波風立男氏の生活と意見

老人暮らしのトキドキ絵日記

絵を描く 詩人

2020年06月10日 | 読書

うっと前に美術雑誌で見た絵。マッチ棒みたいな薪が、小さな花畑を囲むように丸く置かれ、それを見つめる赤い馬たち、透明な炎が宙に浮かんでいるように思えた忘れられない絵。よく見ると、手を繋いで踊っている人たち。山口薫(1907~1968年)『おぼろ月に輪舞する子供たち』。

随分と時間経ったが、絵と画帳の余白に残された詩が載る『独りの時間』(山口薫/絵と詩:九龍堂)手に入れる。実物を見てないから何とも言えないが、どこか遠くに連れて行かれそう。淡くて弱そうな線と色なのに、普段は意識しないがきっとどこかある確かなものを感じさせる。安心できない世界をどうしてこんなふうに確信を持って描けるのだろう。この素朴で静かな祭りの絵が作者最後の作品。

私はどこかに自分の本心をかくしておきたいし
またそれは果たそうと思っても果たされない

詩らしきものが先に生まれ
絵があとに続くときもある

「さびしさ」
みんなやっているのだ
最後の日まで

 

「絵は詩なんだよ」と教えてくれた人がいた。「詩を感じない絵に意味は無い」とも。61枚の絵と400編の詩の画文集を開きながら、絵そのものの詩、詩そのものの絵、そんな言葉が浮かんだ。


一昨日、テレビで映画『時をかける少女』初めて見る。女優の愛らしさを「これでどうだ!」と大林監督が迫りに迫った作品。その点、チャン・イーモウ監督『初恋の来た道』のチャン・ツィイーも同じ 公式裏ブログを「ごんぎつね先生の礼状」で更新

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言葉のケイコ【その参拾柒】

2020年06月09日 | 【保管】言葉のケイコ


私見 9月入学(下)

(6/2記事から続く)
教育現場で最も不安なことは、先が見通せないことだと思う。年間の計画は前年度のうちから決まっている。学校全体の行事等の調整をしながら、一番大事な授業の計画を練り直す。昨年度の積み残しもあり、それは決して楽な作業ではない。そんな中で先生方は、フル回転で今子どもたちには何が必要かを考え続け、オンライン授業や授業DVDの配布など、様々な方法を実践している。子どもたちや保護者の不安を汲み取り、それを解決することはそもそも教員の大事な仕事の1つだ。先の見えない中でも、自分たちが不安を見せてはならない。そう思って教育の世界では皆が奮闘していることだろう。

甲子園やインターハイをはじめとして、文化系の大会や中体連や少年団、学校の行事など、多くのものが子どもたちから奪われてしまった。この先どれだけ時が過ぎても、今を振り返ったときに笑い話にできる日など来ないかもしれない。自分たちだけが損をしてしまったと、思い続けてしまうかもしれない。こんなに悲しいことがあるだろうか。けれども子どもたちは、「仕方ない」と涙を堪える。唇を噛み締める。一緒に痛みを背負ってくれた子どもたちからせめてこれ以上奪われるものがないように、私は子どもたちの「今」を考えられる社会であってほしい。私たちと一緒に社会を作る子どもたちも自分たちの意見が言えるまでに落ち着いてからでも、9月入学の話は遅くないだろうと私は思う。(終わり)


【波風氏談】ケイコさん初の社会問題記事。こういうのを庶民が安心して次々に発信できる世の中でなければ 厚労働省から、やたら指示の多い説明書付きマスク来る。庶民の地口言葉遊び「アベノマスク」が、政権の本質を露わに。

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白い花を描く

2020年06月08日 | 図工・調理

満開の朝鮮ツツジ。今日がその頂点かな。茶色の紙に鉛筆と白のパステル。ママヨさんがサツマイモを描いていたので重い腰上がる。今日はとても寒い日、13℃。

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時々 腹ペコ日記

2020年06月06日 | 【保管】腹ペコ日記

「えらいこと」の意味

登園開始数日前のこと。まめたろうが「しごとをするのはえらいこと」と言った。驚いた腹ペコは、罪悪感もあり、家族と過ごしたり遊んだりすることも同じくらい大事だなどと慌てて話した。
                    ・・・
この間のまめたろうは、我慢することが本当に多かった。家にお母さんがいるのに相手にしてもらえないという、子どもにとっては過酷な状況。その状況を小さいなりに汲み取って、仕事部屋には入らないようにと気を使ったり、仕事終わりには「おしごとがんばったね」と声をかけたりしてくれた。
                    ・・・
そんな中での冒頭の言葉だったのだが、しばらくしてから、彼のいう「えらいこと」はどういう意味だったのかと気になった。改めてたずねてみると、少し考えてから、「しごとしてもいいよってこと。がんばってねってことだよ」と教えてくれた。子どもは大人が思うよりずっとよくわかってくれるし、よくわかってくれてしまう。前よりもずっとおしゃべりになった彼の言葉を、丁寧に聞き取りたいなと思う出来事だった。


読書感想に続き、腹ペコさんにブログ記事を送って貰った。まめたろう君の「えらいこと」感覚に驚いた。誰とは言わないが、自分にだけがんばってる「エライ人」に聞かせたい 懐かしい人からのお便りは嬉しい。一寸凡師さん、コメさんもお待ちしてます。

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茹でた『笹の子』を描く

2020年06月03日 | 図工・調理


玄関に笹の子の入った袋。『ごんぎつね先生』からの贈り物、ありがたくいただく。
『笹の子』を当地では筍(たけのこ)と言うが、味も風味も食感も違う。筍飯は年に一度は食べなければならないメニューだが、煮物の笹の子も絶品でおでん種にする。

 

いただくたびに描いておきたい、と思っていたがいつも後の祭り。日持ちしないのに、何だかそうでないような気にさせるのだ。今回も既に皮剥かれ茹でた後。というわけで、笹の子茹で上がりの図。

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