波風立男氏の生活と意見

老人暮らしのトキドキ絵日記

小説「トガニ」を読んで(上)

2012年08月19日 | 読書

Photo_2どい霧の街、聴覚障害児学校、赴任した主人公が子どPhoto_13 もたちへ。この小説を象徴する詩を黒板に。

        暗闇のなか、三本のマッチを擦る
        最初のマッチはおまえの顔を見るために
        二本目はおまえの目を見るために
          最後のマッチはおまえの口を見るために
          そして迫りくる大きな暗闇を前に
          おまえを両腕に抱き、そのすべてを記憶するために

          (ジャック・プロヴェール「夜のパリ」から)

象的な文脈が3つあった。
     「ここの先生は片目でわたしたちを、片目でほかのものを見ている…(しかし)あの詩…心の中にパッと明るい光が…先生の両方の目がわたしたちのクラス見ているように感じた」【子ども】。 「世の中を変えたいなんて気持ちは…もう捨てた。ただ、自分が変えられないようにするために戦っている」【人権運動センターの友人】。裁判が終わり、事件が起きる前と起きた後で一番変わったのは何かという質問に、「ぼくたちもみんなと同じように大事な存在なんだと気づいた」【子ども】 …次回へ続く…

読むぞ、読むぞと予告し(笑)昨日の朝2時まで、一気呵成に。推理小説的な展開、人間描写の巧さ、先生と子どもたちの胸打つ心理描写が、非人間的状況の中であっても一筋の光明を予感。今回の記事を、通販アマゾンのカスタマプレビューに掲載 昨夜、13年前の卒業記念タイムカプセルを開ける集まり。28歳を中心に、小中併置校の当時の後輩や先生たち30人近い思い出深い方々が遠くから。嬉しく楽しかったイラスト「赤いバラ」は、28年前の卒業生の親から。本文と関係は全然ありません。

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