The Wine Heat!

オテル・ド・ヤマダ ワインフォーラムの主催者であるDr.ヤマダのワインな日々の記録です。

1989 ピリニー・モンラッシェ レ・フォラティエール ドメーヌ・ドーヴネ

2012-06-30 02:40:41 | ワイン
『ドメーヌ・ドーヴネ』です。
しかも『1989年物』・・・
このヴィンテージと『1990年物』の出がけの頃、相当数飲みました。

もちろん、『1989年物』は一段と評価が高かったのですが、
何と言っても、ミネラルの塊であり、シャルドネの油であることには違いが無い!

で、今回『DRC モンラッシェ・・・』の2本のモンラッシェの直ぐ前に登場したのですが、
果たして飲める代物に化けてくれるのか?興味津々だったんですね・・・



まずはこの色合いからご覧下さい↓



その黄金の色合いにも深みが増してきているようです。

このワインをグランクリュの幅広めのシャンパングラスに注いだのですが、
まずはお決まりのミネラルの強いトップがあって、ミードのような蜂蜜のアクセントがあって、
へーゼルナッツやらマロングラッセの仄かな風味も出てきています。

待っていますと、甘いパインとイエローチェリーのジャムのアロマが立ち上がり、
喉越しには僅かですが、モカ珈琲の残り香をも見つけることが出来るわけ・・・

何といっても、その味わいが強烈で、強い酸度が未だに人を跳ね返しており、
しかしながら、エキスの濃密さがそれを支え、
総体的には『グラン・クリュ』の迫力をも見せてくれるんですね!

やはり、熟成の高原部は遥か遠くに見える範疇までは到達しているものの、
上り口には未だ届かず!というところでしょうか・・・

いずれ主宰のT君には、心から感謝!
言わばこのワインは『ピリニー・モンラッシェのオートクチュール』!
芸術作品と言っても過言ではありません!

このタイミングで『ドーヴネ』を飲めようとは、夢にも思いませんでした。

2009 ソレイユ ピノ・ノワール 旭洋酒

2012-06-29 12:55:24 | ワイン
数日前のことになりますが、バス乗り継いで県庁前に降りて、
その日は珍しく桜山界隈を素通りしまして、大通りへと出たんですね・・・



途中、中古レコード&CD店を覗いて、約束の時間まで時間稼ぎをし、
そしていつもの和食屋へお邪魔となったわけ・・・

というのも、新着の『ソレイユ ピノ・ノワール』を開けたかったからなんですね!
しかも和食にあわせて飲みたかった♪

到着するなり、『鯖の南蛮漬け』『枝豆』はビールで流し込み、
店主氏と時節柄の挨拶を交わして一段落となりました。



そこへ自宅セラーに休ませておいた『ソレイユ ピノ 2009』が、K子さんによって届けられ、
ワイングラスにササッと注がれたわけです。



何時もと変わらぬ甘いバラの香りが立ちこめて、コレはイイと一言!
ラズベリーにイチゴの風味とスパイス系が乗っかって、
僅かですがリコリスのアクセントも見つけられます。

味わいは07’的なガツンとくる渋み、タンニンはさほど無く、
シナヤカなフルーツが心地よし!

適切な酸度と溌剌とした果実味もいつも通り!
09’も08’の延長線上と見ました。

それを『アナゴの天麩羅』『カツオとヤリイカの御造り』
『温野菜のバジルソース』などと合わせまして、いつもながらの和風マリアージュ!



このワインの到着こそ、夏直前の楽しみとなりました!

1988 リッシュブール ジャン・グロ

2012-06-28 05:06:27 | ワイン
ワインを飲んでいるもの、とりわけブルゴーニュファンであればなおさら、
この名前を聞いて、心動かされない人はいないでしょう!

『1988年』『リッシュブール』そして『ジャン・グロ』・・・
この3つが揃うものは、言わばお宝中のお宝!
そう簡単には見つけることが出来ません。

どんなに『カリ・ピノ』がイイとか、『ニュージーランド・ピノ』がイイと言っても、
クラシックで正統派の見事に熟成を果たしたブルゴーニュを一たび経験をすれば、
本当の姿のピノ・ノワールってこうなんだ!と暗中模索の霧は一気に晴れ渡り、
何が正統なものかを理解できるでしょう。

この正統の血筋のブルゴーニュ・ピノ・ノワールが、
くだんの会の赤の最後に登場いたしました。(凄いこってす!)

まずはこの通り↓



神秘的に輝くルビーのエッジには琥珀の縁取りが忍び寄り、
既に熟成の高原部を登り始めている気配を見せております。

エティケットはもちろん『ジャン・グロ』時代のもの・・・
重厚さと品格を重んじる正しくクラシック・スタイル!

