The Wine Heat!

オテル・ド・ヤマダ ワインフォーラムの主催者であるDr.ヤマダのワインな日々の記録です。

1988 ヴォーヌ・ロマネ メオ・カミュゼ

2012-09-30 09:39:54 | ワイン
前の書き込みの通り、Tチャンマンはこのワインを登場させるがために、
全ての流れを計算し尽くし、先の『マコTラインナップ』が出来たのだと、
ワタクシは今でも思っているんですね・・・(ヒョットしてオレだけ?)

2006年9月20日は神の手『アンリ・ジャイエ』の命日で、その6日後の『マコT』ですゆえ、
88年というカミュゼ家にとっての意味のあるヴィンテージが登場したからには、
そう考えるのは至極当然!

ですから、『アルベール・モロー』はトモカクとして、
続く『98’エマニュエル・ルジェ』は姻戚筋であることは周知の事実、
そしてカミュゼ家との分益折半耕作契約の最終年の88年を並べて、
故アンリ・ジャイエ氏へのレクイエムにした、というのがあの流れと考えたしだい。

さて、こうべを垂れて、一礼をして件(くだん)のワインを味わいました。
色合いは写真の通り、噂にたがわず、ジャイエのワインは強靭で瑞々しい!

わずかにエッジのアンバー加減は見られるものの、濃密なルビーは輝きを見せ、
中心からグラスの淵までその色合いは減ずることはありません。



リュット・レゾネを厳格に実施し、醸造においては低温浸漬法を駆使し、
村名以上は全て新樽にての熟成をする、そして樽から直接瓶詰めを行い、
もちろん濾過は一切しない・・・

その当時は、危なっかしい醸造法だと、思われもしたけれど、
現代の評価の高い醸造家の多くは、彼を神の手と崇め、
その醸造法を踏襲しているわけです。

グラスに注がれた瞬間に凝縮したミネラルのニュアンスを感じ、
強いスパイス感を意識するのは、ブルピノであればヴォーヌ・ロマネと行きたいところ・・・

凝縮してはいるが、酸味の係り具合と、果実の広がりと、相対的な調和をみれば、
これは間違いなくブルピノと確信!

しかも土っぽいテロワが明確で、骨太の果実には強いエキスが存在し、
グラスで待っていますと、色気のあるブーケも立ち上がってくる。

これはグランクリュだろう・・・
どこかの名うての造り手の『ロマネ・サン・ヴィヴァン』ではないのか?
とまできて、88年物のメオ・カミュゼだと知る。

エ~~!リッシュブールですか?と叫んだが、なんと村名。
アンリ・ジャイエという箔付けの付いた『メオ・カミュゼ物』では、この88’物が白眉!
御相伴に預かれるのも、今回が最後かも!てなことで、シッカリと飲ませていただきました。

2002 シャンパーニュ ド・ヴノージュ ルイ15世 エクストラ・ブリュット・ロゼ

2012-09-29 06:07:46 | ワイン
このシャンパーニュが登場しても、また歓声の一つも起こらなかったわけですが、
実はこの『ド・ヴノージュ』のプレステージ・シャンパーニュは大変な代物・・・

この次に、いつ御相伴の恩恵に与れるのか?と聞かれれば、
まあその確率はゼロに近いと言っても過言ではないのでしょう。

だから、歓声の一つも上げときゃ良かった!

スタートの白を飲み、秋を感じる熟成ポムロール3本が終わって、
お口直しのタイミングでこの泡が登場!

シャンパーニュの入れられたボトルの威容にもビックリでしたが、
注がれた泡の不思議なオレンジの色合いにも驚きを禁じえません。

それは引き込まれるようなオレンジ!
そこには熟成の証ともいえる、アンバーなニュアンスも見られます。



漏れ聞いた話では、このシャンパン・ハウスのプレステージは10年待ってのリリースが基本とのこと、
ですからこの『2002年』はリリースされたばかりであります。

色合いに見られるアンバー加減のみならず、その風味にも熟成の余韻を漂わせ、
飲み口は正しく飲み頃をピンポイントで捉えているようなんですね・・・

その風味たるや、今までの経験では不可触領域で、黄桃やカリンの砂糖漬けに加えて、
和風だしで煮込んだトマトオデンのような(ちょっと喩えが悪いですが)ニュアンスも見られます。

その口当たりは正しく、クリーミーなタッチで極上の喜びを誘い、
酸味の広がりは壮麗極まりなく、飲みごたえのある底味と相まって、
これぞプレステージ!!!とあたかも成田屋のニラミに思わず掛け声を掛けるが如し!

