The Wine Heat!

オテル・ド・ヤマダ ワインフォーラムの主催者であるDr.ヤマダのワインな日々の記録です。

1999 シャトー・オー・ボーセジュール サンテステフ

2017-05-28 15:38:48 | ワイン
5月4日の高崎の刺客のお出迎え秘密会のおり、図らずも『53’シャトー・ボーセジュール』なるものをご相伴にあずかった。
その時点では、ボーセジュールってサンテミリオンでしょ!との認識で、ナゼにサンテステフなの?ということで、このワインの歴史を探ってみることにした。
そしたら嘗てボーセジュールはサンテステフに存在しており、その後1992年に『ルイ・ロデレール社』が『シャトー・ピカール』とともに取得し、2シャトー合わせて『オー・ボーセジュール』として新たなシャトーを設立したことが分ったのだ。



で、それは分ったけれど、じゃあその『オー・ボーセジュール』はどうなのよ?とは言わなかったけれど、ほぼ寸止めジョータイで放置されていたことは否めなかったわけだ。
そしたら今回このタイミングで、またもやタケちゃんがこのワインを持って来た。
そう『オー・ボーセジュール』が設立されてから7年目を迎えた99年ものをパパジイに登場させたのだ。

53年物と99年物を一概には比較することはできないが、この『オー・ボーセジュール』はいかにもサンテステフな王道にいるワインとみた。
メルロを想起させるふくよかな果実感があり、飲み応え充分であり、加えてシリアスなボルドーの香気が鏤められた、こっち系好みには持って来いの味わいなのだ。
シャンパンメーカーがてこ入れする前の枯淡の単独ボーセジュールを飲んでしまうと、綺麗に整頓された己の部屋を見て、また散らかしてしまいたい心が惹起される、あの感覚を思い出すけれど、逆に53物があの状態で飲めたことが奇跡なのだから、まずは綺麗なお部屋で我慢するしかないのだ。(笑)

分けわかんない表現でゴメン!
ともかく両方飲めたことを、まずは出展者たるタケちゃんにありがとうと言おう。

2011 シャルム・シャンベルタン ルー・デュモン

2017-05-26 23:37:25 | ワイン
罪滅ぼしにグラン・クリュ!とは、ワタクシが科したことではなく、ワタクシ以外の同世代のパパジイ連がそのようにしたらしい。
で、なぜか申し訳なさそうに登場したベアレン専務さんは、まるで『愛媛の蜜柑』のように驚くべき生真面目さをもって、ホントーにグランクリュを持って来た♪(笑)



で一方ワタクシは、確かにグランクリュではあったのだが、『ルー・デュモン』なのか、というイマイチの感もあったのだが、ジッサイ飲んでみてビックリポンだったのだ。
それは、颯爽と日本人がブルゴーニュに打って出て、注目を浴びたのは良いけれど、そのワインは評判とは随分異なっていた、あの17年前の『ルー・デュモン』とは違うということなのだ。。

このシャルムには、グラン・クリュにあるべきフィネスがある。
そして薫り高く、しなやかで、品格とエレガンスが備わっているのだ。

そうなると、やはりニッポンのピノノワールのブルゴーニュと比べて感じる違和感は、日本人の造り手の醸造上の不手際ではなく、テロワールの違いということになるのだろう。
そんなことは重々分ってはいたのだが、この『ルー・デュモン』が明解に教えてくれた。

凄くはないけれど、好きなタイプのブルピノになってくれて、日本人として手放しに嬉しい気持ちだけれど、それはワタクシだけなのだろうか?
おせ~~て!(笑)


忙中パパジイあり、また楽しからずや♪

2017-05-25 21:22:01 | ワイン
週に3つも飲みをこなしたり、一方ではダブルブッキングでも動揺もせず、粛々と目の前のワインを飲みこむのだ。
まあワイン飲み始めて35年も経てば、飲みもその要領を得て、義経の八艘飛びよろしく華麗にこなせるわけなのです。

忙中のワイン会でも、楽しくブラインドに興じ、一方ではさり気無くジブンのワインの優位性をサクッと暗示する。
それはそれとて、それすらも興味なしとばかりに装いつつ、ココロは旨いものを飲めればそれで良しとするのだ。

で、パパジイもなにやらざわついてはいるものの、そこはこれからの大人の対応を期待し、さて今日のテーマは?の一点に集中す!
ということで、ブルゴーニュがお題の今回は、こんなワインが並びました↓

