The Wine Heat!

オテル・ド・ヤマダ ワインフォーラムの主催者であるDr.ヤマダのワインな日々の記録です。

2007 トウー・ハンズ アレス・シラーズ オーストラリア

2018-07-29 17:36:38 | ワイン
このワインをタケちゃんが持って来たのは憶えているが、ブラインドで出されて、何と答えたのかを忘れた。
一本前の04’のベルナルディーヌをカジュアルボルドーの熟成古酒ではないか?と勘違いしたまでは憶えている。
記憶もまあそこまで。
もちろん最後の『99’マッサ・ヴェッキア』に至っては、飲んだことすら微妙な状態だった。



でもまあ飲ませるために開いたワイン会だ、一番大事なワインが登場する前に、飲みすぎてしまう俺が悪いということだ。

で、タケちゃんから明かされた答えが南オーストラリアのシラーズと言うことだった。
ここで微かな記憶を手繰ってみると、そうそうNJLのクスダさんのワインのようだ、と答えたのを思い出した。
それがシラーズだとまでは言わないまでも、的外れではなかったということになる。

南オーストラリアのバロッサヴァレー、マクラレン・ヴェールのシラーズと言えば、まず思い出すのがペンフォールド・のグランジだよね。
このワインはそれを髣髴とさせるエナジーとコンデンスを有したシラーズだけれど、そこに冷静さとスタイルの良さがあるわけだ。



グラスに注いでみると、僅かに香るアニゼットやメントールのトップに黒系のフルーツのジャミーなアロマが立ち昇る。
それはブルーベリー、干したプラム、ブラックカラントなどなどで、そこへダークチョコや西洋杉のニュアンスも見つけられるというわけだ。

甘く濃密な果実にはタンニンの一切の咎めは無く、適切な酸度と相まってスルリと喉を通り過ぎる潔さ。
こうくれば、流石に保守本流のフランス・ワインでは中々見つからないでしょう。
で、そんな感じで類推したのだろうけれども、酔ってたオレでも、恐らく相当な値段なのだろうことは容易に想像できた。

もちろん思ってた通りの桁外れのシラーズだったということは報告しておく。
毎度毎度のありがとさんでした。

2008 コルトン レ・ロニェ ブリュノ・クラヴリエ

2018-07-21 04:46:44 | ワイン
このグラン・クリュほど厄介なグラン・クリュはない、と思っているのはワタクシだけだろうか?
これまでもその当たり、不当たり具合は正しく分裂症に近く、ブルゴーニュ好きの期待を悩ましげなものに変えてきた。

今回のワインも当初その様そうに苛まれもしたが、ロヴマイヤーのグラスで充分に待ちの時間を持ったところ、『レ・ロニェ』の真価を見せてくれた。
『レ・ロニェ』はコルトン赤でもラドワ・セリニー村の優良畑であることは説明するまでもない。
同じリューディーのドメーヌを幾つか挙げれば、フェヴレーのクロ・デ・コルトン、ルロワ、ジャド、コント・スナール、それにDRCなども含まれる。



これだけ聞けば、どれだけのものか容易に想像できるはずだ。
そこへクラヴリエの精緻で丁寧な造りとなれば、旨くないはずは無いと誰もが思うはずなのだ。

不安要素は08’ものであること、それに畑が良すぎるということ。
すなわち凝縮して姿を見せてくれないのでは?ということだ。
案の定最初はそうであったのだが、究極の待ちの姿勢で、最後は我が軍の勝利となったという次第。

固く筋肉隆々だった精緻な果実味は豊潤に口に広がり、その味わいにはある種の野趣と野禽のニュアンスを伴っている。
正しく正統なブルゴーニュ・ピノ・ノワールのあるべき姿を体現できている。

