以前もこれとか、これとか、関連記事を書いた小山薫堂さん。
あの「おくりびと」の脚本家です。
朝日新聞求人ウェブの連載コラム、仕事力の中の「拍手を送る」価値の大切さ。
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社会はお金の考え方を変えていこう
企業努力で安い商品を提供する会社が業績を伸ばしています。衣料でも食品でもそうですが、安いものを選んで買うのは別に悪いことではありません。ただ僕は、意味もなく価格だけを比べて購入するだけでいいのか、と思う。同じ野菜でも、それを作っている生産者のことを知って、その姿勢に共感して買うというような気持ちが必要ではないかと思います。
欧米にはチップの習慣があり、いいサービスを受けたり、何か素晴らしいと感じたらチップを弾みます。これは目に見えないものにも価値を見いだし、拍手するということですね。お金は、欲しいものを手に入れるための装置ではなく、拍手を送り応援する装置だという意識を持つべきで、これは小学生から授業に取り入れたほうがいいのではないでしょうか。
経済の仕組みを勉強するというのではなく、お金は誰かに感謝や喜びを伝えることができるという、その本質を子供に教えたいし、そういう文化を根付かせることで、数字だけの殺伐とした経済ではない優しさや豊かさが育ってくるのではないでしょうか。
これはマスコミなどの報道にも言えることですが、百年に一度の不況だと繰り返し伝えて国民の気分を落ち込ませ、安い商品に群がる消費者の姿ばかりをニュースにしています。売り上げが前年比マイナス30%といったネガティブな情報を流し続ける意図はどこにあるのでしょうか。このような状況下でも称賛に値する企業は数多くあるし、人に役立つ技術を開発する企業もあります。たとえ月に一度でもいい、社会の気風を元気にするニュースを伝え、拍手を送る装置になって欲しい。互いに相手をほめたり、声援を送ったりする社会は幸せではないでしょうか。
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小山さんの言うように、安い商品を提供する会社が業績を伸ばしている。
マック、王将、ガスト。
ユニクロとか、イトーヨーカドーとか、いろいろな業種で低価格新業態の開発、出店を進めている。
他の業種でも、価格にシビアに、デリケートにならざるを得ない状況が進行している。
消費者が求めている。
安くないと売れない。
安い事が正義。
全然別の現実の仕事の話。
BtoBの話ではあるけど、
長年ずっとやっていた、メディアの仕事、印刷の仕事、ウェブの仕事、制作の仕事、その他いろいろ。
すべて、他に安くできるところがあるので、すみませんが、ということで、仕事がなくなった。
そういう話がとても多い。
いろいろ聞くけど、他の業種でも最近富によくある話。
じゃあ、こちらも下げますなんてやるのだけど、限界がある。
利益ゼロで見積もり出しても、まるで追いつかない。
ばかばかしい追いかけっこ。
質の面はほとんど論点にならない。
皆、仕事とるために必死。生き残るためにめちゃくちゃな値段を出す。
価格、価格。
うちはえらい安いでっせ。他社には絶対負けまへんで。
とりあえず取っちゃえば勝ち、あとで何とかすれば、というのも、一時は通用したものの、もはや通用しない。
発注側もどんどん利口になるし、必死だから、いいようにはされない。
最初だけであとはずるずるにはならず、いつまでたってもシビアにコストコントロールするし、もっと安いところが出てくれば、すぐに取って代わられる。
あるいは、安かろう、悪かろうの典型的な話になり、いろんな齟齬が出てくる。
結局値段に釣られてやってみたことが、高くつく。
出るはずの利益が出なくなり、さらに経営を圧迫する。
安いということ、安くないと売れないということにすっかり目を奪われ、大局的に見られなくなり、哀れな結末を迎える。
だから言っただろ?!ってことになる。
100年に一度らしい不況に冒され、日本全体、いや、世界中が、そんな熱病に魘されている。
「お金は誰かに感謝や喜びを伝えることができるという、
その本質を子供に教えたい。」
上記のビジネスの中での発注購買、
そして、毎日の自分の購買行動。
買う時に、きちんと拍手をしているだろうか。
誰かに感謝や喜びをきちんと伝えているだろうか。
あの「おくりびと」の脚本家です。
