The Wine Heat!

オテル・ド・ヤマダ ワインフォーラムの主催者であるDr.ヤマダのワインな日々の記録です。

第7回 モリオカ・ワイン・サンプリング・クラブ 日本のカベルネ・ソーヴィニヨンを飲む!

2017-02-26 20:55:43 | ワイン
平成11年から始まったこの会も、年一ペースで開催し、今回で7回目を数えた。
ニッポンワインを取り巻くワイン界の情況も、その頃は言い過ぎかもしれないが、まるで継子扱いで、まして盛岡ではそれを並べてワイン会なぞありえないと言う情況だった。
今回また岩手のブドウ栽培や生産醸造にかかわるメンバーとともに、表題のテーマで飲んでみた。
2本の泡、3本の白、6本の赤に、番外編の赤でつこう12本が開いた。











それらを飲んでいる間の出るは出るはのワインねたや造るうえでの意識のことなど、6年前のことを考えれば隔世の感がある。
で、いつものようにこんな感じで5品の料理と共にブラインドを絡めて楽しんでみた。













ココに並んだニッポンワインの幾つかは、フランスのグランクリュクラスを飲み込んだWine Heatを仰天させた。
そんなことどもも含めて、後ほどご報告することとして、今宵はこの辺で。

では・・・

1993 クロ・ド・ヴージョ メゾン・ジャン・フィリップ・マルシャン

2017-02-24 22:42:24 | ワイン
ジャン・フィリップ・マルシャンのメゾン物のヴィンテージは1993年だ。
忘れもしない今から20数年前、ここの『1992 モレ・サン・ドニ クロ・デ・ゾルム』を抱えながら、まるで道場破りのような風情で登場した若武者が今のタケちゃんなのだ。
そのときもメゾンのジャン・フィリップだったと思うが、こざっぱりとは造ってあるものの、モレのテロワを投影するオートクチュールの気配はあった。
有名ドメーヌ一色に染まっていた、時のワイン・ヒートの集団はそれをどう見たのかは、今となっては分からない。



で、今回のクロ・ヴージョは何処の区画であるかは定かではないが、濃密に果実は充実しており、やや野趣のある香りで、造りはクラシックそのもの。
ジャン・フィリップは今やドメーヌ物についてはリュット・レゾネで畑を耕作し、自然派のブルゴーニュとして名を馳せているけれど、さてメゾンはどうなのだろうか?
93年物をこのように造る造り手はそうそう居ないと思う。
それはあたかもモノリスの塔のようでもあり、その構築においては基礎を充分に吟味しているかのように堅牢だ。
そして香気は黒系に染まり、湿った土、焙煎珈琲、黒胡椒、カシス、ブラックベリーが立ち上がる。

まずもってジャン・フィリップ・マルシャンは、手ごろにブルゴーニュの醍醐味を楽しむのであれば、一つ抑えておくべき造り手の一人になるのだろう。

好きもの親父的持ち寄りワイン会、定番です。

2017-02-19 09:43:53 | ワイン
テーマはブルゴーニュ・ピノノワール!
横から見ても、縦から見ても定番だ。
このテーマになると、さすがに各々持ち駒ありで、それを無視するヤカラは当然のことながら出てこない。
で、やはりこのようなラインナップとなった。





スタートの白ワイン『シャルドネ・ヴァ・ドンク ラタ・ボウル』はジュラのラファエル・モニエのシャルドネである。
もちろん、ここ最近の評判のビオ系ジュラで、実際飲んでみて、その沁み具合が心地よく、皆も楽しめたようだった。
そして次からブルピノが最後まで続くわけだが、それなりの流れとなった。
ラドワの次にルーミエ02’ブルピノ、これはワインの格を考えれば、もう少し後の登場になる駒なのだが、偶然にもジャン・ジャック・コンフュロン繋がりが発生したので、この順番になった。
そして最後の〆は忘れもしないジャン・フィリップ・マルシャンの93年物クロ・ヴージョ!
このワインに関する様々な事どもは、また次の機会に譲るとして、ともかくこのようなラインナップとなった。

いつものように、詳しいコメントは追々書かせてもらうとして、まずはこの辺で朝風呂に入ろうかと思う。
では・・・(笑)

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13’レ・ボーモンであれば、ココからどうぞ!


2013年 グレイス キュベ三澤 明野 甲州 中央葡萄酒

2017-02-16 16:25:46 | ワイン
棚からぶら下がるオレンジピンクの甲州種を見れば、それが山梨は勝沼での原風景になるのだが、このワインは違うのだ。
それは中央葡萄酒の三澤社長がワールドスタンダードな甲州を目指し、垣根仕立てで甲州種を育てたことから始まる。
結果甲州種の味わいは凝縮し、とてつもない出来映えとなったのだ。
特にもこの2013年ものは、その生育方法によって飛びぬけて葡萄が素晴らしく、ワインはデカンター誌のワールド・ワイン・アワードでゴールド・メダルを獲得した。





緑がかった淡いイエローで、外観はレッグスも太めで落ち着いた印象だ。



爽やかな柑橘の風を感じ、ステアーすれば白胡椒、タイム、生姜、それとドライなハーヴをワタクシは見逃さない。
待てばスモーキーさの中に、蜜蝋の宝物も見つけられるのだ。
果実は辛口に締まっており、喉越しはスムーズで、最後の最後に僅かなエキスの甘みを感じえる。

その日は『白菜のスープ』『肉揚げ団子、つま 人参 大根』『とろろ芋千切り』などと合わせたのだが、まじアッビナメント♪







和の食事にワールド・スタンダードな甲州を合わせるなんつあ、そんじょそこらのwine heatじゃあ出来るめえ~(笑)

まあコレは冗談だけど、思いっきり楽しい食事だったことは言っておく。
教科書だけ読んで、ジコマンに浸っている御仁には出来ないと思うが・・・

では!(笑)

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セットの中に『キュベ三澤 明野 甲州』が入っています。

2002年 シャブリ・グラン・クリュ ヴァルミュール フランソワ・ラヴノー (2)

2017-02-15 21:50:47 | ワイン
そしてその日のラヴノーだ。
80年代の後半に83年もののビュトゥーというプルミエを飲んだ時よりは熟成は進んではいなかった。
というのも、83年ものにはどこか貴腐化したかのようなニュアンスも見受けられたのだ。
それからもう一つ言えることは、これはラヴノーに限らず、シャブリの姿はグランクリュよりもプルミエクリュによってそのテロワを体現できる。
だから硬質のミネラリーに煌く、それこそシャブリ然とした味わいと香気はビュトゥーに軍配が上がるのは火を見るより明らかなのだ。



それでも、このヴァルミュールの凄みはワインとしての正統性にあるのだと思う。
それはシャブリというアペラシオンに限定しての凄みではない。
ユニヴァースと言えば語弊があるかと思うけれど、それだけ有無を言わせぬオーラがある。

ここまで言うと、分るかとも思うが、その日の寿司との相性がどうのとかではなくて、その造り手の気合いを感じながら飲んでいるのだ。
Wine Heatの皆さんを前にして、こんな事どもは、無用のハナシだと思うのだが、そんな記念日のラヴノーではあったのだ。

そうゆうワインもたまにはあってもイイのだろう・・・
正しくシャルドネの油、そんなラヴノーいただきました。