れたのではないかとも思いますが、いずれにしても課題は残ったままで来春を迎えることになりました

サトノレイナスはソダシの直後をすぐ取れたし、ルメールが本命マークでキッチリ差せるパターンやったんですが、全兄サトノフラッグと似たところはあって、母方のHyperion的な粘着力持続力を感じさせる中距離馬の末脚で、外マイルでバキューンと弾けて差しきってしまうほどの華のある脚ではなかったですかね…ゴール板すぎたら完全に交わしてるんですが

ユーバーレーベンは父も母も母父も母母も3/4同血の兄も中距離馬で、マイルだとこれぐらいの追走になってしまいますが、この馬のラップで59.3-33.6ですか、中距離馬の追走で中距離馬の脚で追い込んでここまできたのは立派で、一昨年のクロノジェネシスがずっとそんな感じでしたよね

ホエールキャプチャ、カレンチャン、スリープレスナイト、ホワイトフーガなど優秀な娘を続々と送り出してきたクロフネですが、さすがにアエロリットが晩年の傑作かと思ったらこんな純白の女王が出るとは



血統表を見てのとおり、ハヤヤッコ(レパードS)=ピオノノ(③北海道2歳優駿)とはクロフネとキングカメハメハの順番が入れ替わっただけの関係で、金子×金子×金子のリアルダビスタ配合

ポイントはブチコがNureyevとTopsiderのニアリークロス4×3になることで、NasrullahとRough Shodの組み合わせはBlenheim≒Dalmaryのニアリークロスになります





  ┌Nasrullah
 ┌○
┌○
Star de Naskra
│   ┌Hyperion
│  ┌○
└△┌Tudor Minstrel
 ││└△
 ││ └Lady Juror
 └Star Minstrel
  │┌Royal Charger
  └△┌Hyperion
   └△

しかもウェイブウインドの母父Star de NaskraはNasrullah≒Royal ChargerとHyperionとLady JurorですからSpecial的な血脈構成で、つまりNureyevとウェイブウインドがニアリーなのだという言い方もできますね

そして以下のように、このウェイブウインドの牝系は、Nureyevの血を引く種牡馬を配することで成功してきたとも言えるのです

●ウェイブウィンド牝系のJRA出走馬一覧(黄色はNureyevの血を引く種牡馬)




ソダシとメイケイエールも、シラユキヒメにクロフネとNureyevを入れたという意味では同じで、Nureyev≒ウェイブウインドのマイラー2頭が直線先頭に立ったJFでした

ちなみに、母系にTopsiderをもつJRA出走馬は勝ち馬率41%(329/813)で1頭当賞金1526万円、父系にNureyevをもつJRA出走馬は33%(3817/11709)1392万円、そして母系にTopsiderをもち父系にNureyevをもつJRA出走馬は47%(50/107)1566万円、いちおうNureyev≒Topsiderのニアリークロス単体でも効果があるというデータは出てます

ソダシは基本的にはパワー優勢の配合で、マイル戦でサッと好位につけて力強く反応よく加速して抜け出すマイラーの教科書みたいなレースをするし、操縦性や完成度の高さでもここでは抜けてました

ただし今日の勝ち方に、来春の桜花賞は決まり!と言いきってしまえるほどの華があったのか、果たして白いパンツは見えたのか

今のところは、デインヒル柄のパンツしか見たことないんですよね私は

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11/21~23の血統屋コンテンツ推奨馬の結果速報

2020-11-25 12:03:06 | 共有クラブ

社台が導入したシスキンは当ブログでも以前取り上げた名血名配合で、詳しくは下記も読んでください
https://blog.goo.ne.jp/nas-quillo/e/64e8e0f3eab5ff64e8f009ed8ae1a2fd
父First Defenceは今をときめく父系エンパイアメーカーとニアリーで、母Bird FlownはSir Ivor≒Drone≒Secrettame4・5×3・4
自身はIncantation≒Cequillo≒Sir Ivor5・7×4・5にSex Appeal≒Monroe5×3



