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はんぐおーば

二日酔いを意味する英語の「はんぐおーば(a hangover)」
まあ“酔っ払い”の言うこと。by.NA-094

かたり、たかり:弐

2020年07月15日 11時11分11秒 | 寒空小人
(前回の続き)
物事には、直接的な原因とは、別に“遠因”とも呼ぶものがあり。
それが解決されないため、
同じようなことが繰り返されるものも少なくない。
直接的な原因よりも、遠因の方が悪質で、
解決や対応も困難なものがある。
このような問題点を明確にしていくのは、かなりの労力が必要となり。
しかも、それだけでは終わらない。


この事業所での仕事は、交代制のシフトが組まれ、
それぞれのシフト毎に休憩時間や持ち場が固定されていた。
別の人員が交代してくれなければ離れることもできない持ち場もあり。
10人以上で、交代制が組まれた職場であっても、
1人でも所定時間がズレたら、
そのまま休憩時間に入れないものがでる状況だった。
しかも、休憩時間にまたがるような事案は、かなり多く。
余計な手間が増えるのを嫌がってなのか?
他の同僚たちは、同僚の業務や案件を引き継いでくれることもなかった。
5分や10分程度のシフトオーバとは言え、
毎日ともなれば、面白くもない話だった。
もちろん休憩時間にまたがるような業務があった場合には、
その時間に応じた超過勤務(残業)扱いとなることが、
就業規則か雇用条件にもあった。
部署移動して、3カ月ほど経ち、
一通りの事案や書式にも慣れてきただけに確認することにした。
手の空いたところで、直属の上司に相談したところ。
妙な反応があった。
「ちょっと分からないから、現場長に聞いてくれないかな」
そこで事業所の責任者である現場長(課長)に、
少し時間を割いてもらえるようにお願いした。
現場長の男性は、当時、50代前半だった。
年令より、若々しく、知性的にも思える印象があったもの。
決められたルーチンワーク以外にできることもなく。
結局は、本社や親会社の言いなりでしかないような人物でもあった。
毎日のように、大声で…、
「こんな仕事は、契約外じゃないかぁ!」
「本当なら、契約を受けたところが片付けるべき仕事だろう!」などと…。
本社への不満を叫び、強気な態度を見せてもいたので、
本人は、現場の救世主を気取っていたのかも知れない。
頭の中を整理して、言葉を選びながら状況を説明していくことにした。
たびたび休憩時間にまたがる事案が起こり、
それで休憩時間を割かれることを伝え、
その分を、超過勤務(残業)として請求することは、
出来ないでしょうかと相談したところ。
表情が変わっていった。
「お前、何を言っているんだよ」
「人の善意はお金には代えられないと言うだろ」と、
かなり感情的な言動で怒鳴りつけられた。

「同僚が困っているのだから、助けるのが、当たり前だろ。」
この回答と態度には納得できなかったが、
それ以上の相談は控えることにした。
職場の社則や規定には…、
「上司にへつらえ」とは記されていなくても、
通常、上司(要職者や役職者)には、
職場において、立場は認められている。
事業所の責任者である上司への配慮も必要だと考えたからだ。
「困ったときは、お互い様だろう」
「お前だって助けてもらっているだろう!」
それで会話は、打ち切られることになった。



「人の善意はお金には代えられない」
これは、彼の口癖というより、
お気に入りの言い回しのようなものだった。
「他人が善意で行うのであれば、対価は不要(いらない)」
それならば…。
「お前が善意で(勝手に)やったことだろう!」とすれば、
余計な手間もいらない。

・・・と考えての言い訳だったのだろうか?
しかし、シフト制の仕事において発生する、
交代時の“つなぎ時間”での業務を考えることもなく。
“他人の善意”を期待して、仕事を進めていくなど。
前提条件として無理があり。
さらに、休憩時間に割り込まれた人員へのフォローも行わなければ、
職場内の士気(モチベーション)は下がるだけとなる。
お金と仕事の問題から逃げ回るための、
小さな言い訳が、すでに大きなものにもなっていた。
このような“善意”を期待する言葉は、“善意の強要“となっていた。
これと張り合う訳でもなかったけど。
当時、(NA)は「社会的な信用は、カネでは買えんのじゃ!」と、
ふざけた言い回しを用いて、同僚たちの助けを(ちょっと強引に)借りて、
事業所の業務を覚えていった。

その後、お互いに違う意味で、
自分たちの言葉を証明していくことになり。
かなり皮肉な結末になっていく。
(2022年3月加筆訂正:続く⇒)