今日発売の「週刊将棋」、買いました。
一番長い日関連の記事、しっかり読んで堪能しました。
でも、それよりも心を打たれた(オーバーかな?)のは、片上五段の初観戦記です。
マイナビ女子オープン準決勝、
矢内女流名人vs.鈴木環那女流初段戦の『何もせずに勝つ名人芸』。
やはり今までの観戦記者のものとは、一味も二味も違います。
とっても新鮮で、読みやすかったです。
普通の観戦記者と違って、片上五段は、二人と近い位置にいる、ということが絶対的に違うのだと思う。
対局者と同じ目線。同志というか、仲間というか。
当然、力的には女流よりも上なわけで、時々そういう目線も入るけど、二人の性格も何もよく知っていることによる臨場感が、この観戦記をとっても魅力的にしています。
そして何よりも、「僕」という一人称が浮き出ているのがいい。
「僕」が味わったこと、「僕」が感じた瞬間。
「僕」はその時こう思った、と。
以下、新鮮だと感じた記述です。
それはあまりにも異様な光景だった。
矢内は迷っていた。
そうした一つ一つが思い出になるのだろうと、僕は緊張した頭で考えていた。
鈴木は動揺していた。
矢内は、リラックスしていた。ボーっとしていたと言ってもよい。
よく言えば百戦錬磨、悪く言えばそれが女流のレベル、ということになろうか。
6手「も」進んでようやく昼食休憩。
彼女の胸の内をまだ知らない僕は、次はもう少し早めに考えるんだよ、と心の中でエールを送った。
どれも僕には思ってもみない言葉だった。
矢内の鈍感力たるやたいしたものである。
本局から始まった「懸賞金スポンサー」のこともあいまって、スポンサーになった直江雨続さんの心情まで触れている。
二人の心理にかなり踏み込んだ表現と、それに対する「僕」の存在感。
「僕」に対する親近感や思い入れと、「僕」と対局者の関係性の中での対局の様子。
いやあ、面白かったです。
片上五段は、この観戦記を書くことが決まってから、ブログでこんな風に書いてます。
--------------------------------------
まず、1月31日のこの記事。
そのマイナビで、準決勝矢内ー鈴木戦にて観戦記を書かせていただくことになりました。プロ入り4年足らずにしては、これまでいろいろと書かせてもらってきましたが、実は観戦記は初めてです。ちょっと緊張もしますが、非常に楽しみです。
<中略>
などなど、書けるエピソード(持ち駒?)は本当にいっぱいあるので、あとは肝心の対局が熱戦になってほしいと願うばかりです。観戦記はまず第一に対局の内容に依存するべきである、というのが僕の考えなので。名人は強いですが、環那ちゃんの健闘に期待。
------------------------------------------
2月7日のこの記事。
今日はマイナビの観戦記です。観戦記者デビューは楽しみでもあり、不安でもありますが、読者に楽しんでもらえるよう頑張ります。あと、あまり対局者の邪魔にならないよう、気をつけたいと思います。
-----------------------------------------
そして2月25日のこの記事。
昨日はほぼ終日かけて観戦記を仕上げました。思った以上に時間がかかったのは、慣れていない分量で苦労したのと、そして他人のことを書く難しさからでしょう。大変でしたが、良い経験にもなりました。機会があったら、またやりたいです。
分量を調整しながら、正直いくらでも書けるなあと思ってしまいました。もしかしたらライターの方って、いつも何を削るかで頭を悩ませてるのかもしれませんね。
-------------------------------------
もともと文才があるのでしょうし、何よりも楽しんで書いている様子が伺えます。
今後もまた折を見て、こっちの方面でも活躍して欲しいとマジに思ってしまいました。
たくさん紹介したくなって、ちょっとネタバラしすぎかもしれませんが、
ぜひ週刊将棋、お買い求めいただき、味わってみてください。
(お前は毎コミのまわしものか?)
