The Wine Heat!

オテル・ド・ヤマダ ワインフォーラムの主催者であるDr.ヤマダのワインな日々の記録です。

2001 シャトー・ラフィット・ロートシルト

2012-08-26 09:25:16 | ワイン
先日のワイン会の出展ワインで、このワインを省くわけにはいかないでしょう!

ボルドーはメドックの1855年の格付け、
『プルミエール・グラン・クリュ・クラッセ』の第一位にして、
特にも1975年以降は、実質的なその地位を譲ったことの無い、
正真正銘のボルドー最高位のシャトーです。

さて、その『2001年もの』はどうだったのか?
ヴィンテージ的には例外的な年とまでは言えないまでも、良年とは評価できる年!
11年の熟成期間を経て、どれほどの状態で飲むことが出来たのでしょうか?



色合いは、思いのほか濃厚で、縁までヴァイオレットで光を通さず、
全体的には未だ熟成の指標ともいえる、アンバーな差込を見つけることが出来ません。

グラスに注がれますと、エンピツビャクシンの香りと西洋スギの香気が心地よく、
さらにはミネラルとモカ・マタリのニュアンスがあって、
そこからブラック・カラントやカシスやプラムなどのアロマが立ち上がります!

これは、熟成の高原部を遥か前方に構えた、本格ボルドーの香りのフル装備!
そこにはエレガントさと正統さが滲み出てるわけ・・・

このヴィンテージは、極めてクラシックな造りに徹し、
セパージュもカベルネ・ソーヴィニヨン86.5%、メルロ13.5%のみで、
造られたとのこと・・・

とはいっても、味わい的には他のヴィンテージと比べると、幾分ミディアムであり、
肉厚感はあれど、過度な緊張感はなく、豊かで外交的な一面を持っています。

ですから、熟成の高原部は達しては居ないが、この切り口で、
豊満かつ明瞭な、そしてラフィットらしい高級感は楽しめる、
チョット乱暴な言い回しにはなりますが、
インスタント・ゴージャスなヴィンテージといえるでしょう!

とにかく、予想もしない形で、ラフィットを御相伴に預かりまして、
出展した『太っ腹 Mコ氏』に、この場を借りて感謝を申し上げます!

1988 シャトー・ムートン・ロートシルト

2012-08-25 04:27:05 | ワイン
本当に久しぶりのムートンだと思います!

思い出してみますと、当方のワイン会の2年前の『第115回 オテル・・・』にて、
満を持して登場をした『1989年もの』以来のことでしょう!



さてこの『1988年もの』・・・
ペンシルバニア州出身の現代ポップ・アーティスト『キース・ヘリング氏』の手による、
印象的なエティケットを身にまとい、素敵なお姿・・・



華麗なるボルドーの傑出3ヴィンテージ、すなわち『1990』『1989』『1988』の、
一翼をになっているわけですが、ことムートンの出来は?と聞かれれば、
ワタクシは香りは本流を行き、ミディアムでスタイリッシュな味わいで、
プルミエールの凝縮感と迫力はあるのか?と聞かれれば、
そのスタイルのムートンではない、と答えるでしょう。

今回で3回目の『1988年もの』ですが、
特にもこのムートンは熟成の高原部までは未だ遠く、
香りこそ、本流の甘草やら西洋スギやら焙煎のアクセントに、
ブラックカラントのアロマを湛え、ムートンらしさを発揮いたしましたが、
味わいはダークに閉ざしたタンニンと、
洗練されつつも、スタイリッシュに削ぎ落とされた果実のごとく、
未だに開放されていないようでした。

ソウはいっても、ムートンはムートン、フルボディで圧倒されるよりも、
このスタイルで今一歩、高原部へと近づければ良し!

肉厚で、ゴージャスで、爛熟な今時のメドックもイイけれど、
本来の左岸は、実はこうだったよな・・・と思い出してもみたわけで、
このワインの1本前のワインがワインだっただけに、余計郷愁を誘ったようです。

メドック5大シャトーも、中々お目にかかることも少なくなって、
昔のことをなにやかにやと、思い出させてくれるワインとなりました。

年に数回は飲みたいわよな・・・

2003 バローロ ブルナーテ レ・コステ ジュゼッペ・リナルディ

2012-08-24 01:15:18 | ワイン
まずはこのワインから紹介せにゃならんでしょう!
というのは、その日ワタクシが持ち込んだワインだったからです。

いろいろ考えました、ボルドーやブルゴーニュのグラン・クリュで行くのか?
でもそれじゃあ、面白くないんじゃない?