エンパイアメーカーとGreen Desertとザール全妹のイメージだと日本の高速馬場ではもっさりしてそうなんですが、走ってるときや歩いてるときの身のこなしが実にしなやかで、しなやかすぎて北米の小回り芝にはいきなり対応できなかったというBCマイルの負け方でした
Unbridled's Songの父系ですから、ディープ肌との配合でSir Ivor的斬れを増幅しつつSex AppealやCourtly Deeのラトロパワーでそれを支える、という配合で大箱向きのマイラー~中距離馬をハイアベレージで出せると思うし、肌に回ってもいいでしょうねこれは



優駿が導入したタピザーはパイロと父系母系が同じ3/4同血ですからなじみがあり、父がTapitなのとDeputy Ministerをくぐるぶんこちらのほうが中距離の大物を出せそうな期待も
代表産駒Monomoy Girlは先日のBCディスタフも勝って通算[13-2-0-0]としたチャンピオン牝馬ですが、この母父がヘニーヒューズというのも当然決め手になったでしょう



優駿の現エースが肌に回ったときに何を配するかを見据えるならば、まさにポスト・ヘニーヒューズの期待がかかる種牡馬で、シンジケート申込は瞬殺と大人気のようです
社台はシスキンディープで、優駿はタピザーヘニーで、エースの肌で次世代エースを育てたい

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『ディープインパクト好配合リスト(2018)』で栗山求が推奨したグランアレグリア(牝4歳)が日曜阪神11RのマイルCS(G1・芝1600m)を勝ちました。

グランアレグリア(牝・母タピッツフライ)
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2016104532/
サンデーサラブレッドクラブで募集価格7000万円。母タピッツフライは北米で24戦7勝。ジャストアゲームS(米G1・芝8f)、ファーストレディS(米G1・芝8f)などを制した芝の一流馬で、2012年のファシグティプトンノベンバーセールでノーザンファームが185万ドルで落札した。来日後、2年連続不受胎のあと、3年目の種付けでようやく受胎したのが本馬。「ディープインパクト×Tapit」は、デビューした5頭中3頭が勝ち上がり、クイーンC(G3)3着のアルーシャ、現1000万下のエイプリルミストなどが出ており悪くない。母のNijinsky4×4も好ましく、瞬発力に特長のあるPerfect Pigeon牝系に属しているのもいい。芝向きの中距離タイプ。(栗山)

『一口馬主好配合馬ピックアップ(2019)』で栗山求が推奨したレゾンドゥスリール(牡2歳)が土曜阪神5Rの新馬戦(芝1600m)を勝ち上がりました。

★シルクホースクラブ
父ハーツクライ
母ローブティサージュ(ウォーエンブレム)
牡 募集価格:7000万円
https://db.netkeiba.com/horse/ped/2018105392/
母ローブティサージュは阪神ジュベナイルフィリーズ(G1)の勝ち馬。2代母プチノワールはアサクサデンエン(安田記念、京王杯SC)と同血(父が同じで母同士が全姉妹)で、Glorious SongとMachiavellianを通じた Halo クロスを持ち、Sadler's Wells(≒Nureyev)がサポートするという配合構成なので、3頭のG1ホースを産んだ名牝ハルーワスウィートと配合構成がよく似ています。本馬は父がハーツクライなのでシュヴァルグラン似の配合、ということになります。母方にMachiavellianを持つハーツクライ産駒はシュヴァルグランだけでなく、ロジクライ(富士S)、クイックファイア(現3勝クラス)、ボンデザール(現3勝クラス)などコンスタントに活躍馬が出ており、連対率27.1%、1走あたりの賞金額873万円と優秀です。芝向きの中距離タイプでしょう。(栗山)

