The Wine Heat!

オテル・ド・ヤマダ ワインフォーラムの主催者であるDr.ヤマダのワインな日々の記録です。

2000 アリエント マッサ・ヴェッキア

2018-09-30 16:25:06 | ワイン
ファブリッツィオ・ニコライーニとその家族による、トスカーナ州の南端グロセットー県のほぼ中央に位置するマッサマリッティマにあるアジェンダ。
1986年より標高200~450mの2.1haほどの畑で葡萄生産を始めたが、現在は5haとなり年産12000のワインがリリースされるという。
この2000年のアリエントはヴェルメンティーノ100%による白ワインで、初代ファブリッツィオの手によるものだ。

まずはこの色合いを見て欲しい。
一概にオレンジというのではなく、何とも表現の出来ない山吹色?マロン色?そこに僅かなオレンジのニュアンスがあるのだ。





一口含んでみると、また異次元の味わいに感動する!
それは醸しによると思われる、しっかりとした内実の強さと微かなタンニン。
そこにフレッシュな黄色い果実の味わいが迫り来るのだ。
そしてこの芳香も特筆すべきもので、白胡椒、サフラン、グランマッサラ、そして白檀をも連想させる。
飲み口は優しく、丸く、滑らかで、飲みきれば忘れがたい余韻が長く続くのだ。

その日は『クマ牧場』さんのこんな料理と合わせてみた。
もちアビナメントで、言うことなし。





ニコライーニ家の財宝を掘り当てた感はわたくしだけでは無いはず。
むしろ何とも伝えきれないのが、もどかしいと思うのだ。

2009 バローロ レ・コステ ジュゼッペ・リナルディ

2018-09-14 23:31:37 | ワイン
つたない経験を言わせて貰えば、今までいろんな造り手のバローロを飲んだ。
それは今から30年ほどさかのぼる。

まず始めにボロゴーニョの古いやつに出会い、そこからアルド・コンテルノに行った。
そしてジャコモのモンフォルティーノ、続いてヴィエッティ、そしてブルーノ・ジャコーザときた。
そうこうしているうちに、バローロ・ボーイズが話題になり、パオロ・スカビーノ、パルッソ、チェレット、そして極め付けはヴォエルッツィオになるのだろう。
で、この時代の最後の最後に忘れてはいけない造り手はルチアーノ・サンドローネということになるかな?

こんなバローロ経験の中でも、何といってもジュゼッペ・リナルディのバローロは別格なのだ。



古典派、中間派、バローロ・ボーイズの、世に言うバローロの分類はあるけれど、そんなことなどされかまないで、大好きなバローロは?と問われれば、間違いなくコレを真っ先に挙げるだろう。

ピエモンテの伝統的な造りであることは間違いないけれど、そこにあるエレガンス、果実の味わいの力強さ、そして一たび熟成に達した時の香りの見事さは、他のバローロの追随を許さず、その存在は揺るぎはしないのだ。

ともかく最初から市場には無く、当主ジュゼッペが亡くなった今では、買えるチャンスはまず無いけれど、ネッビオーロ・ダルバやバルベラを運良く見つけたら買い置くべし。

当方、レクイエムで09’レ・コステを開けた。
引退直前の傑作の一本と言ってもいいのだろう。

飲むほどに合掌。
かえすがえすも残念と思うのだが、それはワタクシだけではないのだろう。


2016 ゼルリーナ ドメーヌ・ドゥ・ロクタヴァン

2018-09-09 18:54:20 | ワイン
自然派と呼ばれるワインの造り手の中で、好みの造り手を5つ挙げよと言われたら、このジュラの造り手をはずすわけにはゆかない。

アリス・ブヴォとシャルル・タガンの夫婦二人のワイン造りは、色の抽出よりも地場の個性豊かな風味の抽出に重きを置いている。
従って骨格堅固なトゥルソーでさえ、色は淡くじゅわっと沁み込んでくる様な果実の美味しさが表現されているのだ。

そこには美しい酸味と炎天下で丸ごと果実を頬張るような瑞々しさがある。
そしてその香りには杏子や黄桃に熟したチェリー。
加えて地場の土の風味にお出汁のアクセントのオマケつきと来る。

奇しくも2016年はラベルも一新され、ピノとの混醸からトゥルソー100%となった。





優しく染み入るトゥルソーの魔力に週末の一夜を委ねてみたらどうだろう?
まず間違いなく昇天するに違いない・・・

ちょっと言い過ぎか?(笑)
ともかく、まずは飲んでみなはれ!

2011 ル・マゼル ヴァン・ド・フランス ルージュ キュベ・ラルマンド

2018-09-06 20:51:08 | ワイン
もともと葡萄栽培は祖父の代の1919年から始めていて、ローヌの南部アルデッシュの小さな村ヴルヴィニエールに19haの葡萄畑を所有しているとのことだ。
現在の当主になって自然農法に転換をし、当然のことながら醸造においてもナチュラルで高品質のワインを目指すようになった。

『ル・マゼル』はこれまで数回飲む機会があったが、先日ご相伴に預かった11’物のラルマンドは飛びぬけて旨かった!
シラー100%のナチュールがココまで来るのか?という衝撃があったのだ!



果実のはじけ感と引き締まった酸味の見事さもさることながら、何といっても特筆すべきは、まるで長期熟成でもしたかのようなその香りに尽きる。

腐葉土、和風だし、シナモン、陳皮、サフランや種々の漢方などなど・・・
どこでどうしてこんな香りが生まれるのか、それはナゾだ!

こういうナチュールには一票を投じてもイイ。
スイスイと飲めて、ガストロノミックでもある。
そして何よりも後腐れがない味わいなのだ。

『ル・マゼル』、もしあったら買い置くべきワインだと思う。

ココから買えます↓


1994 シャトー・ラベゴルス マルゴー

2018-09-02 18:05:55 | ワイン
このワインは先日の『パパジイ』のタケちゃんの出展ワインだ。
もちろん、会が盛り上がったところで、ブラインドで供された。


(右端がシャトー・ラベゴルス)

エッジが僅かにマフォガニーに染まり、黒い果実はほぼ芯まで見えない。
果肉は濃蜜で噛み応え充分なうえ、少しばかり粉っぽさも垣間見れた。

その香りは滋養を湛えた心地良いボルドーの古酒を思わせ、待てばガトーや黒砂糖も意識させる。
ふむふむ・・・と一呼吸置いてから、90年代のボルドーまでは当たり!

で、何年つうことになるけれど、98年当たりかと思ったが、不正解と言われた。
さすれば、もし格付け無しのボルドーならば、94年あたりのカベルネ・ヴィンテージもあるのかな?
と聞いてみたら、それがご名答だった。

さてじゃあ村名は?と話題は移ったが、左岸は間違いないだろうと思い、これも当たり。
次にこの時点で、まだ格付けは当然ありのシャトーを信じて疑わず、そうなるとサンテステフのクリュ・ブルジョアなのでは?と思ったが、これは外れた。

そうなると、ヴォリュームはあるが、果実にマルゴー村特有の辛味を少し感じるので、マルゴーなのでは?と聞いたところ、それで一件落着となった。

格付け無しのマルゴー村名、CS50%、M45%、CF3%、PV2%のセパージュ、89年よりワイン愛好家で知られる石油王ユベール・ペドロ氏に買収され、近年そのワインの質を急速に向上させたと言われる『シャトー・ラベゴルス』が正解だった。

何度も言うが、格付け無しでも恐るべし、まずは見つけたら飲んでみなはれ。↓

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