栗山求/望田潤監修「パーフェクト種牡馬辞典2024-2025」

ベルーフとミスベルベールが持つBarbra≒Doronicのニアリークロス~今でも社台はPretty Pollyがお好き

2015-08-04 21:20:44 | 配合論

京成杯を大外一気で差し切ったベルーフのナタの斬れ味は、Barbra≒Doronicのニアリークロス5×4に因るところが大きいのではないかと考えられます
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2012104084/

Barbraはハービンジャーの母父Beringの母母で、Doronicはディクタスの母
以下の略図のように、両者はLe Fabuleux≒Worden(Wild RiskとSans Tares)とDomenico Ghirlandio=Donatelloが共通します

 ┌Wild Risk
┌Le Fabuleux
│└△
│ └△
│  └Sans Tares
Barbra
│  ┌Blenheim
└△┌Domenico Ghirlandio
 └△└Delleana

 ┌Wild Risk
┌Worden
│└Sans Tares
Doronic
│  ┌Blenheim
└△┌Donatello
 └△└Delleana

Sans Taresの父SindはPretty Pollyの全妹Mirandaの孫で、Donatelloの4代母はPretty Polly、つまりBarbra≒Doronicのニアリークロスは、両者が持つPretty Polly=Mirandaの全姉妹クロスを累進させてもいるのです

ちなみに吉田照哉氏が競走馬として共有していたミスベルベールは、父がBeringで母母父がディクタスなのでBarbra≒Doronic3×4、現役時代はアスタルテ賞(仏G2・芝1600m)などに勝ち、その後社台Fで繁殖入りしサトノアポロやダノンベルベールやベルジュールなど出走産駒8頭中6頭が勝ち馬となっているように、母としても優秀なところをみせています
http://db.netkeiba.com/horse/ped/000a006783/

そして驚くことに、2歳と1歳のミスベルベール産駒はともに父ステイゴールドで、これはディクタス3×4にDoronic≒Barbra4×4・5のクロス
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2013105668/

満を持して狙ってきた感がありありで、もっと早く気づいていればPOG書籍なんかで紹介したのになあ…と悔やまれるオモロイ配合です(・∀・)

ミスベルベールの産駒たちの斬れ方とベルーフの斬れ方は、なるほど言われてみると通じるところはあるのかも…と思いを巡らせながら、「母系にディクタスを引くハービンジャー産駒」をTARGETで検索してみると、これまで4頭が出走し、ベルーフとカゼルタが勝ち上がり、ベルーフと同血(母が全姉妹の間柄)のヒットリターンキーは先日福島でデビューし最も強い競馬をして3着(レース映像を見れば最も強いのがわかります)ですからこれも走る馬

残りの一頭、今のところ9戦して未勝利のウインティアラは母がノーザンテースト4×4、Northern Dancer5×5・5で、これはハービンジャー産駒としてはあまり成功しないパターンです

つまり「母系にディクタスの血を引き、かつ母がNorthern Dancerクロスを持たない」ハービンジャー産駒は、実質オール勝ち上がりと言ってもいいでしょう

先代からPretty Pollyが大好きな社台が、ミスベルベールの成功に意を強くしての、ダイナサッシュの血を引く繁殖との配合もにらんでのハービンジャー導入だったのかもしれない…などと妄想をふくらませつつ、ベルーフの血統表をまた眺めてみる

ちなみに2歳のハービンジャー産駒で母系にディクタスを引くものは、前記ヒットリターンキーのほか、ハギノカエラとハギノセレーノがいますね

コメント (5)
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