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かたり、たかり:砥

(前回の続き)
人間同士のつながりは、”信頼”と”情”で成り立っている
職場での人間関係は、利害も絡み。
社会的な信用や信頼にも関わってくる。
だからこそ、“お金”の発生しない業務を引き継ぐのは、
誰もが嫌がったのかも知れない。


これが契機となり、
社内の規定通りに超過手当(残業代)が出ることとなった。
今までと違って、“お金(残業代)”が発生するとなれば、
他の同僚たちが、業務や案件を引き継いでいくことも
徹底されていくようになった。
多くの問題点の“遠因”だったことが改善され、
少しずつ雰囲気も良くなっていったけど。
それを、すべて自分の成果のように、現場長は語るようになり。
(NA)は、ほとんどの同僚から感謝されることもなかった。
今、考えれば…、
「現場の責任者と口論になったような人物とは関わりたくない」
…と言ったところ。
面白くもない話だったが、これが落としどころだと思うことにした。

しかし、彼にとっては、そうではなかった。
この件は、よっぽど面白くないことだったのだろう、
本社には、(NA)は「反抗的」「仕事への意欲が疑わしい」という評価が、
伝えられることになる。
数年後、この事業所を離れてから、
別の件で、本社の人員と関わり、それを知ることになるのだけど。
本当に虚栄心の強い人物だったことを知ることになった。
今まで、誰も指摘してこなかった職場の問題点を、
年下の部下(※)から指摘され、しかも言い負かされたのは、
責任者として業務などしていないことを証明したものだったけど。
そこは指摘しなかった。
※…と言っても、もう若くもなかったのだけど。
自分が知らないこと、
専門外のことに関わりたくないのは、誰だって一緒。
面倒臭いというだけでなく。
会社での業務ともなれば、責任が伴うことから、
自分の評価を下げることにもなりかねない。
そう考えれば、現場の責任者への配慮も必要だと思ってのことだった。
しかし、正しい判断ではなかったのかも知れない。
先程、“言い負かした”とは記したが、
そもそも、同じ職場の上司と部下であれば、
“勝ち負け”など意味はなく、非生産的な話。
それに“勝ち負け”で言えば、むしろ“負け”だった。
職場内の立場を用いて、他人の権利を放棄させるような人物に対し、
その“権威”への配慮をするなど、愚行であり。
もっともらしい肩書きや権威に負けている。
つまり「現場長という肩書きにビビッていた」ということ。




他人の忠告には、耳を貸さず、
自分勝手にやりながら、
不都合なことがあれば、「俺は間違っていない!」
その挙句には…。
「お前が悪い!」「アイツが悪い!」となって…。
「本社は分かっていないんだ!」などと言いながら、
顧客や部下との信頼や実績を残していくことより、
場当たり的な対応を繰り返していけば、不祥事も増えていく。
当然のツケとも言えるけど。
何人もの部下が、彼から離れていった。
事業所での業務を維持できなくなり。
本社に呼び出されていたようだった。
単に虚栄心が強いだけで、
プライド(責任感)など持ち合わせてもいなかったのだろう。
仕事を放り出すようにして、辞めていった。
(NAは…)すでに事業所を移動していたこともあり、
その後は知らない。続く⇒
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