『一口馬主好配合馬ピックアップ(2019)』で望田潤が推奨したカトルショセット(牝2歳)が日曜東京3Rの未勝利戦(芝1400m)を勝ち上がりました。

★ジーワンサラブレッドクラブ
父ハーツクライ
母フォーシンズ(Sinndar)
https://db.netkeiba.com/horse/ped/2018105226/
牝 募集価格:2400万円
母フォーシンズはブランドフォードS(英G2・芝10F)勝ち馬で、Mill Reef4×4、Never Bend5×4・5、そしてAbdos≒ダラマの3/4同血クロス5×4・5。フランス血統の斬れ味をよく伝える繁殖といえます。Mill Reefはいわゆるナスペリオン血脈なのでハーツクライと相性が良く、たとえばリスグラシューの母はMill Reef5×3です。またリスグラシュー、ヌーヴォレコルト、アドマイヤミヤビ、コレクターアイテム、シュンドルボン、ディアマイダーリン、ノーワン、マジックタイムと、重賞を勝ったハーツクライ牝駒は母系にNever Bend≒Bold Reasonの血を必ず持っています。これまでのフォーシンズの仔と比較しても最も配合が良く、実馬もしなやかに全身を使って歩けるのが好感。遅生まれですから馬が小さいのもそれほど気にしません。フランス血統の牝馬らしい斬れを発揮してくれるはずです。仮にオークスに間に合わなくても、芝中距離で長く活躍してくれるでしょう。(望田)

日曜東京9R赤松賞 アカイトリノムスメ(ディープ・栗山)
日曜阪神9R甲東特別 ライティア(一口・栗山)
日曜阪神11RマイルCS3着 アドマイヤマーズ(POG・望田)
月曜東京7R1勝クラス シングシングシング(一口・栗山)
月曜阪神10R猪名川特別 プライドランド(ディープ・栗山)



ハーツクライ×Chief's CrownはJRAに29頭出走19頭勝ち馬でヌーヴォレコルトなどが出ているニックスですが、ジャスタウェイ×Chief's Crownも当たればデカイという結果が出ていて、やっぱりハーツもジャスタもキモはトニービンでありナスペリオンなんですなあ…





ディープインパクト×Unbridled's Song×Storm Catのスーパー黄金配合のデータは先週更新しましたが、月曜に新馬勝ちしたタケルジャックはブラックタイド×Unbridled's Song×Storm Catで、このパターンはブラックタイド産駒では初ですね

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第37回マイルCS回顧~溜息しか出ない才能

2020-11-23 23:10:48 | 血統予想

阪神11R マイルCS
◎4.グランアレグリア
○2.レシステンシア
▲8.インディチャンプ
△14.サウンドキアラ
×7.アドマイヤマーズ
レシステンシアは2週つづけて坂路で絶好の動きだったが、今週は馬ナリでそれほど強い前進気勢は感じられなかった。春よりビルドアップしているのでガンガン行ってしまうかもしれないし、案外ジワッと逃げるかもしれない。グランアレグリアにとっては高速巡行のほうが能力を発揮できるし、今でも馬群に入るとちょっと微妙なところはあるので、あまりペースが上がらず馬群が一団で囲まれたときが問題か。ペースが緩んだほうが紛れる余地は大きいのではないかと思うが、流れればグランの高速巡行力、緩めばインディの現役最強ピッチが活きるとみたい。
馬券的な妙味なサウンドキアラだろう。スワンSは内枠で荒れたインを走らされてかわいそうだったが、ヴィクトリアマイルで1.31.3で走破してノームコアに先着なら馬券圏内の力はある。キアラを3着付けに、グラン頭とインディ頭の二本立てでいきたい。サリオスはG1クラスの馬だがマイラーではないと書いてきた。ここは大外枠でもあるので無印で。

