三日連続で、健さんのことを書いてしまいます。
特集とかを見ていて、ほんとに亡くなってしまったのかな、と思えてしまうこともあるのです。
今までだって、映画が公開されるとなって、公の場に出てこられましたから、現在はそんな風にうつっています。
ですが、事実は事実なので、改めて、寂しくなってしまいます。
私は、どうしても斜めにものを観てしまう傾向があり、素直に感じることができないところがあります。
例えば、『幸せの黄色いハンカチ』の中のシーンで、出所後、初めてビールを飲む場面では、撮影二日前から飲まず食わずで挑んだ、とか言われますが、それは大げさにしろ、そこまでしなければ良い演技はできないのかよ、と思ってしまうのです。
あげくは、わざとらしい、と、観た当時は思ってしまいました。
余談ですが、昔の時代劇スターは、立ち回りを撮るときには、前日の夜から水を飲まなかったと言われています。
それは、汗をかくとずらがずれたり、衣装が乱れたりするからだとかで、撮影をスムーズに行うための気配りであったというはなしです。
関係ないはなしでしたが、健さんは、演技が巧いとか下手とかの次元を超えている演技者だったのでしょう。
スターの証ではありますが、存在が全てであるわけです。
残念なことに、その佇まいを継承している役者さんは少ないように思えます。
これはテレビのせいかもしれませんが、いま売れている日本の役者さんは、どこかにやけて見えてしまうのです。
その点、中国の役者さんは、渋いです。
アンディー・ラウ、中国の役者さんでは、この方しか名前を知りませんが、渋いです。
他にも、映画『グランドマスター』で、イップマンを演じた役者。
あちらの大スターでしょうから、名前を知らないのは失礼に当たると思っていますが。
健さん仕様の佇まいを見せています。
韓国でも、『武人』の主役の方は、渋かったです。
そういう点では、健さんの佇まいは、東アジアの役者さんたちに引き継がれているのでしょうか。
と書いてきて、馬鹿なことを考えたものだと気がつきました。
スターさんは、唯一無二なのですね。
三船敏郎さんしかり、石原裕次郎さんしかり、渥美清さんしかり。
似た方はいません。