The Wine Heat!

オテル・ド・ヤマダ ワインフォーラムの主催者であるDr.ヤマダのワインな日々の記録です。

2014 ピノ・ノワール スー・ラ・ロッシュ ドメーヌ・ド・ラ・ボルド アルボワ・ピュピラン

2018-10-28 16:41:03 | ワイン
ジュリアン・マレシャルはジュラのピュピラン村で、目立つことなく着々と品質の高いワイン造りを心がけてきた。
と言うくだりを目にすれば、そのワインの素性も容易に想像もできるはず。
実際に飲んでみても、なるほど彼の尊敬するこの地のレジェンド、ピエール・オヴェルノワのプールサールでなくとも、その見事さは伝わってくるのだ。



標高300~500mの急斜面に5haの小区画の畑が点在し、その樹齢は70~80年とのことだ。
もちろんその畑はビオロジックに徹し、発酵は自然酵母、無清澄、無ろ過、科学的なものは一切足さず、ニ酸化硫黄も使わない。

このピノ・ノワールは実に神秘的な香りがする。
麝香、アニマル、白檀、ミネラル、そこに赤い果実が適度に熟れているのだ。
甘さはほどほどに、スタイリッシュではなく、中庸に筋肉質の果実が楽しめる。

もしブラインドだったら何と答えるのだろうか?
シャロネーズの名うての造り手のピノ・ノワール・・・

さてさて、というところなのだ。
いずれ、そうはお目にかかれない見事なピノ・ノワール!とだけは言っておこう。

次は早速ジュリアン・マレシャルのプールサールを飲んでみたくなった。

2015 ニュイ・サン・ジョルジュ レ・ダモード フレデリック・コサール

2018-10-25 23:04:11 | ワイン
これもパパジイ出展のワイン。
タケちゃんにも言われたけれど、センセのセレクトですか?と・・・
セレクトじゃあないけれど、まずは飲んでみよう!てな流れ、と答えはした。



このダモードはプルミエではない。
すなわちリューディーとして畑名はあるけれど、いわゆる村名なのだ。

そこに樹齢56年以上のヴィエ・ヴィーニュがあって、ビオロジックに植えてあるとの事。
例によってマセラシオン・カルボニックによる醸造で色濃く、しかしながらテロワール通りにエレガンスはある。

プレモーのアルジリエールの対極にあるテロワは飲んでみてわかる。
それは繊細で品格が備わっているのだ。

コサール的と言われれば、まさしくその通り。
旨みたっぷりに優しく迫ってくる秀逸もの。

少し待つべし、と思った。

2000 カ・マルカンダ ガヤ

2018-10-21 11:58:36 | ワイン
ピエモンテを拠点とする『イタリアワインの帝王』アンジェロ・ガヤが、トスカーナのボルゲリに所有するアジェンダが『カ・マルカンダ』。
その醸造所で造られる赤ワインは3種で、それはプロミス、マガリ、そして表題のカ・マルカンダとなる。
説明するまでもなく、このカ・マルカンダこそ、このアジェンダの赤のフラッグシップ・ワインとのことなのだ。

ボルゲリだけに品種はメルロにカベルネ・フランなど。
しかしながら、そのワインのスタイルはボルドーを地で行く右倣えの代物ではない。
この地の、そうボルゲリの、凝縮性の中にも類稀なる芳しさと優しい味わいのエレガンスを感じるのだ。



2000年はややレストラン向きの年ではあるが、熟成にも耐え、美しい熟成曲線を描きつつ、この味わいに昇華したようだ。
白檀やオールスパイスに焙煎珈琲、フルーツはスタイリッシュで後腐れ無し。
そして有るところには充分に有る細マッチョぶり。
これはさすがにボルドーでは見つけることが出来ない、ボルゲリならではの味わいだと思う。

最近とみに思うのは、隠し置いたトスカーナの旨いことったら半端じゃないわけで、洋食で肉を食らうならば、ボルドー系よりもイタリアワインに目が向いてしまうのはワタクシだけなのだろうか?

2000 シャトー・マラルティック・ラグラヴィエール ペサック・レオニャン

2018-10-14 21:54:51 | ワイン
程よく熟成したペサック・レオニャンの白ワインは色々な意味でブルゴーニュ・シャルドネの上を行く。
まあこれには様々な意見があるだろうけれども、少なくともワタクシはそう思っている。
それは香りの多種多様性であったり、果実のヴォリューム感であったり、類稀なる余韻の長さであったりするのだ。

先日のパパジイの後半に、タケちゃん出展のこの表題のワインがブラインドで登場した。
出てきて間髪いれずに、井上尚弥のワンツーのように的確にペサック・レオニャンの白と断定!(笑)
で、ヴィンテージは?となったけれど、実に見事な練れ具合にほだされて、97’と答えたが、これがジャスト00’とのことだった。



次に、さてシャトーはどこか?と訊かれたので、我々が知っているようなシャトーか?と逆質問したところ、タケちゃんは困ったような顔をして、ビミョーとのこと。

そんなことなど、されかまないで、ラヴィユ・オーブリオンと言うと、違うと言う。
じゃあフューザルかドメーヌ・ド・シュヴァリエと言うと、近くなって来たとのことだった。

で結果は、マラルティック・ラグラヴィエールという抑揚の効いた美しい名前のシャトー、実はワタクシ相当前に古いヴィンテージの物を飲む機会があったのを憶えている。
そして何とラヴィユとシュヴァリエの丁度間にこのシャトーがあるというのを、後で知った。
と言うことは、言った答えもあながち的外れな答えではなかったようだ。

ソーヴィニヨン80%、セミヨン20%のセパージュで、蜜蝋の甘い香りがする、重厚で鋭敏な味わいの王道のぺサック・レオニャン。

今回ご相伴にあずかって、このワインは買えない値段になる前に押さえておくべきだと心底思った。

1994 シャルドネ キュベ・インディジェン ピーターマイケル・ワイナリー

2018-10-09 22:52:12 | ワイン
京都からの帰りに東京に着いて、さてさてというところ。
時間を見たら、次の電車まで2時間チョイあった。
さあどうしようか?となった時に、まるでパブロフの犬のように山手線に乗ったわけ。
行き先はすでに決まっている、道玄坂のあのデパート。
そこの地下にある、ワインコーナーなのだ。
古くて珍しいやつをサクッと飲んで、颯爽と電車に乗る。
これが大人の対応つうヤツだと思っている♪
違うか?

で、そこで登場させたワインがこの表題のワインというわけだ。
やはりピーター・マイケルはシャルドネだよね。



マルチ・ヴァインヤードのモンプレジール、単一畑は次の3つ、ラ・キャリエールにベル・フィーユにベル・コート。
そして2つのキュベがある。それがポワント・ルージュにキュベ・インディジェンなのだ。

そのインディジェン、加えて94年物ときたもんだ。
そりゃあ濃厚極まりなく、へたをすると熟成したモンラッシェをも髣髴とさせる酒躯があるのだ。
造りはヘレン・ターリーの王道を踏襲す。

それは複雑な香りとエレガンスを伴うエキスが爆発するがごとく!
だからこの問いかけにはホトホト迷ってしまうのだ。
もし持って帰るのなら、ブル・シャル・グランクリュとこれとどっちを選ぶ?

これこそ拷問のような設問でしょ!