The Wine Heat!

オテル・ド・ヤマダ ワインフォーラムの主催者であるDr.ヤマダのワインな日々の記録です。

1999 バルベーラ ダスティ ヴィーニャ・デル・ノーチェ トリンケーロ

2017-04-29 17:05:02 | ワイン
このワインを『パパジイ』出展ワインの最後にする。
ワタクシが持ち込んだものだ。

さて何から説明するべきだろうか?
そうそう1999年だからといって、このワインはそんなに前に買い込んだものではない。
というのも、このワインに限っては、リリースもヴィンテージによって後先になる。
すなわち、優良年は熟成に時間がかかるので、そのリリースは遅くなる。
だからそれよりも後のヴィンテージの物が先にリリースされるということがいくつもあるということなのだ。

説明するまでもなく1999年はイタリアのダスティ地区の優良年。
だからジックリと飲める状態の少し前にリリースされて、いきなり今回の『パパジイ』の連中に出されたのだけれど、トーゼンのように皆揃って旨い!と唸ったのもうなずけると言うわけだ。

『ヴィーニャ・デル・ノーチェ』は樹齢70年の古木のバルベーラで造られた『トリンケーロ』のフラッグシップである。
厳格な収量制限のもと、良質な葡萄のみを摘果し、長いマセレーション、自然発酵、スロヴェニアンの大樽で2年にわたる樽熟成で造られるとのこと。



これだけ聞かされると、がちなバルベーラを思い浮かべるかと思うけど、それは違う。
実に生態親和性のある優しい果実の薫り高い逸品と言ってイイのだろう。
もちろん内実はある、しかし精緻なバランスと密やかなエキストラクトが飲み手を桃源郷へといざなうのだ。

クラシックで正統な、がちバルベーラの対極にはあるし、ナチュールの範疇でもあるが、何だろう両方のワインヒートの納得を得られる数少ないワインと言ったら言い過ぎか?
今回コレを飲んで、そんな気がした。

1995 ムルソー・ルージュ クロ・ド・マズレー ジャック・プリュール

2017-04-25 23:10:39 | ワイン
出展者のタケちゃんは、このワインをまるで厄介者を紹介するかのように出した。
確かに珍品ではあるけれど、飲んでみるとまさに正統なワインで、しかも熟成の高原部に差し掛かるところの、実に旨いワインだった!

ジャック・プリュールの単独所有の『クロ・ド・マズレー』は、シトー派の修道士によって作られて、古くから赤と白両方のワインが生産されている。
赤白のワインが同じクロで生産されると言うリューディーは他にあるのだろうか?
さすがにこの場所での赤ワインは白ワインの10%ほどで、生産量は数千本、日本には5ケースほどが輸入されているとのことだ。
だからその稀有なワインの、しかも1995年物が出てくること自体まず在り得ないことなのだ。



で、飲んでみて最初の思ったことは、タイトで、ミネラリーで、適切な酸味があり、好ましげな熟成香を楽しめるワインであるということ。
そうすると色合い薄めの、マフォガニーの要素もあるゆえ、90年代半ばと思っていて、それはフツーに当たった。
次にやはり酸味の下支えの確かな感じが印象に止まり、これは恐らくジュブシャンのプルミエ古酒、しかもクラシックな造りの中堅どころと踏んだ。
周りの皆もそう思ていたところ、出展者の速攻の種あかしで、流石に今回はビックリしたようだった。

ええ・・・ムルソー?

でも良く考えてみれば、ムルソーの粘土石灰岩質のリューディーではこのミネラル感と酸味もうなずける。
一方ではモノポールでしかも村名というのにはオドロキを禁じえなかった。
ジュブシャンのレベルがムルソーの上を行くとまでは言わないが、軽くプルミエはあると踏んだ見事な酒躯は、ムルソー・ルージュ恐るべしの警鐘を鳴らしたのだ。

飲めばゼッタイ外さないワインを飲んで、ああやっぱり素晴らしいと喜んだ時代もあったよね。
でも何それって、厄介者だと思っていたワインが、上手く化けてへ~~と感心する、そんなヨロコビが最近富に楽しみになってきたようなんだ。

やはりワインのパパジイになったって言うことなのかな?
へへへ・・・

1998 スペルス ランゲ ガヤ

2017-04-24 21:40:13 | ワイン
もちろんこの日のトリを取ったのはこのワインなのだろう。
もう『ガヤ』という名を耳にしなくなってから、何年の月日が流れただろうか?
インスタントで開けポンの横行する昨今のワイン業界で、この手の本格的に凝縮してオートクチュールなイタリアワインを飲む機会は随分と減った。
さりとてジブンも日常は前者のワインが多く、まさしくその通りなのだけれど、それでもこんな機会には特別枠のこういうワインに登場して欲しいのだ。