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例によってNETKEIBAの全頭血統解説から

グランアレグリア
マリスターと同牝系で、母タピッツフライは芝8Fの北米G1を2勝。母父Tapitは北米リーディングサイアーでラニやラビットランの父。ディープインパクト×Tapitはアルーシャと同じで体質はしなやかだが、繋ぎは短く爪は小さく高速馬場も渋った馬場もOK。古くはデュランダル、最近ではストレイトガールなどと似て、1400最強だが1200でも1600でも高性能という馬だろう。マイルなら高速巡行戦になったほうが優位。(距離○スピード◎底力◎コース◎)



インディチャンプ
アウィルアウェイの3/4兄で、母母トキオリアリティーはリアルインパクトやネオリアリズムなどを産んだ名繁殖。ステイゴールド×キングカメハメハはステイフーリッシュと同じ。母方の影響も強いマイラー体型で、運動神経抜群で現役屈指の俊敏加速。今年の安田記念のような前傾戦よりも、昨年のマイルCSや安田記念のような後傾戦のほうが瞬発力が際立つ。この父と牝系なら今が全盛期か。(距離◎スピード◎底力◎コース○)



アドマイヤマーズ
フレッチアの半弟で、母ヴィアメディチはリウレイ賞(仏G3・芝1600m)勝ち馬。母父MediceanはエクリプスS(英G1・芝約10F)に勝った。クロスがHalo3×5・5で、母系にAlycidonやLe Fabuleuxが入り、母父が中距離型だからド真ん中のダイワメジャー黄金配合だ。メジャー産駒らしく時計や上がりがかかるとしぶとい長めマイラーで、スワンSも直線半ばからさすがの盛り返し。高速決着は辛いがタフな馬場レースなら。(距離◎スピード○底力◎コース◎)



今年のマイルCSはいったいどんなペースで流れるのか、そこが予想における一番のキモやったと思うんですが、1枠2番を引いたレシステンシアの北村友は「よけいなことはせず、馬の行く気に任せる」

馬の気分に任せると言うのならば、レシステンシアの気分を考えるしかないですから、フォトパの立ち姿や、坂路の動きや、パドックの気配などを私なりに観察して頭をひねってました

そして前日予想や当日ブログのコメントでも書いたように、春と比べると体つきや走りが力強くというよりは重厚になったというか、そのぶん前進気勢はあまり感じられなくなったというか、全体としてはそんな印象を持ったんですね

肉体的にも精神的にも成長し成熟したのだとは思いますが、その成熟のベクトルが主として、フィルベルトレレナ大賞典(亜G1・芝2200m)に勝った母マラコスタムブラダが持つデインヒルやSadler's Wellsの重厚さのほうに向いてきたのではないか、だとしたら圧勝した阪神JF(45.5-47.2)のような前傾ラップを刻むことはないんじゃないかと

パドックを一周見て、まずクレバーさんと言ったことは「これスローかもしれんな…」やったんですよね

ひと夏越して、中距離馬になったとまでは言いませんが、もう春のようにがむしゃらに逃げることはないのかもしれないし、もっとタフな馬場や時計のかかる決着で渋いタイプに成熟してきているのかもですね

直線ゴチャついたNHKマイル、アドマイヤマーズに捲りきられ戦意喪失した朝日杯、グランアレグリアが負けたレースは、多少なりとも揉まれたり擦られたりしたときです

となると、重厚になったレシスがジワッと逃げたら、馬群は固まって進むだろうから、内枠で外に出せないまま苦しむかもしれない…というのが唯一考えられる敗戦パターンでした

「相変わらずインベタ馬場やから、机の後ろをユタカと川田がとって、ルメールはその後ろにつけるやろ。それでペースが流れて縦長なら何も起こらんけど、スローだと祐一が外からブロックしにかかるかも」

ってな展開予想もやってたんですが、レースはやはり46.9-45.1の後傾ラップで流れ、この後半の瞬発力勝負は、現役屈指のピッチを誇るインディチャンプにとっては望むところ

