The Wine Heat!

オテル・ド・ヤマダ ワインフォーラムの主催者であるDr.ヤマダのワインな日々の記録です。

2000 ヴィンテージ ブリュット 甲州 奥野田ワイナリー

2012-07-31 05:22:52 | ワイン
朝の通勤時でも既に20度C越えで、日中とうとう35度Cを越えたらしい!

仕事場は冷房が効いているから、にわかには分かりませんが、
一瞬外に出たら、さあ大変、ムッとした照り返しが半端じゃなく、
あまりの暑さに、今日も外飲みを断念いたしました。



で、家に帰って、テルマエ入って、
暑い時には『稲庭うどん』って、誰が決めたか分かりませんが、
まずはそうしてもらったわけです。

ということで、その日の並んだ料理は次の通り↓



これにあわせて、まずビールじゃあ、面白みもヘッタクレもありゃしない!
てことで、セラーの下段から取り出したのが表題のワインだったわけです。



造りは奥野田ワイナリー!
使った葡萄は甲州種の100%!とのことで、
瓶内2次発酵によるものなんですね・・・

この発泡酒が実に美味しかった!

注いだフルートグラスは敢えてグランクリュにして、注ぎたてに鼻を近づけますと、
リンゴの摩り下ろしに、レモンバームの仄かな香り、そして待っていますと、
フィノ・シェリーのランシオ系の熟成香まで見つけられます。

不思議なアロマなんですわ・・・
しかも、イイ具合のある種の品格も持っているんですね♪

一口味わってみますと、実に泡のタッチが繊細で心地よし!
フルーツは思いのほかコクがあって、飲み飽きしない濃厚系、
そして甲州種のティピシテたる微かな渋みがありますが、
飲み込み際には後腐れのない、爽やかさもあるんですね・・・

ここで考えねばならない事は、レギュラータイプのシャンパーニュとのコスパの問題ですが、
この味わい、この香りで、総体的なバランスなどを考慮してみますと、
実にいいコストパーフォーマンスをしているなあ!と感心いたしました。

ニッポンの泡として、1本押えて置くべきワインでしょう。

2009 ドメーヌ・タケダ ベリーA古木 タケダ・ワイナリー

2012-07-30 04:37:17 | ワイン
昨日も一昨晩も夜は外出する気一切無し!

もちろん、その理由はオリンピック放送を見たいがためで、
それゆえとくにも一昨晩は、洋食のごときハンバーグ・プレートなぞ作ってもらい、
そこへ、6月にお邪魔をした『タケダ・ワイナリー』のあのワインを登場させました。



ニッポンの財産たる、樹齢70数年の『マスカット・ベリーA』のヴィエ・ヴィーニュから、
丹精こめて造られたこのワインは、日本を代表するこの品種の1本であることは間違いなし。

同じ『マスカット・ベリーA』と言えども、スタイルは色々有りますが、
ココの造り手は色濃く、果実は相当凝縮させたスタイルなんですね・・・

そのお蔭で、と言ったら語弊がありますが、
注がれてすぐの、グラスから立ち上がる香りは、甘くスパイシーで大地を感じさせる物!

濃縮された果汁は、その濃さの分だけバリックをかけられて、
加えてヴィエ・ヴィーニュの複雑さも相まって、
何とも不可思議な香気を漂わせるわけなんです・・・

それは黒胡椒、リコリス、ムラサキの花束、そしてミネラルのアクセント、
加えて僅かですが、鉄分をも見つけられ、そのあとに甘いプラムとベリーのアロマを楽しめます。

味わいは、濃厚さの中にもメリハリのある酸味があって、
渋みやザラツキは一切無し、フルーツは後腐れなく引き締っていて、
尚且つ程よい余韻が心地よし・・・

いわゆる、食中酒としても一級品なんですね・・・

ニッポンワインの中では3000円越えの高級ワインですが、
旅の中での思い出の掘り出し物として、特別な時に開けてみるのも一興!

試してみるべき『ベリーA』の1本と言えるでしょう。

1995 シャトー・ピション・ロングヴィル・バロン ポイヤック ボルドー

2012-07-29 10:22:42 | ワイン
『安比高原』の伝説の料理人のフレンチ『シェ・ジャニー』の後半の肉料理に合わせるべく、
持ち込んだワインが、この表題のワインなんですね・・・

『ピション・バロン』ボルドーはメドックの1855年の格付けの2級、
1986年には『アクサ・ミレジム』の所有となって、
『ジャン・ミッシェル・カーズ』の指揮のもと、
強力でメリハリのある、凝縮したワインが出来ております。

そして今回、持ち込ませていただいたヴィンテージは『1995年』、
実はこのヴィンテージは、落ち着きのある、調和の取れた、
バロンの割には抑制のきいたヴィンテージなんですね・・・

ワタクシはこのお行儀のよい、スタイリッシュで、薫り高いバロンが、
どんなにか春田シェフの肉料理の一皿に合うのだろうか?と期待に胸を高鳴らせ、
持ち込ませていただきました。



そしたら何と、最後の『盛岡短角牛の炭火焼、ボルドー風』のみならず、



一皿前の『鮑のソーテ、シェ・ジャニー風』の濃厚な鮑の肝のソースにも、
絶妙なマリアージュを見せてくれたわけだ!