一つのシャンパーニュで、これだけ独自性の発露を見せ付けるものは、
そう簡単にはお目にかかれないでしょう!

貴重な経験をさせてもらいました。

2006 クリオ・バタール・モンラッシェ ブラン・ガニャール

2012-09-28 13:38:30 | ワイン
このブルゴーニュ・シャルドネのグラン・クリュが『マコT』の何とスタートワイン!
まあ主宰が主宰だけに、あっても驚きはしないけど、
イキナリじゃあ、困りますねん、つうことです・・・

まず持って、ミネラルバッチシの金属質のニュアンスはあるの、
加えてグラスを伝わるエキスが半端じゃなくて、そして総体的な調和と上品な風味を考えれば、
当然ブルシャル・グランクリュと答えるべきなのでしょうが、何しろスタートワイン!



威風堂々の果実と濃密エキスで、しかも前回の『ロキオリ』の例もありますので、
ヒョットしたら、ものごっついカリシャルを出したのかしらん?
という事も、頭の片隅に置いといて、どうしても2000年代中盤以降のシャサーニュに固執し、
さすれば、シャサーニュのプルミエの際立った造り手なのでは?と考えたしだい・・・

頭の中では、アッチへ行ったりコッチへ行ったりの状態でしたが、
『クリオ・バタール・モンラッシェ』の声を聴いて、
すかさず『ブラン・ガニャール』を思い出したところなんざ、
まだまだワタクシも棄てたもんじゃあない!とは言いませんが、
実を言いますと、最後はホッと胸をなでおろしたわけなんです。



さてこのワイン、とにかくグラスを伝わる足が凄くて、
厳寒の街の家々に垂れ下がるツララのように、太くて長い!
コレだけ見れば、まずはカリシャルを疑うでしょう。

でも、飲んでみますと、濃密なエキスが舌先を喜ばせるわけですが、
ミネラリーに研ぎ澄まされた繊細さも垣間見られ、
しかもエライ長いこと店を張っているジャズ・バーのマスターのように、
リクエストはまずイイから、ワシの選んだ曲を黙って聴けよな・・・てな感じの、
味わいの独自性があって、グランクリュでもバタールの豊満さは無く、
かといって、中途半端に飲み手にあわせる迎合性も無い・・・

実にエエ若いモンじゃ!てな調子・・・
ですから、カリシャルの単調なニュアンスとは別次元なんですね・・・
グラスで15分ほど待って、はっきりと分かりました。

クリオは漏れ聞く話では、凡そ1.6ヘクタールほどの地所で、
猫の額のような狭いところに、約10名の造り手がひしめき合っているとのこと・・・

ワタクシはココの造り手と『フォンテーヌ・ガニャール』『ルイ・ラトゥール』あたりを飲みました。

で、ココだけのお話、『ブラン・ガニャール』は相当いけてます!

思うに、マコT会の今回のお題はアレだったんだわ!

2012-09-27 18:31:45 | ワイン
ここ数回のお暇を頂いていました『マコT会』でしたが、
久しぶりに参加をさせていただきました。

というのも、先の『Tチャンマンを労う会』が一つのきっかけで、
頑なに、まるで人見知りの偏屈オトコのように、
外部ワイン会から足を遠ざけていたのですが、
『サービスするより、されるがイイの』法則が頭をもたげ、
あたかもワイン知らずの新人デヴューのように、控えめにお邪魔・・・(違うか?)