一番長い日関連の記事、しっかり読んで堪能しました。
でも、それよりも心を打たれた(オーバーかな?)のは、片上五段の初観戦記です。
マイナビ女子オープン準決勝、
矢内女流名人vs.鈴木環那女流初段戦の『何もせずに勝つ名人芸』。
やはり今までの観戦記者のものとは、一味も二味も違います。
とっても新鮮で、読みやすかったです。
普通の観戦記者と違って、片上五段は、二人と近い位置にいる、ということが絶対的に違うのだと思う。
対局者と同じ目線。同志というか、仲間というか。
当然、力的には女流よりも上なわけで、時々そういう目線も入るけど、二人の性格も何もよく知っていることによる臨場感が、この観戦記をとっても魅力的にしています。
そして何よりも、「僕」という一人称が浮き出ているのがいい。
「僕」が味わったこと、「僕」が感じた瞬間。
「僕」はその時こう思った、と。
以下、新鮮だと感じた記述です。
それはあまりにも異様な光景だった。
矢内は迷っていた。
そうした一つ一つが思い出になるのだろうと、僕は緊張した頭で考えていた。
鈴木は動揺していた。
矢内は、リラックスしていた。ボーっとしていたと言ってもよい。
よく言えば百戦錬磨、悪く言えばそれが女流のレベル、ということになろうか。
6手「も」進んでようやく昼食休憩。
彼女の胸の内をまだ知らない僕は、次はもう少し早めに考えるんだよ、と心の中でエールを送った。
どれも僕には思ってもみない言葉だった。
矢内の鈍感力たるやたいしたものである。
本局から始まった「懸賞金スポンサー」のこともあいまって、スポンサーになった直江雨続さんの心情まで触れている。
二人の心理にかなり踏み込んだ表現と、それに対する「僕」の存在感。
「僕」に対する親近感や思い入れと、「僕」と対局者の関係性の中での対局の様子。
いやあ、面白かったです。
片上五段は、この観戦記を書くことが決まってから、ブログでこんな風に書いてます。
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まず、1月31日のこの記事。
そのマイナビで、準決勝矢内ー鈴木戦にて観戦記を書かせていただくことになりました。プロ入り4年足らずにしては、これまでいろいろと書かせてもらってきましたが、実は観戦記は初めてです。ちょっと緊張もしますが、非常に楽しみです。
<中略>
などなど、書けるエピソード(持ち駒?)は本当にいっぱいあるので、あとは肝心の対局が熱戦になってほしいと願うばかりです。観戦記はまず第一に対局の内容に依存するべきである、というのが僕の考えなので。名人は強いですが、環那ちゃんの健闘に期待。
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2月7日のこの記事。
今日はマイナビの観戦記です。観戦記者デビューは楽しみでもあり、不安でもありますが、読者に楽しんでもらえるよう頑張ります。あと、あまり対局者の邪魔にならないよう、気をつけたいと思います。
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そして2月25日のこの記事。
昨日はほぼ終日かけて観戦記を仕上げました。思った以上に時間がかかったのは、慣れていない分量で苦労したのと、そして他人のことを書く難しさからでしょう。大変でしたが、良い経験にもなりました。機会があったら、またやりたいです。
分量を調整しながら、正直いくらでも書けるなあと思ってしまいました。もしかしたらライターの方って、いつも何を削るかで頭を悩ませてるのかもしれませんね。
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もともと文才があるのでしょうし、何よりも楽しんで書いている様子が伺えます。
今後もまた折を見て、こっちの方面でも活躍して欲しいとマジに思ってしまいました。
たくさん紹介したくなって、ちょっとネタバラしすぎかもしれませんが、
ぜひ週刊将棋、お買い求めいただき、味わってみてください。
(お前は毎コミのまわしものか?)
>関東は良いなぁ…とこういうとき思ってしまいます。
関東以外に住んだことないので、失礼しました。そうなんでしょうね。ごめんなさい。
>ネタがばれたので、ちょっと楽しみ半減ですが、明日の朝に小生宅にも放り込まれるので楽しみにしたいと思っています。
楽しみ半減ですか。それは失礼しました。
でも、そう思われる可能性も感じていたのだけど、どうにもこうにも内容が新鮮でよかったので、ついつい具体的に書きたくなってしまいました。
☆daichanさん、こんばんは。
>ご紹介&感想ありがとうございます。
ちょっとほめすぎの感もありますが(笑)、嬉しいです。
あら、ご本人自らありがとうございます。
別に持ち上げようとしてスリスリしてなんかないですよ。
素直な感想です。
>おっしゃるとおり、観戦記は実に楽しい仕事でした。苦労もありますが、機会があればまたやりたいですね。
今度ぜひ、名人戦とか、竜王戦とか、トップ棋士同士の対局の観戦記、機会があればチャレンジしてほしいです。そして、先ちゃんに負けず劣らずの独自片上文体を確立していってほしいです。もちろんそっちばかり期待してるわけでなく、本来の部分の活躍ありきですけど。
ちょっとほめすぎの感もありますが(笑)、嬉しいです。
おっしゃるとおり、観戦記は実に楽しい仕事でした。苦労もありますが、機会があればまたやりたいですね。
ネタがばれたので、ちょっと楽しみ半減ですが、明日の朝に小生宅にも放り込まれるので楽しみにしたいと思っています。
山口じゃ、宅配が火曜日、駅スタンド売りは水曜日ですからね…。
2日遅いんですよ…こういう出版物の販売って。
良いなぁ…関東。