「今日は100%の走りができました。勝ち馬と同じ位置でブロックしながら、追い出しを遅くさせたのですが、相手が一枚上でした(福永)」

「他のジョッキーも1番人気のこの馬をマークしてきて、良いタイミングで外へ行けず、我慢しなくてはいけませんでした。でも、いい瞬発力を見せてくれました。ラスト150mで広いスペースに出して、良い脚を使って、インディチャンプを交わしてくれました」(ルメール)

インディチャンプにとっては、安田記念(45.7-45.9)よりも自分の土俵のレースになり、しかも残り150mまでグランをブロックして外に出させず、満を持して追い出したときには祐一も勝ったと思ったでしょうが、それでこの完敗ですからね

評論や解説ならば強い馬は強いとほめちぎればいいんですが、競馬予想が競馬評論と違うのは、強い馬をほめて強い順に印や買い目を引いてもあんまり意味がない…というところですよね(^ ^;)

だから1人気から買うならば、他の人気馬のどれかは何らかの理由によって消さなければならないし、そういう「買う理由」「消す理由」のプレゼンこそが予想を売る人間の芸なわけですからね

サリオスはハーツクライなのに皐月賞で◎を打ちたくなるぐらいデインヒルが強く表現されているし、マイルでも追走できる馬だし、それでダービーでも2着にくるほどすごい馬です

でもマイラーではないし、何よりもこの外枠は今の馬場バイアスでは辛すぎる…という理由で消したのですが、サリオスがここで能力的に劣るということではもちろんありません

それにしても強い5着で、でもサリオスにとっては後傾ラップを59秒3で追走して33秒1で上がって92秒4で走破したという、1800~2000のレースをしたら5着まで追い込んだという内容で、もっと前半無理して追走したら最後脚が使えたかはまた別やと思うんですよね

スカーレットカラーやヴァンドギャルドやペルシアンナイトもマイラーではなく1800ベストだと評してますが、1800馬が1800馬の追走と1800馬の末脚でソコソコ差してこれる質のレースでもありました

裏を返せば高速巡行力に優れるグランアレグリアがベストパフォーマンスを発揮できるレースとはいえず、ベストではない条件下で執拗なマークを受け苦戦しても、最後は能力でねじ伏せてしまうというのは菊のコントレイルと同じ

本当にまあ、終わってみれば毎度毎度、この名牝の才能には溜息しか出ないです

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10/31,11/1の血統屋コンテンツ推奨馬の結果速報&京サラとグリーンから栗山がピック

2020-11-03 10:49:50 | 共有クラブ

まずはお詫びから、あまりにも多忙で…を言い訳にしてはいけないのですが、今週のNETKEIBAの重賞血統解説、ファンタジーSとみやこSを例年どおりの京都施行で書いてしまってます…うっかりしてました m(_ _)m
ついでにお詫びですが、配合診断(JBBAの申込期限が迫っているので…)とキーンランドのセリとキャロ会報特集が重なって今週もとてつもなく忙しくて、来週の重賞血統解説はエリザベス女王杯と武蔵野Sの二つに減らしてもらいました…デイリー杯と福島記念はお休みさせてもらいます m(_ _)m

「一口好配合ピック」昨日栗山が京都サラブレッドクラブとグリーンファーム愛馬会から1頭ずつピックしました。よろしくお願いします(今日はノルマンディーに取りかかっているようです)

そんなわけで今週はザッと報告のみで…アヴェラーレは募集時から小さいけど運動神経抜群やったし、ステラリアも外1800ならこれぐらいは斬れますという完勝で、いつも書いてますがMotivator肌は優秀やと思っています

JBCや2歳優駿も予想する時間はとれそうもなく、知り合いの持ち馬や生産馬が出てるので応援馬券ですかね~

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『一口馬主好配合馬ピックアップ(2019)』で望田潤が推奨したアヴェラーレ(牝2歳)が土曜東京5Rの新馬戦(芝1400m)を勝ち上がりました。

