The Wine Heat!

オテル・ド・ヤマダ ワインフォーラムの主催者であるDr.ヤマダのワインな日々の記録です。

2007 シャサーニュ・モンラッシェ プルミエ・クリュ ブードリオット ドメーヌ・ラモネ

2017-08-31 14:50:38 | ワイン
ここにきて、またあのヒルズ(cogitoさん)での合同誕生会に登場したワインとなるのだが、やはりこの表題のワインを外すわけにはいかんでしょう。
ドメーヌ・ラモネ、シャサーニュ・モンラッシェを造らせれば右に出る者はいないと言っても過言ではない。

実はこのワインが登場する前に、ちょっとしたやりとりがあって、最後は結局このワインに落ち着いた。
その経緯をここで詳らかにすると、野暮の上塗りになってはいけないので、ここでは割愛させてもらう。
で、結果はこのブードリオットは見事なまでに開いており、物凄いことになっていたのだ。



それはシャサーニュのミネラル感であったり、ブードリオット特有の樹齢の長さによる果実の凝縮感であったり、ジャストミートな飲み頃感などなど、全て備えた状態でのお出ましだったのだ。

ブードリオットの外向性や気立ての良さは、モルジョの上を行き、モルジョはその分長期熟成の任を任せられている!
ラモネは確かにモルジョでその緊張感とソヴァージュを味わうのも一興だけど、今回のタイミングはブードリオットで大正解だったと思う。

もちろんその日のコースの中盤を引き立ててくれたことは説明するまでもない。





まずはセレクトのマダム様に感謝をするしかないと言うことだ。

2004 KO イン・コ・ウィ・トラスト ティエリー・ピュズラ

2017-08-27 11:24:56 | ワイン
週末の疲れを癒しにワインなぞ・・・と、とあるワイン飲み処に寄って、こんなナチュールが出てくれば、もち嬉しいに決まっている。
こんなと言う意味には幾つか理由があるが、一つはティエリー・ピュズラであること。
もう一つはこの畑が『クロ・ド・ラ・ロッシュ』であることで、そのリューディーはミッシェル・オジェから譲り受けたものなのだ。
すなわち長きに渡ってのビオロジーの歴史があるということは説明するまでもない。



KOとはCotをもじったもので、すなわちCot、いわゆるマルベック種のこと。
この品種はボルドーでは添加品種で、カオールでは主要品種となっている。
仕込みはもちろん低収量の凝縮したCotを使用し、何も足さない、何も引かない、そしてSo2は無添加を旨とする。
さすれば想像するだけでワクワクするのも頷けるでしょ!

で、飲んでみると、カオールのマルベックよりは味わい柔らかで、タンニンもしなやかなのだ。
一方染み渡る酸度が瑞々しい果実感を呼び、ここがピュズラならではなのだが、旨みとコクが半端じゃないとくるわけだ。
そしてその香りは、甘いベリーにハーヴやスパイスを絡め、戻りに僅かではあるが酵母のニュアンスを添えている。

もちろんナチュール好きには即KO,そうではなくても食事にそそられるこのワイン!
充分な本数でないところは極めて残念なことではあるが、まずは追い求めてみようと思う。

1999 ヴォーヌ・ロマネ レ・オー・マジエール プリューレ・ロック

2017-08-27 00:34:27 | ワイン
その辺の色気の無いフレンチじゃあ、こんなことはまず無いと思うが、先日のヒルズのあのお店での合同誕生会で、例のDRCの前にこの表題のワインが登場した。
マダム曰くこれご馳走ね、とのこと。
いやいや・・・と言いつつ、注がれたこのワインを覗いて見れば、なんとその色合いはDRCのそれより濃密なのだ。



そもそもその昔に立ち返れば、ほぼ全てのDRCの色合いは薄い。
まあ90年代のそれを除いての話ではあるが。



で、このマジエールは果実味強く、ナチュールを向こうに張っての開けっ広げ。
香りは僅かにトリュフを感じ、心地良い赤系、すなわち熟したプラムのアロマがムンムンだったのだ。
タンニンは豊富だがしなやかで、酸度は適切に下支えをする。
変に過熟ではなく、程よい和らぎと滋味を持っている。
極論になるけれど、今飲むならこっちかな~とも思う。
それでも忘れてならないのは、DRCの際立った品格なのだけれど・・・
ともかくヴォーヌ・ロマネの99年というくくりで、素晴らしい経験をさせてもらった。
ありがとう!

