The Wine Heat!

オテル・ド・ヤマダ ワインフォーラムの主催者であるDr.ヤマダのワインな日々の記録です。

2012 ブルゴーニュ・シャルドネ レ・シャルム ティボー・リジェ・ベレール

2018-01-25 22:59:16 | ワイン
ブルゴーニュのライジング・スターによるブルシャルを、先日『グラスト』さんでいただいた。
ティボー・リジェ・ベレールと言えば、リッチで濃密な赤ワインが有名なのだが、このブルシャルはスタイルがちと違う。
実に引き締まった味わいの、スタイリッシュでフレッシュな果実が印象的なブルシャルなのだ。



聞くところに寄れば、マコネのリュニーのシャルドネが60%、シャロネーズのモンタニーのシャルドネが40%のセパージュで使われているとのことなのだ。
どうやらこの味わいは、マコネのフレッシュ感とモンタニーのコクの強さの合作ということらしい。

ともすれば、この造り手の赤にあやかって、濃密まろみのシャルドネを期待する向きもあるけれど、これはコレで良いと思う。
なぜかと言えば、たとい食事なしでもグラスでユックリと待つことによって、その生産地の特徴の現れが経時的に変化をするのだ。
それがまた絶妙で、たかだかACでありながらも、グラス一杯のシャルドネだけでも楽しませてくれる。
これは言い過ぎかもしれないが、この時点ですなわちそのアペラシオンを超えているということ。
まあそれこそライジング・スターと言われる所以なのだとも思う。

そちこちのブルシャル飲んでみて、最近また楽しくなってきた。

では・・・

2000 サッシカイヤ テヌータ・サン・グイード

2018-01-19 22:38:45 | ワイン
盛岡に戻ったのが1981年。
数年たってワインに染まり始めた頃、セピア色のあの場所でこんなのがあるのですよ!と、知る人ぞ知るムッシュ・Kに差し出されたのが『サッシカイヤ』だった。
記憶もだいぶ薄れてきたけれど、確か1982年ものだったと思う。
そんなヤリトリがあれば、そりゃあ抜け出せなくなるよね、ワインにどっぷり嵌ってしまうのも分るよね。

その当時、サッシカイヤを素晴らしく思ったのは、そのイタリアらしからぬ味わいに寄るものだと思う。
どうしても当時のイタリアワインは派手目の味わいで、バランスよりも濃い味わいに重きを置かれているものが多かったのだ。
その中で、サッシカイヤは誰の目にも異彩を放っているように見えた。



それは濃密さの中に複雑性を内包するエキスがある。
加えて果実を堅牢に支える引き締まった酸味があるのだ。

そんなことを思い出しながら、昨日久しぶりにサッシカイヤをご相伴に預かった。
ヴィンテージは2000年、オフではあるけれど、それだけに期待できた。

僅かにエッジはマホガニーに染まり、芯は濃密なガーネットに輝いている。
カベルネの鼻をくすぐるスパイス感とタールのニュアンスが心地良し。
そこに焙煎珈琲がアクセントを付与し、探せば鰹出汁をも見つけられるのだ。
言うなれば和のテーストさえ感じうる滋養系カベルネ・ソーヴィニヨンというのかな。
そうそう正しくこれはラフィットのカベルネじゃん!(笑)
ああ、言っちゃった。

熟成期間は18年、これだけ練れてメタモしたサッシカイヤを飲む機会はそうはないのだろう。
まずは出展者の珈琲店主氏にありがとうと言わねばなるまい。

2010 モレ・サン・ドニ クロ・ド・ラ・ブシェール ドメーヌ・ジョルジュ・ルーミエ

2018-01-14 00:09:10 | ワイン
ええ・・・2010年です。
ジョルジュ・ルーミエです。
モレ1級ですが、眼が飛び出るほど高いです。

まあこのコストについて、何をしてココまでなったのか?ということについて、議論する時間はワタクシにはない。
それよりも、気の合うワイン仲間をよえて、サア飲もうじゃないか!ということになる。

確かにルーミエが特別にエレガンスという不可触領域にあることは分る。
ただし万札4枚でオツリが少し。



たとえば、プロの料理人にこのワインに合わせて何か・・・と、平気な顔で、気軽にお願いできる代物ではないのだ。
その日のルーミエも、もちろんまだ熟成の高原部には達していないのだが、繊細な果実と、精緻な舌触りは見事の一言。

サアこのタイミングで、皆で飲みきることは勿体無いことなのかどうか?
そうではない、実はコレもブルピノにとっての第一次賞味期間なのだ。

で、次なる賞味期間にジブンは飲めるのかどうか?
それがモンダイだ!

