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キリンビール横浜工場見学(2011年編・後編)

(「前回」からの続き)
”仕込み”を終え、冷やされた麦汁は、
酵母を加え、低温で発酵されることになる。
ビールの酵母は、およそ0.01mmの球体の微生物。
醸造製法によって、ビールは、大きく2つに分けることができる。
下面発酵タイプと上面発酵タイプとである。
発酵が終了した酵母が、上に上がってくることから、上面発酵。
下に沈んでいくことから、下面発酵と呼ばれる。
現在の主流、ピルスナービールは下面発酵になり、
比較的に低温での発酵で醸造できるので管理がしやすい(らしい)。
低温のほうが管理しやすいというのは、
保存や作業工程の煩雑さを考えれば、納得。
一週間ほどで、糖分は、アルコールと炭酸ガスに分解され、
発酵が終了することになる。

現在のビール工場では、マイクロフィルターなどを使って、
発酵の終わった酵母を除去しているが、
かつては酵母が死滅する温度に加熱して除去する製法(ラガー製法)が
使われてもいた。
キリンビールで発売されている「キリンラガービール」は、
この製法が由来だが、現在は加熱処理をしない”生ビール”。
同社から出されている生ビール「キリン一番搾り」との差別化をはかるために、
当然、味は、また変えてある。
発酵後は、貯蔵タンクに低温(0℃)で1~2ヶ月ほど、貯蔵される。
その後、ろ過されて、缶や瓶に詰められて、出荷される。



ビールの缶の底に記される製造時期や賞味期限は、
インクジェットプリンターで印字されている。
その速度は、ほんの一瞬。
次々と印字され、そのまま箱に詰められていくのは、
”やっぱりスゴいものだなぁ”と感じてしまう。



今年3月に起きた東日本大震災により、このキリンビール横浜工場でも、
「オールフリー」などの生産が出来なくなるなどの影響があったとのこと。
あらためて、経済的にも与えた被害規模の大きさを実感させられてしまった。
(おしまい:最初の記事へ)

(キリン横浜ビアバレッジのホームページ)
(キリンビールのホームページ)
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