クラシックなフレンチの圧倒的な濃厚さとそのヴォリュームを、
静かに鎮めて、そして果実の瑞々しさで油を流してくれるのは、
正しく正統なボルドーの役目であるわけですが、
そこにある種の品とタダならぬ香気の渦が伴えば、
そこにはグルマンの至福が訪れるわけですよね・・・

その日のバロンはそういう意味では、完璧な脇役として演じてくれました。

90’89’と比べれば、さすがに見劣りのする95’バロンですが、
ココでいいたいのは、蓮蓬(れんほう)議員の言葉を借りれば、
『一番じゃあなくては、ダメですか?』と言う気分!

実は全てのワインヒートが分かっている事なのですが、
ワインの真実は料理とのマリアージュに置いての一番は、
世評の一番とは違うところにあるという事なんですね・・・

ワタクシも改めてソウ思いました。

2007 クロ・ド・ラ・ロッシュ ドメーヌ・デュジャック

2012-07-28 04:26:16 | ワイン
全ての子供が成人になってしまったワタクシにとっては、関係の無い話なのですが、
『もしブルゴーニュで、子供のバースデイ・ヴィンテージを買うとすれば、ナニ?』
と聞かれれば、真っ先に答えるのは『クロ・ド・ラ・ロッシュ』でしょう・・・

それだけ、このグラン・クリュは長命な地所ということです。

造り手としては『ピエ-ル・アミオ』『ポンソ』『アルマン・ルソー』
それに出色の『ルロワ』と来るのでしょうが、やはりココは『デュジャック』・・・



長命さに加えて、繊細さを持ち合わせる『クロ・ド・ラ・ロッシュ』!

おそらく、山まで抱えて持っていっても、モデレート・キャヴィテイションによって、
むしろ美味しく化けてくれるのでは?と淡い期待を懐いての持参でした!

このワインが予想以上に美味しかった♪
まずはこの色合いをご覧下さい↓



ヴィンテージは2007年、いささか薄められたヴィンテージですが、
そこはそれ『クロ・ド・ラ・ロッシュ』ゆえ、シッカリとした色調を保ち、
僅かにエッジにはアンバーな縁取りを見せながら耀いておりまする・・・

グラスに注がれますと、のっけからバラの香気が立ち込めて、
それに東洋風の香料や大地の風味が幾重にも絡まりあって、
御馴染みの魅惑的な『デュジャック・フレーヴァー』を感じるわけ・・・

そういったデュジャック特有のエキゾティックな香りが霧散したあとに、
濃密なカシスやブラック・ベリーのアロマがを存分に楽しめるんですね。

フルーツは春田シェフも仰るとおり、未だピリピリとした緊張感こそありますが、
しなやかなタンニンとシリアスな果実が、奥行きを持って溶け込んでいまして、
ワタクシとしては十分に満足できうるもの♪

前菜からスープ、さらには『鮑のソーテ』にかけてのマリアージュは見事というしかありません!

これこそ『デュジャック』の魔術!
『安比高原』の夜会にその妖しいさを垣間見せてくれました。

安比高原『シェ・ジャニー』にお邪魔です!

2012-07-27 20:52:24 | ワイン
K子さんも夏休みに入りまして、1週間のところでしょうか、
先日U杉先生から『先生、伝説の料理人のところでワイン飲みましょう!』とのお誘いがありまして、
これ幸いと即答しまして、同道させていただくことになりました。

春田光治シェフ・・・百戦錬磨のクラシックなフレンチの創造者、
皿の上の物語のスペシャリテのかたりべは、わが故郷のすぐそばに居りました。

『安比高原』・・・ワタクシにとっては、かつてのゴルフ場、
皆さんにとっては、北日本きってのスキー場となるのでしょうか?

でも、このご時勢、そして平日の夏の日は、その晩の宿としたホテルも人影も無く、
圧倒的な建物も、静けさだけが宝物のように思えるわけ・・・



で、上S先生ご夫妻とは夕刻6時半にホテルで合流し、
目当てのレストラン『シェ・ジャニー』へと向かいました。



当然のことながら、地元のワタクシとしては、それなりのワインを用意するのが役目と承知、
大胆かつクラシックで骨太なキュイジーヌとお見受けし、
合わせるワインは次の2本としたわけなんですね・・・

2007 クロ・ド・ラ・ロッシュ デュジャック



1995 シャトー・ピション・バロン ポイヤック



まずもって、自分で言うのもナニですが、このワインが見事にマリアージュ!
乾杯に登場した『ポメリ・ブリュット』も素晴しく、見事な流れとなったんですね・・・

さて、春田シェフのキュイジーヌは豪華絢爛たる5品でありました↓

モロッコ風ラタトゥイユとイタリー風鰯のマリネ

グリーンアスパラのスープ

鮑のソテー、シェ・ジャニー風

盛岡短角牛の炭火焼、ボルドー風

イル・フロッタント(浮島)-デザート







いかがでしょうか?
夜の帳が落ち始めた頃に、ヒグラシの鳴き声がむしろ静けさを際立たせ、
ワインとキュイジーヌはもちろんのこと、気兼ねのない会話がまた至福の時間をもたらしてくれるんですね・・・

ここでまたU先生ご夫妻には、改めてありがとうございます!

暫しの間、その余韻を楽しみつつ、詳しくは後ほど・・・