で、いつものようにTチャンマンは、何の法則も無いよに振舞ってはいたものの、
思うに、後で考えてみれば、ああなるほどね♪の展開!

すなわちこうゆう事だったんですわ!

まずは導入の白ワインを1本!

1.2006 クリオ・バタール・モンラッシェ ブラン・ガニャール



続いて、秋を感じさせる熟成ポムロールを3本!

2.1981 シャトー・ベレール ポムロール

3.1993 シャトー・セルタン・ド・メイ ポムロール

4.1995 クロ・デ・ヴィユー・プラトー・セルタン



そして、お口直しの極上シャンパーニュ!

5.2002 シャンパーニュ デ・ヴェノージュ ルイ15 エクストラ・ブリュット・ロゼ



最後の3本は、忘れもしない『2006年9月20日』、
この日は神の手『アンリ・ジャイエ』の命日なんですね・・・
ですから、おそらくレクイエムの意味をこめて、このブルゴーニュの3本でしょう!

6.1979 ボーヌ・トゥーサン アルベール・モロー

7.1998 ブルゴーニュ・ルージュ エマニュエル・ルジェ

8.1988 ヴォーヌ・ロマネ メオ・カミュゼ



どうでしょうか?
分かる人は、分かりますよね・・・

『アンリ・ジャイエ』は1944年からカミュゼ家の畑を分益折半耕作契約で、
現役引退の1988年までブドウ栽培とワイン造りを続けてきました。

1988年はその象徴的なヴィンテージ、おりしもブルゴーニュでは好天が続き、
例外的に良いワインが出来たんですね・・・

あたかも、この神の手が現役の引退をする花道を飾るがごとくに・・・

その年のヴォーヌ・ロマネを命日の6日後に、さり気なく出して驚かせるコノ憎い演出!
さすがでございました。



ということで、盛りだくさんのワインの流れですが、
少しずつ、詳しく報告させて頂きます。

それでは、また!

2010 タータル・ワイン シャルドネ No.2 ヒトミワイナリー

2012-09-26 05:21:24 | ワイン
めっきりと秋らしくなりました。
と言いますか、真夏日の連続から、急転直下で25℃以下となり、
じゃあ周りはどうだ?と眺めれば、未だに紅葉などは進んでいない・・・

ですから、情緒も何もあったもんじゃなくて、
変な状態だって、思っているのは俺だけかな?

さて、昨日は本当に久しぶりにブログの書き込み休みました。
特段訳なぞないのですが、『鍋焼きうどん』を食べて、



ビールを飲んで、ある甲州ワインを飲んだのですが、
チョット状態が悪くて、ご報告できないことになりまして、
何を書き込もうか?と思いつつ、ベッドでゴロンしてたら、
いつの間にかアサ~!という事になっていたわけなんですね・・・

で、今PCの前に座っておって、ボ~としながらデジカメを眺めていましたら、
表題のワインのことを思い出しました。

コレも一週間は経ったでしょうか?
FBでは触れたと思いますが、実に印象的に変貌を遂げたこのシャルドネ!
ある意味、ニッポン・シャルドネの一つのスタイルを見せてくれた一本でもあったんですね。

その日は、こんな料理と一緒にこのワインを開けまして、
ユックリと時間をかけて、マリアージュを楽しみながら、二人で1本完飲!





食中酒としても、食べ終わってからのディジェスティフとしても楽しめたんですね・・・

『シャルドネ No2』とは、自社農園の樹齢17年の葡萄を使って、
フレンチオークにて発酵させ、そのまま樽上部の上澄みのみを生詰めしたものとのこと。

カリンのコンポートと白桃のアロマが心地よく、蜂蜜のニュアンスが合って、
待てばミネラルが塊となって風のように押し寄せてくる。

味わいは正しく甘露、見方を変えれば熟成したモンラッシェのように煮詰め感があります。
濃密なエキスに、酸度はやや抑え目、総体的には形に囚われない、豪快なシャルドネ!

飲んでいますと、そのダイナミズムに驚かされ、
自らもその活力に鼓舞される!そんな素晴しいシャルドネでした!