雪にも負けず、名古屋まで演劇鑑賞に行きました。
向かった会場は、愛知厚生年金会館。ここには過去2度訪れたことがあります。
その中でも、昨日が一番良い席でした。舞台から近いという意味ですが、それでも前から10番目でしたが、役者の顔はよく見えました。
平日の夜でしたが、一階は満席でして、人気の程を知りました。
”東京ボードビルショー”、佐藤B作が座長の劇団ですが、ひょっとすると、劇団の知名度より、三谷幸喜作、というのが効いたかもしれません。
作品は、『エキストラ』。映画のエキストラの話ですが、誰もが身につまされるような気持ちを抱く、とても良い作品でした。
2時間ノンストップ、落としどころは判っても、筋は読めないですし、飽きることなく観られました。最後は少しブラックな場面もありましたが、見終わった後は、お客さんの誰もが微笑みながら出てきた、といった印象でした。
話に共感できますし、筋立て、テーマが判りやすい、というのが一番の長所じゃないでしょうか。
ただ、少しだけ難を書きますと、腹から笑える場面はありませんでした。
そこそこ可笑しい、の連続で、もちろんそれが素晴らしいところですが、可笑しさも、ある意味、パターンの連続であったようです。
私の隣の若いアベックは、満足していたと思いますが、全く笑い声を立てませんでした。私のもう一方に坐っていた妻は、終始ゲラゲラ笑っていましたが・・・。
もっとも、お客を笑わせるだけなら、現在流行のコントなどの方が笑えるわけですから、笑いたいなら、そちらへ足を運べばいいわけです。
三谷の作品は、コメディーであって、ファルスではないのでしょう。だから、喜劇でありながら悲劇的な様相も帯びた、哀切感のある作品になっていると思います。
良い作品でした。