★シルクホースクラブ(追加募集)
父ドゥラメンテ
母アルビアーノ(Harlan's Holiday)
https://db.netkeiba.com/horse/ped/2018104910/
牝 募集価格:3000万円
母母Anticsはスーパー名繁殖Courtly Deeに一流種牡馬がかけられてきて代々の配合もよく、世界的な名血名繁殖だろうとアルビアーノが走っていたことに書きましたが、その後北米3歳女王Confefeも産んでいます。Harlan's Holidayは特別優秀な種牡馬とは思いませんが、Anticsの娘の重賞勝ち馬というだけでアルビアーノにも大きな期待がかかります。そこへドゥラメンテが配されて、Mr.Prospector4×5、Halo4×5、ノーザンテースト≒Storm Bird5×5など父母相似配合に。現状は小ぶりで薄手で緩さも残りますが、それでも坂路で時計が出ているように、走りや歩きから体質の良さや運動神経の良さは明らかです。おそらく本領発揮は古馬になってからで、春クラシックに間に合わなくてもいい、という人ならばオススメできる才気あふれるマイラーです。(望田)

『一口馬主好配合馬ピックアップ(2019)』で栗山求が推奨したアナンシエーション(牡2歳)が土曜東京6Rの新馬戦(ダ1600m)を勝ち上がりました。

★シルクホースクラブ
父Union Rags
母Acquant(Giant's Causeway)
牡 募集価格:4500万円
https://db.netkeiba.com/horse/ped/2018110064/
母Acquantは米16戦3勝で、その半弟Force the Pass(父 Speightstown)はベルモントダービー招待S(米G1・芝10f)の勝ち馬。まずまず活力のあるファミリーだ。父Union RagsはベルモントS(米G1・ダ12f)とシャンペンS(米G1・ダ8f)の勝ち馬で、種牡馬としても成功している。JRAでは過去3頭の産駒が走っており、すべて勝ち上がっている。芝適性がないわけではないがダートのほうがいいタイプ。アメリカではこれまでに出した4頭のG1馬のうち3頭は母方にStorm Catを持っている。本馬の母の父はStorm Cat系のGiant's Causeway。したがってこのパターンに当てはまる。「Union Rags×Giant's Causeway」は父の代表産駒の一頭Free Drop Billy(米G1ブリーダーズフューチュリティS)と同じ。3代父Dixieland BandはRobertoとニックスの関係にあるが、本馬は母がRoberto4×3なので好ましい。父の代表産駒の一頭 Union Strike(デルマーデビュータントS)は母方に Roberto を持つUnion Rags産駒だ。走りはパワフルだが血統的には芝をこなしてもおかしくない。いずれにしてもマイル前後で力を発揮するタイプだろう。(栗山)



『望田潤のPOG好配合馬リスト(2020)』で推奨したステラリア(牝2歳)が土曜京都3Rの未勝利戦(芝1800m)を勝ち上がりました。

ステラリア(牝・父キズナ・母ポリネイター)
https://db.netkeiba.com/horse/ped/2018105554/
英ダービー2着Jack Hobbsなどが出る牝系で、母ポリネイターはメイヒルS(英G2・芝8F)勝ち。キズナ産駒はCaerleonやフレンチデピュティを使ってStorm Catの血脈構成を増幅した配合が成功しているが、本馬はStorm Cat≒Bluebirdのニアリークロス3×3。Gone WestやWelsh Pageantが入るのも良く、今年のキズナはこれでいきたい。(望田)

土曜京都11RスワンS3着 アドマイヤマーズ(POG・望田)
日曜福島8R1勝クラス ビオグラフィー(一口・栗山)
日曜京都8R2勝クラス シルヴェリオ(POG・望田)
日曜東京11R天皇賞・秋2着 フィエールマン(ディープ・栗山)