1986 ブルネッロ・ディ・モンタルチーノ ビオンディ・サンティ

2018-01-11 23:41:19 | ワイン
4人の子供のためにイロイロなヴィンテージワインもよえたけれど、いざとなると中々開ける機会はないのです。
もちろん二十歳の誕生日なぞには、それぞれ開けもしたけれど、それ以降はサッパリというのが皆さん偽らざるところなのだと思う。
で、この際帰って来たときにでも、ササッと開けてしまおう!と、最近は思うようになってきたのです。

そんなこんなで、年明けの7日に次女が帰ってくるとのことで、早速シカちゃんの所で表題のワインを開けることにしたわけだ。
『ビオンディ・サンティ』このアジェンダは説明する必要は無いでしょう。





でも少しだけ語らせてもらうことにする。
先代のフェルッチオが苦労の末、小粒でカビに強い果実をつけるクローンを分離に成功し、それから出来たサンジョベーゼ・グロッソのワインがこれまた通常のサンジョベーゼよりも濃厚で、長期熟成に耐えれるものとのことだった。

で、娘にゃ悪いがショウジキ言うと、熟成期間が31年目ときた。
そろそろいい塩梅なのでは、と睨んだわけ。

スロヴェニアンオークの大樽で発酵熟成、リリースまでその期間たるや、なんと5年の歳月を待つという。
今時のキレイなブルネッロももちろん良いけれど、わたしゃクラシックで土臭い、待てば海路的なブルネッロを欲するのだ!(笑)

実際、シカちゃんのこんな料理と合わせたけれど、もちアビナメント!





(盛岡 リストランテ・シカザワ)

芯は深めのガーネットの色合いで、エッジはマフォガニー色に染まっている。
ブーダンノワールを連想さす鮮血の香りに、焙煎珈琲と土のニュアンス。
柘榴、イチジク、干したプラムの果実香。
果実はシッカリとした強めの構成で、メリハリの利いた酸味がそれを支えている。
いうまでも無くエキスのポテンシャルは長期熟成の約束済みときた。

86年はリゼルヴァではないものの、かろうじて熟成の高原部をひた走っていた。
娘が帰って来て、いさぎよく開けてヨカッタね!
これだからワインは止められない!というのはショウジキな感想なのであ~る。

2015 ブルゴーニュ・シャルドネ ドメーヌ・フーリエ

2018-01-09 23:07:01 | ワイン
ドメーヌ・フーリエと言えば、今をときめくジュブレイの造り手だけれど、何とシャルドネはこのアペラシオンしか造っていない。
つまり唯一の白ワインがACブルゴーニュのシャルドネということになるわけだ。

でもそのシャルドネが凄い!
ナニが凄いって、まあ飲んでみなはれ。



まあ優良なシャルドネが皆そうであるように、果実味が豊かであり、香りが馥郁と複雑に立ち昇り、旨みに何とも表現のできない上品さがある。

聞くところに寄れば、畑はリュット・レゾネにより、化学肥料は極力使用せず、硫酸銅を少量のみ。
ギュイヨ仕立てで収量制限をし、100%除梗をする。
発酵前には半分を破砕して、クールマセラシオンを3~4日、もちろん自然発酵。
18~20日の発酵期間の後、20%を新樽で18ヶ月熟成をするとのこと。
そして説明するまでもなく、オリ引き、清張、フィルターは不使用との事だ。

こうして精緻に造り上げられたものが、アペラシオンのベースラインとして売り出される。
そして値段はほぼ村名のレベル。

しかしワインの質ははるかにその上を行く。
皆欲しがるけど、本数は限られている。
買えない・・・

そんなフーリエの白ワイン、飲んで気がついた人居ただろうか?
むしろ、居てくれたらアリガトー!なのだ。

まずは凄すぎるシャルドネだった。