The Wine Heat!

オテル・ド・ヤマダ ワインフォーラムの主催者であるDr.ヤマダのワインな日々の記録です。

2016 プティ・プソー ドメーヌ・ド・ロクタヴァン

2019-05-13 05:36:50 | ワイン
ナチュール系のワインで飲んでシックリ来るものを挙げよ!と言われれば、この造り手と『マイ・エ・ケンジ・ホジソン』を挙げるだろう。
『マイ・エ・ケンジ・・・』はロワールだが、この造り手はアルボワで、シャルル・ダガンとアリス・ブヴォのカップルが5haの畑をオーガニックに耕作して、自然なワインを少量生産している。

今回いつもの鮨屋で開けたものはアルコール度数12%のシャルドネ100%の白のフラッグシップと言えるワイン。
とりあえず醸造において一切の化学的な介入は行っていない造りなので、その香りと味わいは出たとこ勝負の感がある。



しかしながらワタクシにとっての『ロクタヴァン』はいつも裏切ることはないのだ。
このワインもユルユル、シミジミとしたスタートだが、中盤から底味のエキスの立ち上がりが半端じゃなくて、壮麗なにごりワインをマッタリ、ジックリと楽しむ事が出来るのだ。

それは大地に舞い降りた天使のようでもあり、むしろ極めてニッポン的な天女の羽衣のようでもある。
だからシックリ合うわけで、DNA嘘つかないの原則は、このワインでも踏襲されるというわけだ。

で、一つだけ触れておかなければならないのは、このワインもその他の『ロクタヴァン』も、価格が比較的高いということ。
それに関しては、心して飲んでくだされ!ということなのだ。
まあそれも、The Wine Heatに述べるということは、老婆心でということではあるのだが。
さてさて・・・

1995 アメリア シャルドネ コンチャイトロ

2019-05-04 16:20:35 | ワイン
このワインが先の『パパジイ』で目隠しで登場したのだから堪らない。
もちろん出題者はタケちゃんに決まっている。

確かにアルコール度数は相当あるのは承知したが、ブルゴーニュだって良年ならばこれくらいの物はフツーにある。
加えてバランスも相当に良かったし、香り的にも魅惑の局地、そして肝心のエレガンスもある、結果速攻ブルシャルと答えた。

そしてらタケちゃん、違う違うのジェスチャーをするものだから、さて困ったと言うわけだ。
不正解でシャルドネ産地の世界一周旅行をした後で、やっとこさチリに辿り着いた。



このワインこそ、コンチャイトロの創始者ドン・メルチョーが愛して止まなかった妻の『アメリア』の名を冠したシャルドネ。
チリ最高峰のシャルドネであることはもちろんのこと、世界のシャルドネが束になってかかっても、そう簡単にはこのワインを打ち負かすことは出来ないだろう。

そしてヴィンテージは1995年、チリにおいてシャルドネにとっても例外的に良かった年だったようだ。
そして黄金に輝く蜂蜜垂らし~の、パインを漬け込み~の、スパイシ~のなどなど、モンラッシェ様も及び腰になるスンバラシイ劇的シャルドネが出来上がったと言うわけだ。

ここまでコンチャイトロやチリワインを小馬鹿にしてゴメン!そしてこのワインを飲んだ以上、造ったドン・メルチョーにも敬服せざるを得ないのだ。
ワイン好きの皆様にも『アメリア』を瓶熟させて、ココまでくることを伝えたいのだが、まあワインが無いのだからさてさて、というところ。

またこの夜もワインのラヴィリンスに迷い込んでしまったようだ。

1989 シャトー・ディッサン マルゴー

2019-05-03 23:53:23 | ワイン
令和になってはじめての『パパジイ』でこれを開けた。
30年目を迎えたヴィンテージは例外的に良くて、無論ストローク的にはおそらくイイ感じに練れてるだろうと思われた。

リリース直後のイメージは思いのほか辛めで軽い印象だったけれど、今飲んでほほ~と思ったのだ。
実にステキな熟成感で、ほど良いボディーと味わい深い底味が存分に楽しめる。
そして香りはハードボイルドなボルドー古酒、加えてマルゴーのミネラルと金気臭さも感じ取れるのだ。



ここにきて、ボルドーのグランクリュクラッセの中堅どころのここまで熟成した物を味わえる機会は少なくなったけれど、やはり時折り折りに試してみたいよね。
やはりそこには、他には無いシリアスな部分の何かがあるんだよな~
だからその時の記念『パパジイ』では、ソレを感じてみたくて開けた。
そして美味しく飲めた。

造り手の技量は変わるけど、地所のポテンシャルは変わらない。
やはりディッサン、意外にも良いテロワールなのだろう!