大ぶりのバルーンタイプのグラスに注がれますと、
のっけから美しい芳香が立ち昇り始めました。

サハラ砂漠の隊商を連想させるモヤモヤとしたオリエンタルな香りがあって、
オリーブの実と乾燥ハーブ(脱法ではなく・・・)のアクセントがあって、
切なく迫り来るフェロモンの香気までのオマケつき・・・

全てが霧散したあとに、ドライなプラムと完熟したチェリーのアロマが心地よし!

味わいはスタイリッシュでエレガントで底味コンデンス!
これをフィネスと言わずして何を言うのでしょうか?

キッチリ決着つけていただきました!
ブルゴーニュはオイシ~~イんだわ!!

1998 シャトーヌフ・デュ・パプ キュベ・ダ・カポ ドメーヌ・ドュ・ペゴー

2012-06-27 00:20:48 | ワイン
この100点ワインが『DRC モンラッシェを楽しむ会』の3本登場した赤ワインの1本でありました。

『ドメーヌ・デュ・ペゴー』は高々20年弱のドメーヌの歴史なのですが、
あのP-カー・ポイントで満点をいくつか出しているとのこと・・・

そのいずれもが、この良年のみに生産されるプレステージ・ワイン『キュベ・ダ・カポ』なんですね!
記憶に新しいところでは2007年もそうなのですが、
何と言ってもこのヴィンテージ『1998年』が極めつけ!
正しくワインの業界においてをや、パーフェクト・ワインの評価でありました・・・

まずは、エティケットとこの色合いをご覧下さい↓



濃密なガーネットの色合いにはアンバーなアクセントが見え隠れし、
ピュアーな果実を投影するがごとくに照り輝いております。

正しくこのワインは媚薬のようなもの・・・

注がれて直ぐに立ち上がるブラック・フルーツのキャンディのアロマには、
リコリスやトリュフの妖しげなアクセントのみならず、強いスパイス感がともないまして、
総体的なニュアンスはエキゾティックでエロティック!

このワインを官能的と言わずして何を言うのでしょうか?

口に含みますと、圧倒的な果実味があって、それが寸分の引っかかりも無く、
シナヤカに口腔を流れて行きます。

では、凝縮性やダイナミズムはドウなのか?と聞かれれば、
むしろブルゴーニュ的なフィネスがこのワインにはあって、
どちらかというとエレガントに纏まっているんですね・・・

あの評論家の好きそうなタイプはこうだったっけ?との御意見もあるほどでしたが、
そんな話題提供の意味でも、PPはあってもイイということなのでしょう・・・

それにしても、媚薬を飲んでラヴィリンスに迷い込むのも束の間、
次のワインがこれまたフィネスを絵に描いたような代物でして、
次にまた、それを報告いたします。

1992 モンラッシェ コント・ラフォン

2012-06-26 13:01:38 | ワイン
まずはもう一度この色合いを見てください↓



目の覚めるような山吹色、色濃く、しかもイエロートパーズの様に神秘的に輝いております。
コレがブラインドで登場したわけですから、一舐めする前は当然のことながら、
ブルゴーニュ・シャルドネとは誰も思わないでしょう・・・

あって、10年熟成のバルサック?もしくはアルザスのゲヴルツ?
などでしょうか・・・

ですから、飲んだ瞬間は皆さんビックリ!
何だコレは?ってな調子なんですね・・・

で、少しユックリと喉の奥まで流し込んだところで、
前後のワインを頭に入れ、やはり最後の主役を引き立てるワイン!
(このワインを引き立て役といったら失礼になるのでしょうが・・・)
すなわち、別な造り手の、少し若いヴィンテージの『モンラッシェ』、
と言う結論に至ったんですね・・・

やはり『1992 モンラッシェ コント・ラフォン』でありました。



実はワタクシは『モンラッシェ』が分かった段階で、
『ラフォン』までは行き着かなかったんですね・・・

なぜかといえば、『ラフォン』の『モンラッシェ』は別格!
どんな『ムルソー』をもってしても、この味わいにはなりません!
ですから、『ムルソー』の味わいを頭に描いて、このワインを類推すれば、
コレが『ラフォン』とは中々行き着かないということなんですね・・・

すなわち、くだんのワインは、思いの他トロピカルで豊満で酸度が低い!

ですから、『ルフレーヴ』もしくは『ソゼ』なのか?と来て、
熟成感を鑑みて『ソゼ』となったんですね・・・

さてこのワイン、前述の通り、優雅で、寛容で、全体的にはトロピカルな要素が漂いつつ、
気品のある佇まいを見せてくれます。

そこには未熟で、神経質で、鋭敏な印象は皆無に等しく、
よく熟して、何とも言えないリッチな味わいを楽しめます・・・

しかしながら、最後の主役がこのワインと明らかに違うのは、引き締った酸度であり、
永遠がこの世にあるのなら、この余韻にこそ永遠があるんです!
と言うほどの、際限無く続くエキストラクトの濃密さなんですね・・・

このように、書き連ねるほど野暮になる次元の『モンラッシェ』ゆえ、
この辺で留めさせて頂きますが、これから果たしてこんな機会があるのかどうか?
それほど凄いことでありました。