1999 ヴォーヌ・ロマネ プルミエ・クリュ キュベ・デュヴォー・ブロシェ DRC

2017-08-21 22:51:02 | ワイン
ドメーヌ・ド・ラ・ロマネ・コンティ社のワインが神格化されている理由の一つに全てのワインがグラン・クリュだということがある。
1999年、聞くところに寄れば何と69年ぶりに、その決まりは覆された。
すなわち表題のヴォーヌ・ロマネ プルミエ・クリュがリリースされたのだ。
とは言っても、実はこれもグラン・クリュの畑から生産された物である。
すなわち、グラン・クリュ畑の若い木で、最初の収穫を見送られた葡萄の実からこのヴォーヌ・ロマネ プルミエ・クリュは造られたのだ。



ところでこのワインが、とんでもないシチュエーションで登場した。
それは六本木ヒルズのケヤキ坂の一軒家のあのフレンチで、こともあろうに一ヶ月遅れの合同誕生会の席上で開けられたのだ。

熟成期間は18年、確かリリース直後は香りはクローズ気味で果実は辛く押し黙っていたのだが、さて今は?

飲んでみて思うのは、今も果実は辛く引き締まっており、肉付きの良いタンニンと充分な酸味の下支えをみせている。
すなわち総体的には寡黙でシリアスなワインだ。
香りは正にリリース当初と同一線上にあるのだが、薔薇やスミレの花系は優雅でエレガンスを湛え、黒系のアロマに僅かに垣間見せる赤系が心地良い。

DRCの清水系のプルミエを飲んで、皆はどう思うのであろうか?
69年ぶりにプルミエを造るこの意味合いを・・・

まだこのワインは熟成の高原部のちょいと手前に位置しているのだろう。
すなわちほとんどのDRCと同じように、そのワインの本来の熟成状態にはいまだ至らずなのだ。

それでもその夜は素晴らしく楽しめた、その理由はこうなのだと思う・・・
それは他のグランクリュとは違って、このプルミエこそガストロノミックな力が充分に発揮できるワインであると言うことなのだ。



その日のメインの料理との相性の見事さは説明するまでもない。
料理とは関係なく、ラ・ターシュやリッシュブールだけ飲んで、ハシを休めるのも一興。
しかしながらこのワインは違う。
それはむしろいろんな意味で、このワインこそ、心置きなくディナーの主役になれるワインだと言うことなのだ。

2007 ヴォーヌ・ロマネ ラ・コンブ・ブリュレ ヴィエ・ヴィーニュ ブリュノ・クラヴリエ

2017-08-14 22:57:38 | ワイン
知る人ぞ知るブルゴーニュの造り手である。
こういう造り手に飛び付かない日本のブルピノ・ファンもどうかと思うけど、ワタクシにとってはありがたい。
なぜかと言えば、今でも価格的にリーズナブルに買えるのだ。

この2007年物は既に熟成の高原部の中腹に達していた。
香りにはいわゆる『葡萄の実が熟して、それが地に落ちて、はてどのようになるのか?』という答えが内包されている。
そこにはトリュフがあり、ドライなハーヴがあり、ブラックオリーヴがあり、アジアのスパイス市場のニュアンスがある。



それだけ枯淡の表情さえ見せるけれど、そこには厳然としたミネラルがあり、引き締まりもあるのだ。
シンプルに飲んでもいけてます。
でもやはり、このワインこそガストロノミックであるべきだと思う。
ささっと炙った肉が欲しい。
原点回帰のクラヴリエ、この街で誰がこのワインを欲するのか?
見ものだ・・・(笑)