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第162回天皇賞回顧~大横綱、フレンチの土俵でも難なく

2020-11-02 10:05:07 | 血統予想

東京11R 天皇賞
◎9.アーモンドアイ
○4.ダノンキングリー
▲7.クロノジェネシス
ここ2年の秋天の勝ち時計は1分56秒台。最初の1Fは必ず13秒ぐらいかかるから、そこからゴールまでの1800mを1分43秒台で、残り1600mを1分32秒台で走破しなければならないレースだ。ダノンプレミアムやアエロリットやサングレーザーといった1600~1800の実力馬が好走しているのもうなずける。ダノンキングリーはディープ×ストームキャットらしいしなやかストライドで、東京1800ではアエロリットとアドマイヤマーズをナデ斬って完勝。マイルを1分32秒台で走破する戦いでクロノジェネシスがスピード面の限界をさらけ出すとしたら、割って入るのは東京1800最強のこの馬だろう。

例によってNETKEIBAの全頭血統解説より

アーモンドアイ
母フサイチパンドラはエリザベス女王杯の勝ち馬で、3代母Sex AppealはEl Gran Senorやトライマイベストを産んだ名繁殖。本馬はトライマイベスト≒ロッタレースの3/4同血クロス5×2を持ち、父のしなやかさと母の強靭さを足して割ったような体質が絶妙すぎる。東京は実績どおりベストパフォーマンスを発揮できる舞台。今は1800が最適距離だろうが、昨年の圧勝を見てのとおり東京2000の高速決着は望むところ。(距離○スピード◎底力◎コース◎)



フィエールマン
母リュヌドールはリディアテシオ賞(伊G1・芝2000m)勝ち馬で、他にルヴォワールやラストヌードルを産んでいる。母父Green Tuneは仏2000ギニー馬。母母父Noir et Orはディクタスと似た仏スタミナ血統で、重厚なフランス牝系のディープ産駒だから大箱向きの斬れ味が本領だ。母系にPrincely Giftが入るので前駆のいい走りで、京都長丁場には確たる自信。ここは2000のスピード決着に対応できるか。(距離○スピード○底力◎コース○)



クロノジェネシス
母クロノロジストはビーチサンバと同血の間柄で、本馬の他にもノームコアやハピネスダンサーなどを産んだ名繁殖。母母インディスユニゾンはフサイチエアデールの全妹にあたる。昨秋から馬体充実とともに本格化を辿り、タフな馬場の宝塚を粘着力とパワーで大圧勝。Halo5×4で機動力も十分だが、良馬場でレース上がりが34秒台のときは[2-1-1-1]で、G1では[0-1-1-1]。東京で高速馬場だとまたまた惜敗かも。(距離◎スピード○底力◎コース○)



レースが近づくとTL上でみんな展開やペースをあれこれ予想するんですが、「良馬場の秋天って、各馬の通過順位がほとんど変わらないまま直線までくるんよ。ようするに途中でポジションを劇的に上げられるような余地はほとんどない」という話をしてました

今年もそんな様相になったわけですが、スタートで安目を売って接触して思ったより後方になってしまったクロノジェネシスも、8-9-9という通過順から上がり2位の32.9で追い込んだものの3着

ホエールキャプチャを逆さまにしたような“逆クロペリオン”というべき配合で、古馬になってNashwanの母系に流れるイギリス最高峰の重厚なスタミナが完全に発現してきて、タフな馬場の宝塚を持久力で圧勝した名牝です

いっぽうでBlushing Groomの父系ですから、ホエールやマヤノトップガンなどがそうだったように様々な条件への対応力に優れるオールラウンダーでもあり、上がりのケイバで惜敗したとはいえ秋天も大阪杯も内容は非常に強かった

もちろんアーモンドやフィエールマンを相手にするのならば東京良より阪神重のほうが分がいいことはたしかだし、「父スタミナ×母スピード」ですからできればアーモンドの前でアーモンドの差しを受けてHyperionを振り絞るレースに持ち込みたかったところですが、それにしても今回も実に強い3着でした