朝日新聞求人ウェブの連載コラム、仕事力の中の「拍手を送る」価値の大切さ。
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社会はお金の考え方を変えていこう
企業努力で安い商品を提供する会社が業績を伸ばしています。衣料でも食品でもそうですが、安いものを選んで買うのは別に悪いことではありません。ただ僕は、意味もなく価格だけを比べて購入するだけでいいのか、と思う。同じ野菜でも、それを作っている生産者のことを知って、その姿勢に共感して買うというような気持ちが必要ではないかと思います。
欧米にはチップの習慣があり、いいサービスを受けたり、何か素晴らしいと感じたらチップを弾みます。これは目に見えないものにも価値を見いだし、拍手するということですね。お金は、欲しいものを手に入れるための装置ではなく、拍手を送り応援する装置だという意識を持つべきで、これは小学生から授業に取り入れたほうがいいのではないでしょうか。
経済の仕組みを勉強するというのではなく、お金は誰かに感謝や喜びを伝えることができるという、その本質を子供に教えたいし、そういう文化を根付かせることで、数字だけの殺伐とした経済ではない優しさや豊かさが育ってくるのではないでしょうか。
これはマスコミなどの報道にも言えることですが、百年に一度の不況だと繰り返し伝えて国民の気分を落ち込ませ、安い商品に群がる消費者の姿ばかりをニュースにしています。売り上げが前年比マイナス30%といったネガティブな情報を流し続ける意図はどこにあるのでしょうか。このような状況下でも称賛に値する企業は数多くあるし、人に役立つ技術を開発する企業もあります。たとえ月に一度でもいい、社会の気風を元気にするニュースを伝え、拍手を送る装置になって欲しい。互いに相手をほめたり、声援を送ったりする社会は幸せではないでしょうか。
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小山さんの言うように、安い商品を提供する会社が業績を伸ばしている。
マック、王将、ガスト。
ユニクロとか、イトーヨーカドーとか、いろいろな業種で低価格新業態の開発、出店を進めている。
他の業種でも、価格にシビアに、デリケートにならざるを得ない状況が進行している。
消費者が求めている。
安くないと売れない。
安い事が正義。
全然別の現実の仕事の話。
BtoBの話ではあるけど、
長年ずっとやっていた、メディアの仕事、印刷の仕事、ウェブの仕事、制作の仕事、その他いろいろ。
すべて、他に安くできるところがあるので、すみませんが、ということで、仕事がなくなった。
そういう話がとても多い。
いろいろ聞くけど、他の業種でも最近富によくある話。
じゃあ、こちらも下げますなんてやるのだけど、限界がある。
利益ゼロで見積もり出しても、まるで追いつかない。
ばかばかしい追いかけっこ。
質の面はほとんど論点にならない。
皆、仕事とるために必死。生き残るためにめちゃくちゃな値段を出す。
価格、価格。
うちはえらい安いでっせ。他社には絶対負けまへんで。
とりあえず取っちゃえば勝ち、あとで何とかすれば、というのも、一時は通用したものの、もはや通用しない。
発注側もどんどん利口になるし、必死だから、いいようにはされない。
最初だけであとはずるずるにはならず、いつまでたってもシビアにコストコントロールするし、もっと安いところが出てくれば、すぐに取って代わられる。
あるいは、安かろう、悪かろうの典型的な話になり、いろんな齟齬が出てくる。
結局値段に釣られてやってみたことが、高くつく。
出るはずの利益が出なくなり、さらに経営を圧迫する。
安いということ、安くないと売れないということにすっかり目を奪われ、大局的に見られなくなり、哀れな結末を迎える。
だから言っただろ?!ってことになる。
100年に一度らしい不況に冒され、日本全体、いや、世界中が、そんな熱病に魘されている。
「お金は誰かに感謝や喜びを伝えることができるという、
その本質を子供に教えたい。」
上記のビジネスの中での発注購買、
そして、毎日の自分の購買行動。
買う時に、きちんと拍手をしているだろうか。
誰かに感謝や喜びをきちんと伝えているだろうか。
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