The Wine Heat!

オテル・ド・ヤマダ ワインフォーラムの主催者であるDr.ヤマダのワインな日々の記録です。

1981 シャトー・ブラーヌ・カントナック マルゴー

2016-02-29 06:21:52 | ワイン
久しぶりのマルゴー古酒をご相伴に預かったのだけれど、なるほどその味わいの底力は凄いと思った。
飲んでみて、マルゴーのアペラシオンは、風味の土っぽさとスパイス感と味わいの程よい辛さで了解した!

この黄金のエティケットは何ともはやノスタルジーをそそり、セピアの記念写真のように心を暖めてくれる。
それは本町二丁目の記憶であったり、更にもう少し前のワイン駆け出しの頃の思い出なのだ・・・



今時の濃密コンクで熟成しないボルドーに対峙するこのシャトーは、出来うればこのままであって欲しいと思うのはワタクシだけであろうか?
熟成お出汁感を目の当たりに感じることのできる、数少ないミディアムなマルゴーよ!スタイルを変える事だけは止めて欲しいのだ!

良いものをご馳走になりました、でありがとう!

1985 ヴォルネイ アンリ・ド・ヴィラモン

2016-02-28 21:33:58 | ワイン
まずもって1985年のブル・ピノを飲む機会は稀有である。
それはヴィンテージとしての評価は高いうえに、熟成してどうなるかの予想は確定しておらず、それに加えて価格の壁に跳ね返されるからだ。

で、数年前にT商店からこのワインを、極めて適正価格で買ったのだが、とうとう開けるチャンスがやって来た。
その日は、もちろん当方にとっての、とある記念日で、加えてブルピノ所望の心持ちときたもんだ♪

さてこのワイン、かのドクター・バロレ・コレクションをいとも簡単?に買い占めたことで名高い、超有名ネゴシアン『アンリ・ド・ヴィラモン』の85年物である。
地所はヴォルネイの村名で、もし状態よく熟成しているならば、もってこいのアペラシオンと言えるだろう。





このワインを飲んでみて思ったのは、素晴らしく端正に熟成の高原部に到達した代物だったということ。

風味はエキゾティックにメタモして、土やスパイスに満ちており、果実はプラムのセミドライを感じ、そして深く複雑に響き渡るのだ。
味わいはミディアムな果実だが、伸びやかで、ベルベットのようにしなやかだ。

正しく熟成したブルゴーニュの美味しさをインスタントに体現するこのネゴシアン!
ルモアスネと同等に記憶にとどめるべき、と感じた夜だった。

2005 モレ・サン・ドニ ジャッキー・トルショー

2016-02-25 14:56:11 | ワイン
とある記念日に、和食の『Mつもと』に、このワインを持ち込ませてもらった。
知る人ぞ知る造り手だけれども、少ない本数に加えて、行き先も決まっている事情もあって、流通においては極めて稀有なワインである。

この2005年のヴィンテージを最後に、ジャッキー・トルショー氏は引退し、畑も売却され、ドメーヌ・ジャッキー・トルショーは今後二度とリリースされないワインとなった。
たかだかモレ・サン・ドニだけれども、拍手打って、最後のヴィンテージを特別な日に開けたというわけだ。







色は薄いが、その薄さとは裏腹に、果実の旨みはジンワリと沸き立ってくるのだ!
2005年は凝縮したヴィンテージで、この手の造り手はむしろ前の年ようなオフが得意と見受けられる。

それでも、葡萄本来の繊細さと果実感はありのままに体現され、極めてナチュラルに喉を通過する。
端的に言えば、若さはあるけれど、ブルピノ好きの痒いところに手の届くピノなのだ!

嘗てのデュジャックも様変わりをして、あの時代の灯がまた一つ消えようとしている。
残念至極と言うしかないのだ。

2014 アルザス ピノ・ノワール リットル ドメーヌ・リエッシュ

2016-02-19 22:58:26 | ワイン
このワインは番外編のわいんである。
というのも、ニッポンワインが全て出尽くして、ソロソロお開きとなるそのタイミングで、このワインがおもむろに登場したのだ。
まあ1リットルという量も良かったけれど、このタイミングで、この爽やかなピノの登場には皆ナットク、いわゆる拍手喝采モノだったのだ!



それだけではなく、このワインは実に素晴らしく、アルザスのピノの薄旨の局地を地で行き、ピノは煮詰めれば美味しくなるんだ!という、間違ったブルピノ魂を根底から覆してくれた。
それはあまりにも天晴れで、見事だったので、その味わいは痛快極まりなかったのだ!
ミネラリーに閉まっており、爽やかさの中に旨みが詰まっており、色気もあるのです・・・
これ以上なにを望むのであろうか、いやない(キッパリ)

加えて、ビューティフルな香気が漂い、プラムと色付き始めた花畑の様相までのおまけつきと来ている!
探すにも探せないこのアルザス・ピノ・・・

コマッタコマッタ・・・

ニッポンワインのメルロ、並べて飲みました♪

2016-02-18 17:50:52 | ワイン
メルロの並べ飲みがその日のメインで、2013年が2本、2012年が5本(最後の一本はブラインド)登場したわけだが、総じてニッポンワインの中のメルロという品種も、その存在感が増してきたものだ、と感ぜざるを得ない。

ではここで、その日に登場したメルロ系のニッポンワインを紹介しよう↓

2013 シキシマ メルロ 敷島醸造



2013 ラ・フィロソフィア アズッカ・エ・アズッコ



2012 窓辺 赤 四恩醸造



2012 洗馬K4 メルロ ヴォータノワイン

(写真撮り忘れ・・・汗)

2012 鳥上坂 メルロ 酒井ワイナリー



2012 ラ・プルミエール・フォー メルロ ザ・ファンキー・シャトー



2012 オムニス マリコ・ヴァインヤード シャトー・メルシャンーブラインド



という流れ、いずれもキャラクターに富んでいて、しかもメルロのある意味ティピシテを見事に表現している。
この中で、混醸は窓辺とオムニスだけれど、メルロはそのセパージュの50%を越えていて、他はすべてメルロ100%のワインである。

このブログは、極めて個人的な好みを乱暴に開陳する場所でもなく、また人気投票の結果も如何なものか?とも思うけれど、11名の参加者の評判は酒井ワイナリーの鳥上坂に集中していたことだけは、隠そうにも隠せない事実だ。

このワインは、ともかく充実した実で、完熟傾向もほどよく、葡萄の木の樹齢のみならず、有機的な農法と、自然な造りが、そのワインの肝であるコクを支えているのだろうか?
そのワインのフルーツは熟しており、そのうえマッタリ、色気もあるが、骨格堅固で実に美味しく飲めたのだ♪

最初にも触れたけれど、他のどのメルロも素晴らしかったが、ジャストミートに飲めたのはそのワインだった。
ともかくまずはメルロに関しては、いろいろあったけれど、追々詳らかにするつもりだ。

まずはこの辺で・・・では・・・