『スペルス』なんともオヨヨな名前だけれど、これこそガヤ家のバローロなのだ。
ご存知の通り98年には、世評なぞされかまないでDOCはランゲで出されたけれど、それは質を落としたのではない。
サン・ロレンツォやソリ・ティルディンなどと同じ塩梅で、質を高める為の格下げなのだ。

まあ能書きはここまでとして、実際飲んでみて思うのは、このワインこそ出展者の特別待遇で大事にここまで熟成したのだろうということ。
それは開けたての鼻をくすぐるミネラル感やら濃密ネッビオーロ特有のマオタイの香り、そしてステアーして立ち昇る濃密なブラックチェリーのキルシュの香りが証明する。
果実はフルボディでバローロでも究極のストロングスタイル、濃密でリッチ、しかしながらバリックの恩恵で飲み口もほどほどなのだ。

このワインを飲んでいると、あの本町二丁目を思い出すのはワタクシだけだろうか?
ワインの色合いは向こうが見えないほど黒系だけど、ココロはセピア色に染まるのだ。

94&13 シト・モレスコ アンジェロ・ガヤ

2017-04-23 16:50:48 | ワイン
イタリアをテーマとしたパパジイで、この奇跡的な偶然が生まれた。
全くの持ち寄りで、ガヤの赤のカジュアル・ブレンド、すなわち『シト・モレスコ』を垂直でご相伴に預かることが出来たのだ。

ガヤといえば、もちろんバルバレスコとなるわけだけれど、『シト・モレスコ』はそこのネッビオーロにメルロとカベルネ・ソーヴィニヨンがセパージュされてできている。



で、今回のパパジイでは、まず最初に1994年物がブラインドで登場した。
色合いは濃密でエッジはガーネットに輝いており、わずかにマホガニーのニュアンスも見て取れた。
加えてタケちゃん持込の通例に習えば、ボルドー系古酒をまずもって外すことはできず、さすればこの熟成感はボルドー古酒と即答しそうにもなった。
しかしながらある種の香辛料と蒸れた土の香りのあとに、僅かに香る赤い花の香水の香気とセミドライなプラムのニュアンスがさてさて?となったのだ。
で、思い切ってイタリア北部から中部の地場+ボルドー系の何か?と狙ったところ、その類推は見事に当たった。

それで驚いている最中に、タケちゃんがT介さんの持込ワインを開けて言うには、実はこれも『シト・モレスコ』でした~だと。
何とこれも示し合わせるかのように『2013年 シト・モレスコ』だった。

力強く張りのある果実には、噛めるほどのコクがあり、やはりそこにはボルドー系以外の赤い花の香水と黒系から赤系に踏み入る果実香がある。
繫がっている、もちろん繫がる筈だ、同じワインの垂直だもの・・・
と何気に納得するも、この奇跡的な偶然には皆正直オドロキだったのだ。

これを春の椿事とするか、ご褒美とするかは飲んだものだけが知っている!とだけ言っておこう(笑)
では・・・

『好き者親爺的持ち寄りワイン会、パパジイ』イタリア編!

2017-04-22 05:26:59 | ワイン
前の会からゆえあって2ヶ月が空き、やっとこさ開催にこぎ付けたのだけれど、不意の2名の欠員が出た。
それでもそのことを知っていたのだろうか?まあそんなことはありえないと思うのだが、とある御仁がもう一本追加で持って来たのだ。

で、そのことから、アル意味奇跡のようなラインナップが生まれる。
すなわちそれは、ガヤ繫がりであったり、そのガヤのシト・モレスコの垂直という離れ業的ラインナップなのだ。


(写真右からの登場です。)

このことは全くの偶然な産物で、前もっての示し合わせなどは無い。
一つだけ誰かさんが『スペルス』持って来るという噂だけはあったのだけれど・・・

で、このような流れとなって、伝統的な造りと新しいナチュールな造りの饗宴となったのだ。
諸般の事情で参加できなかった御仁はコレを見て、残念な気持ちになったに違いない。
悪いけど、ホントーに美味しかった、ゴメン!(笑)

てなことで、戯言はこの辺にして、今日より少しずつコメントを書き足してゆく。
まずはその日の出展ワインの雄姿をご覧あれ!