「残り1600mを1分32秒台で走破しなければならない高速秋天においては、マイラー的なスピードが少なからず要求される」という見解で予想したものの、今年は道中12秒台のラップがつづく異例のスローで後半1600mは1.33.4(前後半60.5-57.3)、これなら中距離馬が楽に追走できて斬れで差せます

秋天のパドックを見ながら「けっきょくどっちに決め打つかで、私は流れると読みましたが、キセキが出遅れて戸崎が超スローにしたらフィエールマンが届いてしまうかもしれない」という予防線も張っておきました(^ ^;)

Mahmoud計測ではフィエールマンの前後半は62.0-55.9だからすごいですが、フィエールマンにとっては春天の後半2000mのようなレースを、Wild Risk的なナタのストライドとPrincely Gift的な前輪駆動で、フランス牝系特有の斬れでしなやかに追い込んでみせたのです

各馬について解説するとき、限られたスペースにおいては特に、どうしても既成のワードに頼ってしまうことになり、ステイヤーとか中距離馬とかマイラーとかスプリンターとか力馬とかダート馬とか、スピードとか瞬発力とか持続力とか斬れ味とか、みんなに馴染んだ共通ワードを多用するしかないんですよね

フィエールマンがどんな馬なのかを血統表を用いて事細かに説明するならば、母父にマイラーのスピードが入るディープ産駒としてはオーソドックスな好形で、母母のところにサッカーボーイやステイゴールドとよく似た組成のフランス中長距離血脈が入るので、ディープをWild Risk的ナタのストライドにしPrincely Gift的に前駆が出るフォームにしたような体質走りは大箱向き

12Fのスタミナも十分で、日本の大レースだと京都外回り長丁場が最も斬れ味を発揮しやすい条件といえるが、Wild Risk系特有の激気性も秘かに受け継いでいるようで、ちょっと前は追い切りでかかり気味になるシーンがよくあったし、凱旋門賞ではあの極悪馬場でも行きたがってしまったように、ズブくて行けないのではなく燃え上がらないように後方でジワリと乗るのが合っている

…まあだいたいこんな馬やと思ってるんですが、でも毎回全馬についてこんなレポートを全部書いてられないので(^ ^;)、一言でいうとフィエールマンをステイヤーというのか中距離馬というのかスタミナ型というのか斬れ型というのか、一言でいうのは簡単なようで難しい

アーモンドアイはNureyevとトライマイベスト≒ロッタレースのクロスですから、これもHyperion的La Troienne的に強靭で、Storm Catの高速巡行能力を牝馬とは思えない強靭さが支えているという馬で、地面をしっかり強く踏みしめてズレずブレず走りつづけるからこんなすごいパフォーマンスを発揮するんですが、だから1回実戦で走るとかなり疲弊してしまう

昨年の秋天を見てのとおり、後半1000mの高速巡行能力こそが彼女の最もスーパーな能力であり、だから今日はベストパフォーマンスを叩き出せる質のレースではなかったんですが、超スローのフォア賞のようなフランス競馬的な上がりのケイバになって、フィエールマン得意の左四つがっぷりになって、土俵際まで寄られても右上手出し投げで難なく凌いでしまう大横綱

キセキはそういう意味ではフィエールマンと対極の脚質で、ずっと同じストライドで同じラップを惰性で刻みつづけられるのが最大の長所ですから、今日はスタートが決まってオオッと思ったんですが緩急を要求されるレースは向いていないです

ダノンキングリーもStorm Catなので根っこは高速巡行、しかも母母父がHonour and Gloryですから高速巡行かつダラッと流れ込む脚質で、これもレースの質が合わなかった部分はあるのでしょうが、それにしても大阪杯と比べてみても負けすぎで、戸崎は直線早々と諦めてたし心配な負け方ではあります

コメント (4)
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