The Wine Heat!

オテル・ド・ヤマダ ワインフォーラムの主催者であるDr.ヤマダのワインな日々の記録です。

1995 ブルゴーニュ・オー・コート・ド・ニュイ ジャイエ・ジル

2019-07-23 05:34:41 | ワイン
ここ最近、相当投稿をさぼっている。
その理由は何のことはない、霞目と集中力の欠如なのだ。
FBは日記帳代わりに書き込みを続けているけれど、やはり自分にとってはブログこそメインストリーム。
少し早く目が覚めたこの朝に、やっとこさ重い腰を挙げることにした。W

さて表題のワインだが、恐らく一年遡ったとしても、美味しく飲めた白ワインのベスト3に入ると思う。
タケちゃんの持込ゆえ、もちろんブラインドで供された。

のっけから濃密極まりなく、香りには蜂蜜からミードのニュアンスがあり、そこに何かの香辛料を連想させた。
果実は熟れており、パインのジャムやらイエローチェリーのコンフィやらマンダリンやらで、複雑に絡み合うのだ。
そして焦がしバターやダージリンなどのオマケまでつくわけだ。。

色合いから見ても、これは90年代!
それも例外的なヴィンテージに思われた。
飲んでみて熟成は感じられるも、いわゆるヘタリは無く、見事な調和で納まっている。
そして甘みはあるが、それを支える酸度が半端じゃないのだ。
そうくると92年、もしくは95年となるが、外公的な印象が強く95年と見た。





実はそれがご名答で、そのあとワタクシはジャイエ・ジルの造り手まで探り当てたのだ。

ええ・・・、最近少し変なんです。(汗)
ブラインドで妙にあたりすぎる。

その理由はにわかには答えられないが、さてさて・・・
今月ぞろ目の60台になって、随分同年代のワイン・ヒートが影を潜める今日この頃なのだ。

たまに混ぜてもらう若人とのワイン遊びが面白すぎる。
こんな日が永く続けばイイなあと思うのだ。


1999 アルボワ・ピュピラン サヴァニャン ピエール・オヴェルノワ

2019-07-07 21:53:07 | ワイン
このワインがいかに手に入りにくいものかをワタクシは知っている。
だからと言って、飲みたくてしょうがない代物でもなかったのも事実なのだ。
実は今回ワケありで飲めたのも、正しく偶然で、それは軌跡に近い出来事だった。
そして飲んでみて、なるほど何故にこのワインが、世のワイン好きから引く手あまたであるかの理由もいくつか分った。





色合いや風味がどうであれ、1999年が素晴らしい出来のサヴァニャンが採れたことは明白だ。
それは酸化熟成の特有の香味を伴いつつも、果実には非常に強い旨みが閉じ込められている。
そして濃密な液体を舌で転がしながら飲み込むと、そこには壮麗な酸味の下支えがあり、後ろ髪引かれる余韻もある。
加えてこれが一番大事なことなのだが、他のナチュールに見られる否定的な香りは微塵も感じる事は無いのだ。
それは相当な年月を持ち応えた上質なシェリーでもあり、アジアのスパイス市場にでも迷い込んだかのようでもある。

このワインはこの際、ここでおさらばでも良い。
日常に有るべきワインでも無いのだろう。

フッと湧いた飲めるチャンスに、当方これだけのワイン・エクスペリエンスがあって良かったと心底思うだけ。
持ってきてくれたYシャチョーに心から感謝なのだ。