このワインを倅達と飲めたのは良かった。
そのような機会を後どれだけ持てるのだろうか?と思い入る今日この頃である。

ここ数日のワインの流れ。

2018-07-16 18:59:56 | ワイン
12日から今日まで、長男が来て、次男が来て、二人が帰って、次女が来た。
で、いつものことではあるけれど、相当数のワインが空いた。

でもこの流れを見てみると、5年前とは随分違う。
ブルゴーニュやボルドーをパカパカ開けていたあの時代とは違うのだ。

そこにはニッポンワインがある、ナチュールと呼ばれるものがある。
数えてみると、フランスワインが8本、イタリアワインが2本、オーストラリアが2本、そしてニッポンワインが5本。
そしてナチュールと呼ばれるものは7本ということかな?















いずれ全方位のワインの流れなのだ。
毎日がスペシャルなワイン生活はこうなってあたりまえ。
それだけ多種多様なワインが軍雄割拠のこの時代に、通り一遍のセレクトほど野暮なものは無い。
こうじゃあなきゃツマラナイとワタクシは思うのだ。

2003 クスダワインズ ピノ・ノワール マーティンボロ NJL

2018-07-09 23:41:27 | ワイン
日本人が海外で造ったワイン。
ブラインドでこのワインを出したら、ある人からこうゆう答えが帰って来た。
もちろん、ご名答だ。
ほぼパーフェクトな答えである。
どうしてそう思ったのかはサダカではない、でもクスダワインをピンポイントで狙ったのだろう。



クスダさんがNJLでワイナリーを始めて2年目でこのワインが出来た。
素晴らしく、優雅で、妖艶な味わいに仕上がっている。
ブルゴーニュ的なフィネスもあるでよ。
でもどこかにブルゴーニュには無い何かしらの香気が漂うのだ。
クスダワインにだけ感じられる何か・・・
もちろん、それは否定的なものではなく、むしろソソラレル香りなのだ。

何はさておき、ここまで待って正解!
だからこのワイン、ブルゴーニュに肩を並べれるということなのだろう。

美味しかった♪

2006 ムルソー 1er Cru  シャルム  コント・ラフォン

2018-07-02 00:04:15 | ワイン
このワインを飲むたびに思い出すのは、ワイン駆け出しの頃のことだ。
当時、ワイン・アドヴォケイトを洋書で買い、舐めるように読みまくった。
そしてその評価を鵜呑みにして、高評価頼りにワインを買う。
モノによっては買えないものもある、その中の一つが1989年物のこのワインだったのだ。
おそらくパーカー100点の評価の白ワインはそれが最初だったのでは?と記憶している。
だからその当時、憧れのワインがこのコント・ラフォンのムルソー・シャルム♪
ペリエールではなくてシャルムだった。

すなわちパーカーの好みが我々のワインを飲む順序の優先順位を決めていたと言える。
でも決して好みはそれによって変えられない、なぜって我々は『The Wine Heat』だからさ!!!
えへん! 
なんちゃって、先ずは冗談はこれくらいにして。(笑)

で、その日は今評判の『パスカル・クレマン』のムルソーの差し入れがあって、そのワインを飲んで、このワインの出番となった。
パスカル・クレマンもそれなりに見事なムルソーではあったのだ。
しかしだ・・・
つぎなるこのムルソー・シャルム、ミネラリーな立ち上がりが大迫半端じゃねえ!(笑)



それは鍾乳洞に入って、石灰粉の目潰しでもくらったかのようだった。(これは言い過ぎか?)
そして蜂蜜、黄桃、パインと来る。
果実は張り詰め感が違う、酸度の質感が違う、そしてこのシャルムには緩さが無いのだ。

こうくるとコント・ラフォンのシャルムは別格だ。
健気にペリエールを手配する必要はドコにもないのだ。
そんなラフォンの登場で盛り上がった『オテル・・・』は正解だったかな?





その昔の我のワイン飲みとしての幼稚さは忘れずに、向き合い方を今の人達と楽しめたらと思う。
で、そんなヒトトキに感謝です。