2014 アン・ジュール・ジュ・スーレ(リースリング)クリストフ・リンデンラーブ

NV フルール・デ・ヴィーニュ ブルゴーニュ・ブラン メゾン・ルロワ

2005 ヴォーヌ・ロマネ レ・スショ ジャック・カシュー



2011シャルム・シャンベルタン ルー・デュモン

1997 モレ・サン・ドニ 1er Cru ドメーヌ・デュジャック

1999 シャトー・オー・ボーセジュール クリュ・ブルジョワ サンテステフ



アルザスのナチュール系リースリングに始まり、サンテステフの『オー・ボーセジュール』まで、間はもちろんブルゴーニュが並び、この通りのよりどりみどりの6本です。
タケちゃん出展の『99’オー・ボーセジュール』は『53’シャトー・ボーセジュール』を参照のこと。
ということで、これから少しずつ出展ワインのおさらいをするのですが、まずはこの一両日はお休み時間にしましょうぞ。(笑)

ワインの楽しみのあとには、充分な休息が必要ってこと、これ大事です!(笑)

2009 ヴォーヌ・ロマネ ジョルジュ・ミニュレ・ジブール

2017-05-18 20:26:20 | ワイン
今年のゴールデン・ウィークの最中に起きた奇跡的なワイン会の出展ワインの最後を飾るのは、その日スターターとなったワインなのですよ。
出されて飲んでみて、グラスの中で開ききる前は、一部ボーヌの意見もあったけど、少しの待ちでニュイの相当イイ年の物であることは容易に想像できた。
誰かがヴォーヌ・ロマネと答えて、それは正解となって、村名であることも告げられた。
もちろんヴォーヌ・ロマネは、名こそニュイの看板となってはいるけれど、むしろ一筋縄ではゆかず、いわゆる玉石混交といっても過言ではない。
ジャアそのワインはどうよ?と聞かれれば、総体的にはアロマティックでフィネスを備えた一級の風情すらある。
アペラシオンは分ったが、どこの地所を本拠地にしている造り手か?の質問が出て、てゆーかその質問はオレがした。(笑)
そこでタケちゃん、少し考えてヴォーヌ・ロマネと言う。



で、その後ゴチャゴチャと思いつくままヴォーヌ・ロマネの造り手の名を列挙したけれど、中々出てこず。
それでも最後の最後にジョルジュ・ミュニレと誰かが言ったのだ。
コレは偶然なのだけれど、ワレワレがあの本町二丁目の中華店で飲み散らかしていたワインはジョルジュ・ミニュレだったのだが、実は2009年からはミニュレ・ジブールと合併し、このヴィンテージからジョルジュ・ミニュレ・ジブールとなったとのことらしい。
もちろんその日ご相伴に預かったそのワインのエティケットにもそのように書いてある。
ジョルジュ・ミュニレ氏の2人の娘さん、長女のマリー・クリスティーヌが栽培を、次女のマリー・アンドレが醸造を取り仕切るようになって、むしろここのドメーヌの評価は上がっているといっても良いのだろう。
実際その日のヴォーヌ・ロマネもお見事の一言、正しく玉石混交の山から一発で玉を引き当てたかのようだった。
このドメーヌを忘れてはイケナイのだと心から思った。

2013 ルーシー・マルゴー リトル・クリーク・ヴァインヤード エステート・ピノノワール

2017-05-14 22:43:08 | ワイン
ワインダイヤモンズのオーストラリア系ピノノワールを全て一くくりには出来ません。
幾つかの『ルーシー・マルゴー』を飲んでみたけれど、確かにここの造りはその中でも際立っている。

それは溌剌とした果実感であり、流麗な酸度に支えられたバランスであったり、やや抑え気味の味わいの中の奥行きだったりするわけだ。
それでも、あのオーストラリアでどうしてこうも出来るのか?という思いはあったのだけれど、所詮薄旨の極限なのだろうと思うのも事実であった。

で、今回は伝家の宝刀の如く、『リトル・クリーク』を登場させた。
醸造人曰く、ここのピノ・ノワールは『シガーボックス』だと。
北西に面した斜面に太陽の跳ね返りを浴びて、それゆえ凝縮し甘いタンニンを熟してくれるとのことだ。
そのことで、フェミドールや西洋杉の香りを帯び、風味にソヴァージュ感が付与され、それが『シガーボックス』なのだと。



参加したWine Heatも異口同音、お見事です!
それはブルゴーニュ・ピノノワールと比べて、と言うことではなくて、このアデレードにある宝石を見つけたということなのだ。
そうかこれが『ルーシー・マルゴー』お手並み拝見いたしました。