でもヤッパリ王道で行くのが正解か?
『Tチャンマン』は、そん所そこらのボルドーやブルゴーニュじゃあ驚かないよな・・・
と考えたのですが、マア開けてみてビックリ、
01’ラフィットやら88’ムートンなどの、ビックリするような正しく王道ワインも登場して、
全ラインナップをこうして眺めてみますと、逆にこの選択でまずはヨカッタ!と考えました。



さて、『ジュゼッペ・リナルディ』の『バローロ』ですが、
こと『バローロ』を知るにあたっては、どうしても避けては通れぬ道でして、
『2003年もの』ですから、あまり強くないヴィンテージの、9年熟成ですので、
今正に、良い塩梅の『ブルナーテ レ・コステ』ですゆえ、
その日が開けるにゃ絶好の機会だったわけ・・・



この造り手は、いわゆる『バローロ・ボーイズ』ではなくて、
クラシックな造り手の正統派と言うべき造り手であります。

自生酵母を用いて、リモンタージュしながら開放桶にて発酵をさせる。
スラヴェニアン・オークの大樽で3年半もの期間で熟成をさせるとのこと・・・

そこで出来あがったワインがこの通り↓



艶のあるガーネットからクリムゾンの輝きを湛え、
グラスに注がれてすぐに、香ばしいミネラルとバラの花束の香気を立ち上げ、
続いてラズベリーやカラントの赤系フルーツのアロマに満ち溢れると言う流れ・・・

このアロマ、このブケには、背筋の通った品格と美しさがあって、
コレをブルゴーニュに喩えるのなら、ルソーのクロ・サン・ジャックを飲んだ時の感覚に似ています。

待って程なく、マオタイやカカオの香りも意識しますが、
一口啜ってみますと、絶妙なシルクタッチのタンニンと優しい果実があって、
それを心地の良い酸味が下支えをするという、極上の飲み心地となるわけ・・・

ですから、少しばかりリキのあるブルゴーニュ・グラン・クリュを彷彿とさせる味わいなんですね!

この味わいに匹敵する、他の造り手の『バローロ』はあるのか?
古典派では『モンフルティーノ』?現代派では『ルチアーノ・サンドローネ』?

色々な思いを巡らさせる、機知に富んだワインであります。

『Tチャンマンをねぎらう会』に集まったワインたち・・・

2012-08-23 16:47:37 | ワイン
夜の帳が下りてから、権謀術数が蠢く酒の世界で、あしかけ20年(もっとか?)
一貫して正義を貫き、『オトコ』を通す猛者がいた・・・
その名前が『タケチャンMン』!

いつもは御世話になっているワタクシたちが、こぞって酒持ち寄って、
ササヤカナ『ねぎらう会』を開催いたしました。

集まったワインたちに、気持ちがこもっておりまする!
まずは、驚きのラインナップをご覧下さい↓

1.2005 ヴォーヌ・ロマネ 1er Cru レ・スショ ルネ・カシュー

2.2003 バローロ ブルナーテ レ・コステ ジュゼッペ・リナルディ

3.2009 ジュブレイ・シャンベルタン ヴィエ・ヴィーニュ ベルナール・デュガーピイ

4.2009 カマルカンダ プロミス ガヤ トスカーナIGT

5.2001 シャトー・ラフィット・ロートシルト

6.1988 シャトー・ムートン・ロートシルト

7.2006 ロッキオーリ ピノ・ノワール ウェスト・ブロック ルシアン・リヴァー

8.2005 ブルグ・レイヤー・シュロスカペレ リースリング・アウスレーゼ ナーヘ







という流れ・・・圧巻でしょ!
ココはワインの街『盛岡』です!
あるところには、あるもんですよね・・・

まずは一息ついて、それぞれの詳しいコメントは後ほど!

では、それまでお待ちを・・・

サドヤ S 株式会社サドヤ 山梨県甲府市

2012-08-22 05:23:10 | ワイン
このワインも、相当前に飲みましたのですが、
出番が無く、今日ココに初めてお目見えとなりました。

『サドヤ』は山梨県甲府市の大正6年創業の老舗ワイナリー、
昭和11年には、フランスから醸造用葡萄の苗木を輸入し、
本格的なワイン造りを始めたとのことです。



プレステージ・ワインは御馴染みの『シャトー・ブリヤン』で、
『シャトー・ブリヤン ミュール』がいわゆる売れ筋のワインなんですね・・・

で、今回御相伴に預かった『S』と言うワインは、
韮崎町穂坂地区の契約栽培農家のセミヨン100%で造られたワインとのことで、
『シャトー・ブリヤン 白』とは、違った個性のあるセミヨンなので、
このワインを造ったということらしい・・・

飲んでみますと、辛口で造った『ソーテルヌ』のような、蜂蜜もしくはミードの風味があって、
続いて凝縮したミネラルのアクセントがあって、程なく黄色いフルーツのアロマが立ち上がります。



特徴的なのはその味わいでして、香りから受ける印象とは違う、
切れ上がったシャープな酸味があり、思いのほかスタイリッシュな果実なんですね・・・

ですから、香りはアロマティックに迫って、味わいは食中酒向きなので、
もし合わせるとしたら、このようなエスニックな料理などは如何でしょう?



如何でしょう?ではなく、実際良く合いました♪

近々『シャトー・ブリヤン 白』(これもセミヨン100%)と飲み比べをして見ます!