The Wine Heat!

オテル・ド・ヤマダ ワインフォーラムの主催者であるDr.ヤマダのワインな日々の記録です。

2007 シャトー・ミュザール 赤

2016-10-31 22:28:27 | ワイン
このワイン、ワインバブルな時代に、アル意味一斉風靡したワインだと思う。

まずはレバノンだけでもエポックメイキングなのですが、飲んでみて品種特性を超越した優しさと飲み頃感があるのです。
その仕掛けはカベソーにサンソーとカリニャンを3等分したセパージュもさることながら、瓶詰めして4年寝かせて7年後にリリースするという、何とも気長な待ちの姿勢がそうさせているんですね。



おそらく、今回のラインナップで一番飲み頃はどれ?と言われれば、ミュザールと答えるでしょう。
それだけ香りもたち、その香りもガトーやら、焙煎やら、アジアの市場の香辛料を思わせる複雑性を垣間見せてくれた。

懐かしいやら、嬉しいやらで、ミュザール多めにいただきました。
ありがとう!

1997 シャトー・グラシア サンテミリオン・グラン・クリュ

2016-10-28 22:26:45 | ワイン
このワインが今回の『パパジイ』のトリを務めたワインだ。

持って来た珈琲店主曰く、このワインはジャケ買いしたんだよと・・・
思い出すに、たしかにジャケ買いしたくなるよなジェケだけれど、買った理由はそれだけではなかったはずだ。
それは当時の『ワイナート』のサンテミリオン特集にこんなことが書いてあったからだ。
すなわちそこには96’オーゾンヌの以上に98’グラシアが評価されていたのだ。
この何処の馬の骨とも分らない無名のサンテミリオンに最上級の評価を与えた『ワイナート』・・・
そりゃあ、とりあえず買うでしょ、好奇心旺盛なワインヒートなら!



で、我々はこうして19年の熟成を経た、頑固一徹のグラシアをご相伴に預かることができた。
やはりそこにはミネラルの筋が通り、濃密極まりないタンニンがあって、焙煎強めの珈琲を漂わせ、スパイシーに香りたつ黒い液体があった。

これは外交的なサンテミリオン気質ではない、だから好き嫌いはともかくとして、唯一無二の稀有なサンテミリオンと言えるのだろう。
とにもかくにも、97年ものを飲めたのはありがたいのだ。

好き者親父的持ち寄りワイン会『パパジイ』10.26

2016-10-27 15:09:09 | ワイン
いつものことですが、テーマは何でしたっけ?と、前もってメールのやり取りがあるにもかかわらず、全くテーマからどはずれのワインが横行するこの会だけど、今回ばかりはテーマに沿ったワインが過半数を占めてホッとした。(笑)
で、今回のテーマはボルドー品種なわけですが、このような素敵なワインが並んだわけ↓





この中で、ワタクシが持ち込んだ物はスタートの白と『05’シャトー・ラ・ゴムリー サンテミリオン・グラン・クリュ』だった。
久しぶりやの『ラ・ゴムリー』だが、飲んでみてムフフフ・・・と、ほくそ笑みが自然に出てきてしまう。
それは、イイ意味でのサンテミリオン賛歌のようでもあり、やはりこうきたのか?という、飲み慣れないグラン・クリュの聖域へ足を踏み入れたことへのヨロコビでもある。
本当にしなやかで、伸びやかで、奥行きをも感じる甘い果実には、軽々にシルクタッチの一言では表現できない、気高さと、深遠さを感じるのだ。



『ラ・ゴムリー』は95年に『ボーセジュール・ベコー』が買い取り、荒廃していた畑を整備耕作したとのことだ。
その後、グリーンハーベストを行ない果実の凝縮度を上げ、メルロ100%、新樽100%でこのワインを造り上げた。
ベコー氏が携わって丁度10年の05’ゴムリーの秀逸さは存分に楽しむことが出来たと思う。

その日は、サテミリオンが3本、メドックが一本、そしてレバノンの銘酒まで並んで、スタートの白、中盤にビックリのコトー・シャンプノワーズまで並んで、華やぎのラインナップと相成ったわけ!

いつものように個別のコメントは後ほど、話題豊富の書き込みとなりますので、乞うご期待!
では・・・

2012 ファンキー・ルージュ ファンキー・シャトー

2016-10-23 13:16:10 | ワイン
長野県は上田市青木村の注目すべきニッポンワインの造り手『ファンキー・シャトー』さんの自社畑のメルロ100%で造られたワインだ。



この『ファンキー・ルージュ』はメルロのセコンド・ラインで、この上に『ラ・プルミエール・フォア・メルロ』がある。
これらのワインのファースト・ヴィンテージは2011年と聞いているので、このワインはその翌年のワインということになるわけだ。
それにしても、申し分のないワインで、ボルドーのように真面目過ぎず、堅苦しさも無く、ジューシーで、ダンサブルで、気立ても良いとくる。



その日は馴染みの焼き鳥屋さんに持ち込んで、特にも『タレ・カワ』に絶妙の相性を見せてくれた。

ここの造り手は、プルミエールでは本格的にボルドーを目指しているが、このクラスでは早目に飲み頃を迎え、アピタイトの賦活の適切で気楽な御伴となってくれるのだ。
こんなニッポンワインは何よりで、複数本欲しいのだけれど、やはり現段階では割当数本の世界に甘んじていると言っても過言ではない。

だからなんとしても欲しい御仁は、ある程度の出費も覚悟するのか、もしくは持っているヒトとお友達になるのが肝要なのだろう。(笑)

2013 ヤウマ・ライク・レインドロップ グルナッシュ ジャウマ

2016-10-20 06:17:37 | ワイン
言わずと知れたワインダイヤモンズ社がインポートしている南オーストラリアの自然派の造り手である。
ジャウマとはカタラン語でジェームズとのことで、醸造はアースキン3兄弟のジェームズ・アースキンが行っている。
ワインダイヤモンズ社のラインナップでは、かの『ルーシー・マルゴー』と並んで注目されている生産者と言ってもいいだろう。
先日食事を終えて、家に帰ってきて、もう一丁のタイミングでこのワインを開けた。







飲んでみた第一印象はフレッシュで瑞々しい果実であり、香りには品の良い薔薇の花やスパイス感が漂っている。
それはローヌのグルナッシュよりも早く飲み頃を迎え、スムーズであり、妖艶さをも持っているのだ。
そして果実のフィニッシュには僅かな苦味を感じるも、この苦味はネガティヴには捉えず、むしろ食事となら合うのだろう。

それにしてもグルナッシュ的というよりは、濃密に造られたピノ・ノワール的な味わいであり、2杯目まではゴージャスさに圧倒される。
しかしながら一方では、オーストラリア産の物に共通する、ある種の甘みを感じ、これが食との相性がどうだろうか?と気になるところだ。

まだまだ追い求めたいワインではあると思う。