デジタルの気持ち
新聞を捨てるのが面倒になり、1紙を残して購読をやめた。勤務先で読むことにしたが、やはりいつでも読める環境を整えたくてデジタル版に手を出してみた。紙面と同じレイアウトで読むこともできるし横書きでも読める。縛って捨てる煩わしさもない。スクラップ機能だってある。自分向きだと思う。しかし、少しだけ違和感があるのだ。 相方さんと子どもが遠方に引っ越してから、ほぼ毎日テレビ電話をつなげている。朝晩の二度だ。子どもの様子を見られるのは嬉しいが、ここにも違和感がある。その違和感は空間的な認識が原因かもしれない、と思う。見える顔も聞こえる声も、情報としては実物と変わらない。しかし同じ場所にいて感じる存在感や体温は、画面越しには伝わらないのだと強く感じる。 デジタル版の新聞への違和感もそれに近いのだろうと思う。内容は同じでも、実物の感触や読んでいる箇所への目線の向け方が違えば、認識の仕方も変わるのだろう。この違いは解消される日が来るのだろうか。明日の朝はパソコンを抱っこしながらテレビ電話をしてみようか。